第31話

その夜もたくさんヤッて、疲れて眠った。

夜中小便に目が覚めると、まあがiを見てるのがわかった。

とりあえず用を足し戻るとまあがベッドに半身起こしていた。

「ごめんね、勝手にヨコハマ連れてきて。ラーメン喜んでくれてホッとしたよ」

「なんでヨコハマだったの?」

「彼との、初デートの場所なんだ。嫌だよね、こんな話」「嫌じゃない。聞きたいよ」

「うん、話した方が良いと思って。わたしね、彼と出会って好きになって、四人も子供作ったんだ。今どき珍しいんだよ、同じカップルで四人もなんて」「うん」

「彼、わたしを愛してくれて、理想を求めてリゾート特区へ移住したんだ、わたしたち。そこではまだ隠す派が存在してて、彼の意向もあってわたしは隠す派になったんだ」「そうか」

「でも彼はもっとってなっちゃって、どんどん昔はどうだったのか?って突き詰め始めて、それでお金が全然稼げなくて」

抱きしめた。もう、聞きたく無かった。

全部、僕とおんなじだった。

「紫明くんの小説読んだよ。わたし、読むの好きなんだ。こんなにえっちばっかりしてるカップル居ないよね!ファンタジーだよ、これはもう。描写がリアルで恥ずかしいけど、お手伝いになるなら。次は何してみよっか?」

かわいくて、またきつく抱きしめる。

けれどまあは、ちょっといつもと違ってた。

「彼も小説書いてたんだ。最初嬉しくて読んだ。そのうち読むのが辛くなっちゃって…」

「まあちゃん、この旅は彼を探す旅だ。僕と彼はそっくりだ。だから、もし見つからなかったら、僕が代わりになる。まあちゃん死ぬまでさ。いいかい?」

「優しいね」

まあはぽろぽろ泣いた。

ひっくひっく泣いた。

チーンと鼻をかんで、恥ずかしそうにこっちを見た。

ふたり横たわり、キスしたまんま眠りに落ちた。

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