第44話

それからキョウト、ヒョウゴ。

まあに落ち着けと言いながら、サキュウに向けて気が逸っていた。どちらからともなく、ナビの目的地をトットリに合わせようとしていた。

「あは、僕らサキュウで何がしたいんだろ?サキュウでヤッたら砂が入っちゃうかもだから、サキュウではしないどこうね」「シメイくん?」「ん?」「わたしトットリはイッた事ないんだ。ただ彼がやたら昔の彼女とイッた事聞かされてたから」ああ、またおんなじ。

「まあちゃん?」「なあに?」「僕ら不思議だ。だいたいみんな、君とは違う、と、あーっ!おんなじだ!、って都合よく使い分ける。往々にして都合良い事は同じ、都合悪くなると違っちゃうんだ。君はそうかもしれないけど、僕は違うから大丈夫、とかさ。だけど僕らふたり、ぜんぶ一緒だ。良い事も、悪い事も。なんだかさ、サキュウにはその答えがさ、最初の答えが待ってる気がするんだ。僕らはもちろん別の人間だから、お互いの都合もそのせいで感情もある。だから、今は夢ん中だ。その夢が本物なのか、僕はふたりサキュウに埋まって、抱きあって埋まって、死んでも良いんだ。君と、死んでも良いんだ。ね、まあちゃん?」

まあは黙ってうつむいた。

五秒。

永遠みたいに長かった。

助手席から飛びかかり、僕の自由を奪う。

微乳のより小さい右の乳房の乳首のところを僕の口に押しあてて。

「少し、黙っててもらって良い?シたいんだ」

すごく嬉しそうに、笑った。

「は、ひまふるはほほめふはら、ほはひひんふへっふふはほふはひほ、へっ?」

もっと、もっと。ちょうど僕もそう思ってたとこだった。


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