第10話 ランクアップ


 ユキの精霊となったイブ(イフリート)がブチギレるといったトラブルはあったものの無事目標のLV25を達成し今日のボス戦は終わった。




「はーい、今日も本当に大量ね、どこから手に入れてるか知りたいな〜?」

「そんなー、俺たちの生命線を教えられるわけないじゃないですか〜」

「それもそうね、これからも贔屓にしてくれると嬉しいわ。」


 素材の買取を終えたジン達はその買取額に震えていた。


「1400万G、、しゅごい。1人280万も貰える。」

「おいおい、明日からはこうはいかないぞ?今日の的は中級の徘徊ボスだから、この値段なわけで、明日からは初級攻略していくから、値段は下がるぞ?」


 いや、それにしても、ゲームの時より買取額上がってるな、リアルでは命懸けでやるからその分周回率とか下がるんだろうな。


「来週からは学校が始まる。それまでに初級迷宮を突破するぞ!」

「「「おう!」」」

「はいです!」「はぁっん、ユキちゃん返事も可愛い。」


 よーし、気合い十分だな。明日はみんなでランクアップしてステ振りの後は爆速攻略していくか!



「今日は2次職になっていくぞ!」

「なんのジョブに就くか決まってるの?」

「ああ!もちろんだ、最高のジョブを用意しているぞ!」

「それじゃあ、お願いね、任せるわ!」


「よーし!それじゃあ、メイからだな、メイはそのまま転職の間に行けば錬金術師が出てくるはずだぞ!」

「あっ、ほんとだ、錬金術師になるね!」

「ああ!これからもよろしくな!」




「それじゃ、次はリンだな、リンの場合は、昨日買ってもらったやつ持ってきたか?」

「本当にこんなので出てくるんでしょうね?」

「ああ、天使の転職条件は意外と簡単なんだ、1次職で、見習い天使であること、そして、天使系のアイテムを持って転職の間に来ればOKなんだ!」

「もう、わかったわ。ああ、本当にあったわ。天使になれるのね。」

「おう!よかったな!天使(盾)になれたぞ!」

「ありがとう、嬉しいわ。」




「うっし、次はミーコだ!ミーコも昨日買ったの持ってきたか?」

「うんー。持ってきたけど、これ本当に高かったー。」

「あぁ、そうだな、だが、これさえ持っていれば、あとは最後まで使えるからいいぞ!」


 大罪系に総じて必要なアイテムとして、堕天というアイテムがあるが、これが本当に少ない。理由としては、天使系のアイテムを使ったあと消えずに残ったものが堕天というアイテムになる。使い終わったあとなので効果は何もないが、大罪系に就くためのアイテムとして必要な物であった。


「じゃあ、就くね、えーっと、あった!怠け天使でいいんだよね?」

「ああ!だが、もう、後戻りはできないぞ?」

「大丈夫!私たち一族の悲願だから!」

「そうか、なら俺が最強のベルフェゴーレにしてやる!」

「ありがとう!ジンくん大好き!」


 お、おう、大好きいただきました。




「ジンお兄ちゃん?大丈夫?」

「はっ。ああ、大丈夫だぞ!さあ!ユキの番だ!ユキはもう九尾(三尾)に就いているから、レベルさえ満たしていけば順調に九尾の狐まで行けるはずだぞ!」

「本当?七尾までしかなってる人いないんだけど、物語では九尾の狐になるから憧れてたんだ!」

「大丈夫だぞ!俺が九尾の狐まで就かせてやる!」

「はい!ユキちゃんは心配する必要ありません!お姉ちゃんに任せてください!」

「わーい!ジンお兄ちゃんたちありがとう!

転職するね!」

「ジンお兄ちゃんだと?ジン許せない。」


「おおっと、ほら、ユキが転職したぞ!駆け寄ってあげるんだ!」

「はぁっん、ユキちゃん転職おめでとう!」


 うん、危ないな。これからも気をつけないと安心できないぜ。とりあえずあとは俺が転職するだけだな。



「あんたはなんのジョブに転職するのよ?」

「俺か?俺は、街の英雄だ。条件としてはもうクリアしてある。」


 街の英雄になるには、1次職で村の英雄になっていること、あとはボスを相手にソロ討伐を行えば条件クリアだ。






「よーし、みんなあとはステータス振りをしたら迷宮攻略に行くぞ!」






 -初級迷宮2F-

「とりあえず、初級迷宮における地図は頭の中に入ってるから、採取エリアも無視して進んでいくぞー!」

 ここにくるまで、肩慣らしとして、精霊の森で採取とボス狩りを行ったので、採取エリアも無視して進む事にした。



「よーし、今日はここまでにするか!」

「1日でここまで来れるなんて。。」

「すごいねー!これが転送陣?」

「ああ、これでフロントスフィアまで一瞬で戻れるぞ!」



-初級迷宮5F-

 迷宮には基本的に5F毎に転送陣が置かれており、10F毎にフロアボスがいる。そして、初級迷宮は25層からなり、中級迷宮は50層、上級迷宮は75層、最上級迷宮は100層からなっている。そして、そして、3次職から戦闘職は、この迷宮の踏破階層も条件に入ってくるので、ここからは迷宮を攻略しないと転職できない仕組みになっている。そして、中級迷宮に進むには初級迷宮を踏破しなければならないので、飛ばしてクリアなどはできないようになっている。だけど、生産職の場合はクランハウスを持っていれば中に入ることができる。なので、生産職だからと、迷宮を踏破する必要は無い。


「ジンくん、私はこれから迷宮攻略は参加しないようにします。みなさんの消費する回復薬を生産しないと間に合わない事に気づきました。」

「お、おう、すまないな、ありがとう。メイが回復薬を作ってくれるなら俺らは安心して進むことができるよ。」

「はい!私が皆さんを支えて見せましゅ!」


 大事なところで噛んでしまって顔を赤くするメイ。うーん、メイらしくていいな!


「て事は、4人になってしまうな、このままでもいいと思うが、誰か誘いたい奴とかいる?」

「そうですね、私の幼馴染が会ってみたいとは言ってたけど。」

「ん?ちなみになんのジョブなんだ?」

「うーん、確かジョブは狩人だった気がする」


 そうか、狩人か、これからの迷宮探索では必要不可欠だな。5次職のハイパーレンジャーからはほとんどのモンスターに対して特攻を待ってるからな、対モンスター戦では最強の一角とも呼ばれていたな。


「よし!明日是非会いたいと言っておいてくれ!」

「そう、わかったわ。だけど、変な事しないでよ?」

「変な事?するわけないじゃ無いか!」

「とても信用できないんだけど。まあ、いいわ、明日の集合の時に来れるか聞いてみる。」

「ああ、楽しみに待ってる!じゃあ、また明日な!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る