第62話 オークションに向けての準備
それぞれ、オークションの為にギルドに預けていたお金をおろす。私は全額だけど、ルシウスとジャスは幾ら下ろしたのかは、オークションの出品物を確認次第、教えてくれるんだってさ。
作戦を練らなきゃいけないからね!
まぁ、お金の話は上品ではないけど、二千
護衛依頼の時、金袋三個あったのが、四百
ヴリシャーカピとオークの集団襲撃があり、護衛が討伐したのは、皮と肉と魔石と睾丸をメンバーで分けた。
ボスのオークジェネラルの魔石と睾丸は、とても高価だった。これは、ボス戦に参加したルシウス、アルフィ、私で分ける事になったんだ。
その上に、護衛依頼中の浄水代金、オーク戦での回復薬代金が、かなり上乗せされていた。
自分一人でダンジョンを攻略していた時に大体二百五十
食物ダンジョン、暗闇ダンジョン、迷宮ダンジョン! 特に迷宮ダンジョンの銀食器、メイド服、魔導灯が高額だったよ。
そして回復薬を売ったのが三百
ルシウスにピカピカの剣を十
それに今日武器とか売った分前が百
これでサンドウォームの皮が落札できたら良いよね!
ルシウスとジャスもお金をマジックバッグとマジックポーチに素早くしまった。
「さぁ、カインズ商会に行こうぜ!」
お互いにどのくらいお金を持っているのかな? と顔色を伺うけど、ルシウスは自信満々な風だし、ジャスも妙に機嫌が良いから分からない。
どちらにせよ、私より長く冒険者をやっているのだから、貯蓄額も多いんじゃないかな?
カインズ商会に着いたら、ハモンドさんが熱烈歓迎だ。
回復薬を期待されているのかもしれないけど、今日は別の用事なんだよね。
「ちょっと相談と売る物があって来たのだ」
さぁさぁと奥の応接室に通される。綺麗な女の人が、香りの良いお茶と私が好きだと見越してチョコレート菓子を持って来る。
ルシウスとジャスは、さほど甘い物を食べないから、私の方に皿を押した。ラッキー!
私はお茶とチョコレート菓子にニマニマだけど、
「チョコレートは身体に悪いんじゃない?」
前世では、猫の飼い主にはチョコレートを与えてはいけないと注意勧告されていたよね。
「
「おお、猫ちゃんにもミルクを!」
ハモンドさん、私のご機嫌を取ろうとしている。ちょっと逃げ出したい気分!
「
えっ、いつの間にレベル10に! まぁ、健康と出たから良いのかな?
私がチョコレート菓子と
「この魔導灯を買って欲しい」
ジャスがマジックポーチから四個だす。
「勿論です!」
ハモンドさんは、にこやかに承諾する。
ここまでは、問題ないんだよね! そこから、ルシウスがオークションについての話題にする。
「今夜のオークションに
ルシウスの説明を、二人は和かに聞いている。
「それで、何がどのくらいの値段で落札されるのか、ちょっと教えて貰いたいのだ」
あっ、これでマジックバッグができるとか教えたくないよね。優れた錬金術師には作れるのか? いや、他の人には作れないかも。
だって、魔法陣は使える魔法しか描けないと
私は、アイテムボックス持ちだから、収納魔法の魔法陣が描けるんだ。
「それは、魔道具のパーツなのでしょうか?」
ははは、機械兵士や機械騎士に荷物持ちをさせているのは、噂になっているみたい。
グレアムさんもハモンドさんも、魔法には詳しくないから、魔導具とごっちゃになっている。まぁ、荷物持ちは魔導具だから間違いではないけどさ。
「俺たちは、花街の顔役にオークションに招待されたけど、あちらも出品したのが落札されるのを見学したいだろうと思ったみたいなのさ。何か落札できる物があれば、金を用意しなくてはいけないのだが……」
あっ、ハモンドさんが立ち上がって机の引き出しから、紙を出して来た。
「これが今夜のオークションに出品予定です」
ふうん、得意先にはこういった紙を配るんだ。
三人で紙をチェックする! やったね! サンドウォームの皮が二つ出品されている。
他にも欲しい物があるよ! 竜の肝があったんだ! ルシウスも前に話していたのを思い出したみたい。アイコンタクトで、絶対に落札しようと合図する。
あっ、ハモンドさんが何となく気づいたみたい。目が輝いている。
「もしかして、上級回復薬ですか!」
ははは、上級薬草は、まだ少ししかないんだ。隠し部屋の庭師がドロップした分だけなんだよね。
「ちょっと試してみたいと思っているだけですから」と言っておく。
ベビーモス、グラビデドラゴンの皮は残念ながら無かったけど、先ずはマジックバッグを作ってみたいからね!
「大体の落札価格とかの資料はありませんか?」
これは、その時々みたい。
「欲しいと思う人が争って、凄く高額になる時もあるし、意外と安く落札される事もあります。あっ、出品されている物が安すぎると感じたら、自分で落札するのも有りですよ」
ふうん、それも考えなきゃいけないのか……。
「前に魔導灯ですが、部品があれば作れると言われていましたね」
ははは、そう言えばね!
「ええ、手先が器用な人なら作れると思います」
ハモンドさんとグレアムさんの目がキラキラだ。
「あのう、この魔導灯はもしかして……」
もうバレていると思ったけど、魔導灯をドロップする魔物がいると考えていたのかな?
「ええ、私がドロップした部品を組み立てました」
今は、アイテムボックスの中で組み立てているけど、最初は外でねじ回しとか使って組み立てたから嘘じゃない。
ハモンドさんと、グレアムさんからの圧が凄い。
「前にお話を聞いてから、作りたくて仕方がないのです。魔導灯、昔は五十
あっ、それは
「設計図と組み立て方を幾らで購入しますか?」
ルシウスに交渉を任せる。私だけだったらタダで教えていたかも。
「五百
安いのか高いのか分からないけど、良いと思う。魔導灯があると便利なんだもん。
ここで、カインズ商会を出て、夕方までは自由行動だ。
私は、ジャケットと少しマシなズボンと靴を買うよ。
アンジェラや森亭だけじゃなく、紹介状を貰ったパテスリー・ナナ、冒険者スタイルはちょっと入り難いからさ。
お金がいっぱい貯まっていたから、気が大きくなったのかもね!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます