彷徨のペルシャディー。〜ポンコツパーティーが行く〜

第6話：風の精霊。

「ところで、あんたたち死人の森へはいるの？」

ピアスが言った。

「そうだけど・・・森の中を抜けていこうと思うの？」

「ペルシャディー本気でこの森を抜けていくつもり？」

「あ〜ピアスには言ってなかったけど、私たちオリバルドのアジトのオプス

キュリテの塔に向かってるんだけど・・・」

「山脈を越えていくとかなりの遠回りになるからね」

「森を抜けたほうが早くつけると思って・・・」

「森の奥になにがあるか知ってるの？ペルシャディー？」

「あまり詳しくは知らないけど・・・なにかあるの？ピアス」

「うわさだけど・・・この森に入った人は誰も帰って来ないって噂知ってる？」

「あの〜やっぱり辞めたほうほうがよかないかな？ペルシャディー」

「またビビってるの？リアム・・・彼女助けるんでしょ？」

「もたもたしてていいの？」

「ですけど、先に命、失っちゃ彼女助けられないし・・・」

「ビビリ・・・そんなことじゃネズミ一匹救い出せないよ」

「行くしかないっしょ・・・さあ森のを抜けるよ」

「ピアスもいい？」

「いいけど、このパーティーじゃ心もとないね」

「もし化け物に遭遇してゲガや手傷を負ったら治せるメンバーがいなし？」

「まあ、そう言えば攻撃系だけだもんね」

「ヘタレの見習い剣士だし、リアムは・・・」

「ヘタレじゃないってば！！」

「私、知ってる治癒系が得意な魔法使いがいるんだけど・・・」

「たぶん、その人なら一緒に来てくれるかも・・・この間、会いに行ったら

退屈してたみたいだから・・・」

「たしかに治癒系魔法使いいたほうが助かるね」

ペルシャディーが言った。

ってことで森に入る前にピアスが言った魔法使いに会いに行くことになった。

「私は風に乗って飛んでいけるけど、ペルシャディーとリアムは歩きになるね」

「歩いて行ってもいいけど、疲れちゃうから」

「森に入ったところに私の友達のロバがいるから。ふたりはロバに乗っていけば

いいよ・・・ロバも遅いけど歩くよりはマシでしょ？」

「ロバ？・・・あの馬とかないのピアス？」

「リアム、贅沢言わない乗っていくものがあるだけマシだよ」

てことでペルシャディーとリアムはロバに乗って行くことにした。

一行が森に入ると二匹のロバが干し草をほうばっていた。

「やあ、エド・・・久しぶり・・・」

「あ、ピアス・・・」

「頼みがあるんだけど・・・」

「頼みって？」」

「おえっ、ロバが喋った」

ロバがしゃべったから驚いたのリアムだった。

旅であちこち行っていたペルシャディーはしゃべるロバのことは知っていた。

「どうしようかな・・・ピアスの頼みだし」

「どこまで行くつもり？」

「コルキスまで」

「約二時間あまりか・・・いいよ日頃お世話になってるピアスの頼みだし」

「ピアスその治癒系の魔法使いってメデイアさんちのエレンネルのこと？」

「ペルシャディーよく知ってるね」

「そのエレンネルって人が魔法使いなの、ペルシャディー」

リアムがピアスとペルシャディーがの会話に入ってきた。

「コルキスって？」

「リアム・・・いちいちうるさい・・・行ったら分かるから」

「ねえねえ、ちょっといい？」

ピアスがいきなり言った。

「あのさ、私の友達が一緒に行きたいって言ってるんだけど・・・」

「友達って？・・・」

リアム周りを見渡したが三人以外、人の気配はなかった。

「ピアス・・・もしかしてそれってアネモイさんのこと？」

「そうだよペルシャディー」

「アネモイ？・・・・って何？ピアス」

なにもかも初めてのリアムは驚くことばかり

「ああ、アネモイさんってのは風の精霊のことだよリアム」

「アネモイさん・・・いるなら出てきてくれましぇんか？」

すると一陣の風が吹いたと思うと、ひとり精霊が姿を現した。

実態化した精霊は綺麗な女性の形をしていて、髪は長くしなやかで彫刻の

ようなみごとな肢体をしていた。

それは風のシルフと言って普段は風になって世界を巡っている精霊なのだ。

アネモイと言うのはシルフの名前なんだろう。

風とは言え実体化するとアネモイは心奪われるほど超美人さんなのだ。

「アネモイです・・・よろしくねみなさん」

親切なピアスは仲間になったみんなを紹介した。

「精霊の女性ってブスはいないんだな・・・エマも超べっぴんだし・・・」

リアムは自分の彼女が美人だって言いかたっかのかな？

「アネモイさんは風の精霊だから風に乗って移動する私とは切っても切れない

仲なの」

ピアスが自慢げに言った。

「アネモイさんが一緒なら心強いよ」

「また、仲間が増えたね、ペルシャディー」

「賑やかでいいんじゃない？」

こうして旅のメンバーは五人になった。

普段、アネモイは風になって移動するので誰かが見たら、ペルシャディーの

メンバーは三人しか見えなかっただろう。

新メンバーも加えてそれから一行は休憩しつつ途中誰かに会うこともなく

ようやくコルキスまで到着した。

慌てず騒がずのいたってのんびりした旅に危機感のない一行。

こんなことでリアムの彼女なんて助けられるのかって思うけど・・・。

ゲームみたいに旅の途中、雑魚キャラなんか出てこないしね。

つづく。