第7話:魔法使いエレンネル。

ペルシャディーは新メンバーも加えて一行は、コルキスへ向かった。

彼女はアネモイと案外気が合って話をしながらロバに乗っていたため退屈は

しなかった。

結局ふた晩野宿してようコルキスまで到着した。


到着したそこには石造りの立派な城が建っていた。

ドイツのノイシュヴァンシュタイン城を小ぶりにしたようなお城だった。


「ここに魔法使いのメデイア様って方がが住んでるんだよ」


ピアスが言った。


「メデイアさんのことは私も知ってるよ・・・お会いしたことあるから」


ペルシャディーが言った。

ペルシャディーはウッドガルドと旅をしていた時、メデイアに会っているのだ。


「その人、女性でしょ・・・魔法使いって言うか魔女じゃないの?」


リアムが言った。


「魔女みたいなものかな・・・おっかない人だからねメデイアさんは」

「厳密にはメデイア様に用じゃないんだけどね」


「え?ピアス・・・魔法使いに来てもらうんじゃないの?」

「目的はメデイアさんじゃないから・・・さあ、いきましょ」


ピアスは、門番もいない館にひとりでさっさと入っていった。

門を潜って城の中に入ると裸にエプロンをしたメイドらしきニンフが出迎えて

くれた。


「裸にエプロンって、ここはいっぱい目の保養ができるな」


「リアム、スケベ丸出しになってるよ」


鼻の下を伸ばしたリアムはペルシャディーに注意された。


大広間の奥に案内されると裸にエプロンのニンフに


「ここで、しばらくお待ち下さい」と言われた。


そこに玉座があって・・・三人が待っていると奥からもったいぶったように

女性が一人現れた。

その女性はお城に住まう王妃さまみたいな豪奢な衣装を身にまとっていた。

その女性はおもむろに玉座に鎮座すると・・・ピアスに言った。


「ピアス・・・久しぶりですね」

「お久しぶり、メデイアさん」


「ピアスさん、このかたエルフさんじゃないですか?」

「エルフの魔法使いなんて会あったことないよ、ピアス・・・すご〜い」


「そう・・・余計なこと言わないでね、リアム」


ピアスがボソッと言った。


「おや、ペルシャディーも、久しぶりね」

「ウッドガルドは元気?」


「放浪癖のある師匠は勝手に出てって今は行方不明中です」


「ウッドガルドらしい・・・」

「で?私に会いに来たと言うことは、私になにか頼み事ですか?」


「あ、それは俺がご説明します・・・実はですね」


リアムは、これまでのことをメデイアに話した。


ペルシャディーは退屈な話を聞くのが面倒で館の壁画に描かれた絵とかとか彫刻を

珍しそうに見ていた。


(ここにあるモノ全部値打ちモンなんだろうな〜・・・)


リアムの話を聞いてメデイアは眉をひそめた。


「そう・・・あの馬鹿オリバルドのやりそうなことね」

「でも私は、あいつとは関わりたくないの・・・昔いろいろあってね」


「そのうわさには聞いたことがあります」


ペルシャディーが言った。


「メデイア様のような大物に出張ってもらうつもりはありません」

「できれば、エレンネルさんをお貸し願えるとありがたいんですけど」


ピアスが横からクチを挟んだ。


「エレンネルか・・・それはよいが・・・本人がなんて言うか」

「エレンネル・・・エレンネル」


メデイアがそう呼ぶと、しばらくしてめちゃめちゃ美人さんのエルフが現れた。

瞳は吸い込まれそうなブルー、髪が腰まで長くシルクのような真っ白な髪を

していた。

エレンネルと呼ばれたエルフも一応服は着ていた・・・服というよりドレスだろう。

ワンピースのような薄いブルーのドレスに花柄の模様が刺繍してあった。


本当にこの世界はブスがいない・・・ってリアムは改めて思った。


「どわーっ、すっげえ美人・・・目がくらみそうだ・・・」


「リアム、またスケベ剣士にななってる、手を出したらゴキブリにされるよ」


ペルシャディーはまたリアムを注意した。


「エレンネル、退屈しのぎにこの人たちの旅に一緒について行ってあげなさい」

「たいした仕事でもなさそうだし・・・最近あまり外に出てないでしょ」


「まあ、ペルシャディーもピアスも久しぶりね」


「エレンネルさん、お久しぶり」


先にピアスが挨拶した。


「エレンネル・・・私たちと一緒に来てくれる?」


「いいよ・・・ペルシャディーと一緒なら・・・」

「ではちょっと行ってきます、お母様」


エネンネルは玉座の女性にそう言った。


「お母様って・・・エレンネルさんはメデイアさんの娘さん?」


「あたなは?」


「あ、俺、剣士のリアムです・・・よろしくです、エレンネルさん」

「まあ、いい男ね」


つづく。

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