後来:嵐の聖地10
「お、もう揃ってんのか。……ん? ちぃ姫はともかくそっちのお嬢ちゃんは、あれか? 今流行りのアイドル様か?」
で、最後に来たのは、これも縁があると言うか何というか。第1陣の頃から人間種族
どうやら彼らと同行していたシュタルケールさんは、彼らが主に野良ダンジョンに挑戦する事で大量の特殊な装備を持っていると聞き、その中に「嵐属性の装備」が無いかと聞いたことが切っ掛けだったようだ。
……まぁ、そうだな。最前線を走り続けた
「はじめまして! 『
「なるほどこれが本気のアイドルか。……クラン『ノーストゥング』のリーダー、ジークムントだ。少なくとも人間種族の中じゃトップに入るプレイヤーだな。今回はよろしく頼む」
「よろしくお願いします!」
私がいなくても何とかなりそうだな。私は帰っていいか? これは絶対、カバーさんに任せた方が早いだろ。
……ダメか。そうか。エルルからの圧だけじゃなくジークムントさんも「で?」みたいな視線を向けてくるからダメか。私は動かない方が平和だと思うんだが。
「……クラン『アウセラー・クローネ』所属、ルミナルーシェ・ロア・ヴェヒタードラグです。竜皇様より末の娘と認知頂いていますが、
すっと立って略式の礼を1つ。なお後半は主にヴィルさんとシュタルさんに対する配慮だな。皇女としてだと伏したまま動かなくなっちゃうから。それはちょっとその、話し合いの趣旨としては困る。
まぁ言ったところで完全にこわばりと緊張が解ける訳ではないんだが、何というか、一番大変なのはフリューさんかもしれない。何故ならこの中で一番というかむしろ唯一
私が動いて喋ったからかモルたんの纏う空気がキレた時のものに変わったが、表情は渾身のアイドル笑顔のままだったので良し。良しとする。だからエルル、気配消すのを止めなさい。エルルのそれは攻撃の予備動作だろ。
「ではここからは元『本の虫』所属の私、カバーが司会進行させて頂きたく思います」
ただ当然ながらその空気の変化にはジークムントさんも気付いたし、ヴィルさんは再び宥めに回っていた。フリューさんは、待って、あれ胃薬じゃない? ポーションじゃなくて錠剤の。何か体への影響とか色々考えたら結局あれが一番って形になったとかいう。
そしてその辺頼りになるカバーさんがすっと前に出てくれたことで、とりあえずそれ以上の空気の悪化は回避された。助かるわー。やっぱり私が原因らしい。その理由までは正直さっぱり分からないんだが。
「(初対面の時の理由をまだ引きずってるとか? いやまぁそりゃ公式マスコットなのは変わらないし、認知度で言ったらまだ私の方が高いだろうけども)」
なんせ公式グッズが更に追加されてるからなぁ。私自身が調べなくても、ソフィーナさんとソフィーネさんが「手に入れたよ!」って満面の笑みで元気いっぱいに報告してくれるから、新しいのが出たら分かるんだよな。何か今だと、私個人の紋章が入ったハンドタオルとか、手提げ鞄があるんだってさ。
……にしても、これ、本当に協力できるかなぁ。いや、私と直接対面するのがダメなんだったら、それぞれの場所でそれぞれの出来る事をする形の協力、なら出来るのかもしれないんだけど。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます