第2話 村の英雄?


 次の日、ジョブ獲得のため、学園にある人族用の就職の間に来ていた。

 

「いやー、久しぶりきたなー。」

 お、上級生らしき人たちが覚職した新入生に声かけてるな、お!上に表示されるようになってるのか、ここら辺はゲームでは無かった部分だな。




「おおー!あいつ見習い剣士だって!すげーな!」

「次のやつは、見習い僧侶だぞ!今年は豊作だな!」


 いや、まさかだとは思ったが、見習い系で騒がれるとはな、1次職の下級職だぞ?まじか。



「あのー。すみません、昨日はありがとうございます。」

 あ、昨日の迷子の子だ。名前は確か、

「いえいえ、気にしなくていいぞ、えっと、メイちゃんだったかな?今日は覚職しに来たのかな?」

「はい!1時間くらい迷ったんですけど、ジンくん見かけて追いかけたらつけました!ありがとうございます!」

 嘘だろ?また迷子になってたのかよ。

「あ、いやー、まあいいか、で?なんの職につきたいんだ?」

「えっと、見習い錬金術師になりたいなーと思ってるんだけど、」

 おお!まさかこんなに早く見つかるとはな、だがしかし、見習い系はダメだな。2次職で錬金術師になるのなら、1次職はあれじゃないとな。

「よし!最高の錬金術師になりたくないか?」

「え?あ、はい、なりたいけど」

「よし!なら俺に任せろ!俺のものになれば最高の錬金術師にならせてみせる!」

「え?えぇ?いやその、まだ、そういうのは早いと言うか、まだお互い知り合ったばっかだし、そのえっと、」

「ん?クランを作る予定だから入るのが条件なんだが?」

「そそ、そそうだよね、うん!クランに入るよ!」

「そうか!なら任せとけ!まずは条件を揃えないとな!」


 最高の錬金術師になる為にはまず、1次職で薬師か爆師につかないといけないが、俺がオススメなのは断然薬師なんだよな。


「とりあえず、ここからでるか!薬草は持ってるか?」

「うん、持ってるよ!5束持ってる!」

「そうか、なら、錬金釜セットは?」

「うん!部屋に全部あるよ!」

「よし、ならこのメモ通りにポーションを作ってこい!」


 そう言って紙にポーションの作り方を書いて渡した。


「ええ?なんでそんなこと知ってるの?」

「なに、気にするな!ハハハ!」


 そして、メモ通りにポーションを作ってきたメイはそのまま流れるように就職の間での覚職を済ませた。


「本当に就けた。薬師になれた。」

「だから言ったろ?大丈夫だって、よし、次は俺の番だちょっと待ってろ」

「うん!頑張ってね!」




 よし、ついにきたぞ、アドバンのNPC、プレイヤーの中で最強と言われたジョブツリーの中の1次職。【村の英雄】そして、俺がプレイヤーの時に覚職させてから、育て上げたしジョブでもある。




「ジョブ選択、村の英雄」



「おおー!!なんだあれは!」

「初めて見るジョブだぞ!」

「すげー、名前からして1次職超えてそうだぞ」

「絶対レアジョブじゃないか!」


 おうおう、みんなもざわついてるな?

 そうだ、これが俺のジョブ、【村の英雄】だ!

 

「あわわわ、すごいよ!ジンくん!初めて見たよ!本当に同じクランに入っていいの?」

「ああ!君が欲しいからな!」

「えぇっと、その、ありがとう、嬉しいよ」

「さてと、覚職は住んだことだし、メンバーを探しにいくか!」

「うん!まずはどんなジョブがいいの?」

「ん?そうだなーまずは」


「ちょっと!あなた何よそのジョブ!」


 ん?この声はどこかで聞いたことがあるような。


「ちょっと!また無視するつもり?」

「おお!リンじゃないか!昨日ぶりだな!今日は覚職に来たのか?」

「そ、そうよ!あなたはどんなインチキしたのよ!昨日の時点でジョブ持ってたんじゃないの?!」

「ん?いや?昨日の時点ではジョブにはついてなかったぞ?」

「そうなの?ならなんであんなことできるのよ!」

「んー、相手が弱かったからじゃないか?」

「もういいわよ!見てなさい、今日こそは就てみせるんだから!」


 ん?そうだな、イチジョウ家ならあのジョブを狙えるな、仲間にするか!


「おい!リンは就きたいジョブがあるのか?」

「なんで教えないといけないのよ!」

「なーんだ、侯爵家で女なら天使職のガブリエルじゃないのか?」

「んっ、なんであんたがそんなことまでわかるのよ!」

「おーっと、それ以上は何も言えないぜ?もし知りたいって言うんなら、俺と一緒に来い!」

 

 そのまま何も言えなくなったリンは、俺の後をついてきた。よーし、ガブリエルなら、天使見習いの盾士系のジョブに就かないといけないな。よし、それなら早速演習場だ!

 そしてそのまま俺をモンスターから20分きっかり守った。




「なんで、こんな事知ってるのよ!おかしいでしょ!もう、いいわ、約束だからねあなたについていけばいいんでしょ!」


 なにやら現実逃避をしながらも、飲み込んだように言った。


「ああ!これからもよろしくな!」

「それで?明日はダンジョンに行くの?」



「え?いけるの?迷宮。」


 まて、どういうことだ?そもそも、入学後にしか迷宮には入れなかったはず。


「はぁ?何言ってるの?カードがあるならもう入れるわよ?」

「そ、そうなのか、そうだったな!よし!明日は初級迷宮前で集合だ!」

「はーい!」

「わかったわ。」




 いや、まじか、リアルだとこんな特典があるのか、ゲームの中だと、覚職から入学式まではスキップだからな、いや、もしかしたら、第1回の入学式後に以降に搭載されたのか?まあいい、なら、残り10日で2次職まで突っ走ってやるぜ!

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