第34話
朝から車中で一発。明るいしこの時代のトチギには森林などない。誰かに見られるかも知れない。僕はそういうスリルに昔から滅法弱かった。もう何十年もそんなシチュエーションは無かったから、あっと言う間に果てた。
「あっ、ダメッ!外に出して、でも抜かないで!」無茶を言う。
ぎりぎりまで我慢して引き抜くと、
ビュッ
まあの首筋まで飛んだ。新記録だ。
ふたり大喜び。大満足でいざ外へ、と思いきや、まあは意外な事を口走った。
「じゃあ、次は中でイク、じゃなくて、中へ行くよ」「えっ?彼は外に居るんでしょ?」
「だって、これから外へイクんだから、イケなくなっちゃうかもでしょ?」
それもそうか。せっかくなら、出来るだけこの時代の色んな場所を見るのも良い。それに…
「それに、もし彼に会ってわたしたちお別れする事になったら、やっぱりさみしいよ」
まあが僕の気持ちを言った。
ふたり同じ気持ち。こんな幸せなのは、何十年ぶりだろうか?
僕らは紛れもない本当の恋をしていた。
まるで啄木鳥みたいに何度もキスをすると、まあはへちゃむくれて見せた。
いちゃつくふたりを乗せた車は、最高度を飛ばしてトーキョーを抜け、レジャー特区へと辿り着いた。
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