第10話:森の悪霊。

しばらくすると木の精霊だの花の精霊だの水の精霊が次々現れて

男のリアムを誘惑しはじめた。


「ほわ〜エマがたくさんいる・・・ここパラダイスだよな」


「リアム!!・・・」


「分かってるって・・・エマだけだだから・・・」

「え〜い君達・・・そんな下手くそな誘惑に惑わされないんだよ俺は」

「寄ってくるな・・・エマ以外の女となんか・・・ジンマシンが出るだろ」


リアムはニンフを必死で追い払った。


「あななたちあっちへ行きなさい」

「その人は私とセックスするんですからね」


エレンネルはリアムに群がるニンフを、あっと言う間に豚に変えてしまった。

エネンネルはどんなモノでも別モノに変えられる魔法使いなのだ。


「げげっ・・・みんな豚に変えられたよ・・・もったいない」

「この子達一生、豚で過ごすんですか?エレンネルさん」


「心配しなくても一時間もすれば元のニンフに戻りますよ、リアム」


「エレンネルさん、俺もセックスを拒否したら豚に変えられるんでしょうか?」


「もう、いちいちバカなんだから・・・あんた出会った時よりどんどん

ヘタレになってるよ、リアム」


「なんでも好きなものに変えて差し上げますけど・・・」


「エレンネル・・・あんたも相手にしない」


「みんな、冗談はさておいてさっさと行こうぜ」


リアムはペルシャディーを無視して歩き出した。

しばらく行くと一行は綺麗な泉がある場所に出た。


「ここが例の「死人の泉」に出てきたニンフが住んでた埋みだね」


ピアスが言った。


「ここの泉の水は媚薬を含んでるんれってことらしいけど」

「飲んだらセックスしなくちゃいられなくなるって・・・」


「そうなの?ちょっとだけ飲んでいこうかな」


「リアムはそれ以上スケベにならなくていいんだよ、まじでカドゥーケス

で殴るよ」


「・・・・冗談だって」


三人は泉を回って前に進んだ。


もう森に入ってずいぶん歩いてるような気がした。

森の奥深くに近づくにつれ徐々に明かりが必要なくらい暗くなってきた。


太陽の日差しすら通さない深い森・・・。

どこからともなくキツイ悪臭が漂ってきた。


「あっ、あれエマじゃないか?」

「エマだろ?」


「リアム大丈夫?」


「だって、あれエマだよ、みんな知らないだろけど」


「だれもいないけどリアム・・・」


ピアスが否定した。


「ピアス何言ってんだよ、いるだろそこにエマが・・・俺を手招きしてるよ」


「誰もいないって・・・」

「エレンネルさんニンフがいるのが見えます?」


「見えませんね」

「でも・・・嫌な臭いと嫌な空気が漂ってきましたね」

「もしかしたら悪霊?・・・ラミアかもですね」


「ラミア?」


「ラミアって?あのラミア?」


ペルシャディーが反応した。


「嘘か誠かこの森にラミアが逃げ込んでるって話はお母様から聞いたことが

あります」

「私たちエルフや精霊には効き目ありませんけど、リアムは人間ですからね」

「幻覚を見せられてるんですよ」

「ラミアの幻覚は自分が大切に思ってる人が現れるって話です・・・」

「幻影で相手を惑わしておいて食ってしまおうって魂胆ですね」


「リアムはエマが大切な人でよかったですね・・・他の女性だったら

大問題ですから・・・」


エレンネルは安心したように言った。


「リアム、しっかりしなさいよ・・・あんたが見てるのは幻影だから」


ペルシャディーはカドゥーケスでリアムの頭をゴツンって叩いた。


「いった〜〜〜〜〜ペルシャディーなにすんだよ、いきなり」


「あんたがボケるから正気に戻してあげたの、感謝しなさい」


どうやらこの先にはラミアと言う怪物が棲んでいるらしい。

エレンネルが言ったラミアと言うのは 実はエレンネルの母親メデイアの

魔法によって半人半蛇の怪物に姿を変えられてしまったおぞましい怪物なのだ。


つづく。

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