ラブホ

第21話

ラブホに着いた。まるで美容室やエステサロンみたいに洒落た外観。

駐車場から直接部屋へ入れる構造は変わらない。

室内はまるで山里の別荘みたいなウッドハウス調。

キョロキョロ落ち着かない僕と対照的にわりと慣れた様子の萌は「先にシャワー浴びて来るね」と浴室に消えた。

困っていた。

さっきから萎えていた。緊張ではない。

悪い予感がした。

萌がシャワーから出ると、入れ替わりにシャワーを浴びる。

「考えるな。仕事なんだし、あんなかわいいコとヤるチャンスなんて滅多にないんだ。なんにも悪い事はない」そう自分に言い聞かせながら。

部屋に戻ると、萌は布団被っていた。

僕はそこから動けなくなった。

「ごめん、実はさっきから体調が優れないんだ。新コロだったらマズいし、代わりの者を呼ばせてください」

「チンコロ?大丈夫?うん、無理しない方が良いよ」

優しい良いコだ。

僕は慌てて弥生ちゃんにヒロシを手配してもらい、心配して布団から出て来ようとする萌を制して逃げる様に部屋を出た。


若さ、だった。

もともと年が近い相手としかしておらず、特に娘が出来てからは若いコはダメだった。

彼女の股間を見ることなんて、とても出来ない。

元の時代では実際にそんな機会も無かったから、キャバクラや風俗店が苦手な程度だったし、それでも熟女相手なら楽しめるかもしれないと思っていた。

熟女専門。

既に種馬失格だった。

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