第7話 ステ振りからの打ち上げ


「おらぁ!まだまだぁ!‥‥ふぅ、今日はこれで終わりだな。」

「えっ?もう終わるの?もう一回やりましょ!」


 シルフィを初撃破してから約3時間、ひたすら周回して合計6回周った。リンたちは3回目から参加させることにした、とはいえ、2回もボスと俺の行動を見ていたので無理のない立ち回りだったが、4回目のドロップがまたもや金箱で、散々駄々を捏ねられた結果、リンが空けることになり、これまた珍しい指輪の装備を手に入れた為、もっと倒してやると意気込んでしまって、帰りたくないと駄々をこねていた。


「全く、子供か?明日もまた来るんだし、ここは俺ら以外知らないじゃんか、」

「むぅ、そうだけど、わかったわ!約束よ?」

「あぁ!とりあえずは2次職まだはここで周回するぞ!」

「簡単にいうわね、でも、このレベルアップ速度ならありえるかしら。」

「そうだね、私はもうすぐで転職できるよ」

「すごい、ミーコ本当に何もしなかった。」


 ボスを6回も倒したおかげで、俺たちのレベルは、俺とリンとミーコが19、メイが23になっていた。1次職と2次職のレベル上限が25なので明日には突破できるだろう。まさか、5日はかかると思ってたが2日でクリアできそうとは思わなかったぜ。


「よーし、とりあえずアイテムの売却だけど、みんな均等に分配でいいか?」

「そうね、私たちは別にいいのだけど、あなたはいいの?」

「あぁ、そんな事か、別にいいぞ?お前らのアイテム袋が無ければ取れなかったし。」

「そう、ありがとね。」

「ありがとう、ジンくん。」

「やったよ。何もしてないのに貰えたよ!」

「いいって、気にすんな、クラン組むんだしな!あと、ミーコは強いボスと出会ったらそん時は頼むぜ!」


 精霊の森から抜けたジンはみんなからのアイテム袋を預かり、フロントスフィアにある商業ギルドに向かった。


「すみません、売却したいんですけどいいですか?」

「はい!大丈夫ですよ!」

「ちょっと量が多いんですけど大丈夫ですか?」

「はい?ああ、それじゃあ、こちらで受け取りますね!どうぞ、」


 別室に連れて行かれたジン達はアイテムを置く場所にドロップ品を置いていくことにした。


「へっ?」

「あっ、ちなみに質問は何もなしでお願いしますね」

「えっ、あ、はい!少々お待ちください、鑑定いたしますので。すみません、お名前と生徒カードお持ちですか?」

「あ、はい、名前はジンです、ジョブは村の英雄です。」

「あっ、あなたがあのジョブについた方ですか。やはり、お強かったんですね。はい、間違いありませんね、鑑定の結果問題ありませんでした。」

「あぁ、まあそうですね、最強を目指してるんで!」

「ふふ、そうですか、では今後とも是非ご贔屓にしていただけると助かります。私は、商業科の3年クラリスと申します。」

「はい!今後ともよろしくお願いいたします。」

「それでは全て売却でよろしかったですか?」

「はい、それでお願いいたします。」

「では、全て売却で、86万4000Gになります、全てカードに送金で大丈夫ですか?」

「あ、少し待ってくださいね、みんな!カード出してくれ!すみません、4等分でお願いします!」


 うぉ、まさか初日からこんなに貰えるとはな、想定外だったが、ゲームの時より少し価値が高くなってるのか?


「うぁあ、ジンくん、しゅごいよ、何もしてないのにお金が降ってきたよー!!!」

「こ、これなら、錬金釜も買えるね!」

「まさか、初日でこんなに手に入るなんて、」


 まあ、途中でドロップした、精霊の宿木を売却したらもっといったんだろうけど、とりあえずはこれから仲間になるやつの為に保留だな!


「よし!今からみんなお待ちかねの、ステ振りをするぞ!みんなにはメモを用意したからそれを参考にステータスを振ってくれ!」


 よしよし、このステ振りの瞬間がたまんないんだよな!基本的にレベルが上がったからすぐステータスを振るわけではない、ステータスを振った直後は体の動きが良くなり、感覚が変わるからだ。


「ねぇ、ジンくん、本当にSTRとAGIだけでいいの?」

「あぁ、ミーコの場合はボス戦以外で攻撃をしないことと、攻撃に当たらない事が大事だからな!それに、ユニークスキルではSTRとAGIの倍率を上げるになってるだろ?だからどうしても、特化ステータスになる訳だ、そういうわけでこれが正解だ!」

「そっかー、、まあ、当たらなければいいよね!」

「ステ振りは終わったか?買い物済ましたら、これから打ち上げに行くぞ!」


 ステ振りと買い物を終わったジン達は、打ち上げをしに酒場に向かうのだった。


「じゃあ、初迷宮探索を祝ってー乾杯だーー!!!」

「かんぱーい!」

「乾杯!」

「かんぱい!」


 うんうん!3人もいい感じに仲良くなってきたな、できたら、あと1人後衛の魔法系のジョブ持った子がいたらいいんだけど。。それに、早くクランも作らないとな。


「それより、ジンはなんでそんなに色々なこと知ってるの?」

「へっ?それはあれだ、俺は最強になる為に色々学んできたからな!これくらいの事は知ってて当然だ!」

「本当に?はぐらかされた気しかしないのだけど。ジトーっ。」


 やばい、まさかリンに勘付かれるとは思ってなかった、ただの抜けた子だと思ってたのに。そのジト目やめてー!


「なにか、とっても失礼な事考えてない?」

「えっ?!まさか!ソンナコトナイデス」

「そっ、まあそれならいいのだけど、」

「あぁ!その通りだ!それより、もう1人後衛職の人を勧誘したいけど、いい子いるか?」

「うーん、後衛職か、ミーコの幼なじみに狐人で九尾のジョブについた子ならいるよ!」

「そっ、それは本当か?勧誘できるか?」

「えっ?ああ、まあ、元々一緒にやろうとしてたからね、他には預けられないし、いいよ、誘ってみるね!」

「よっしゃあ!是非誘ってくれ!」


 よしよし、最高の後衛職が来たぞ。そうか、その為に精霊の宿木がドロップしたんだな。

ひひひ、楽しみが増えるぜ。


「ジンがまた悪い顔してる。」

「ジンくんは悪い人ではないと思います!」

「うーん、言う人間違えちゃったかな?」





 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る