第40話 従魔、召喚獣登録
三日連続の休日の二日目! 前世で土曜が休みじゃなかった時、日曜だけだと疲れが蓄積していく感じだったんだよ。
明日も休みだから、一日が終わっても、次の日も休みだぁ! って思える。
とはいえ、苦手なギルドに行かなきゃいけないのは、憂鬱! これ、しなきゃいけないのは分かっているけど、行きたくないなぁ。
それに、まだ、
機械兵とかは、常に連れ歩きたくないから、召喚獣にした方が便利だと思う。
「それなら、我は従魔、他のは召喚獣として登録したら良いだけだろう」
「
うっ、
「
「
ううう……色々と考えても理解できない事は、諦めるしかない。
それより、嫌な事はさっさと済ませよう。ジャスは野暮用があると不在だけど、ルシウスが一緒に来てくれるのが心強い。色ボケめ!
「ううん、どちらにしよう……」
ギルドに向かって歩きながらも、まだ迷っていた。
「
「ルシウスは簡単に言うけどさぁ、目立つの嫌なんだ」
失礼なルシウスに爆笑された。
「
はぁぁ、馬鹿が絡むから悪いんだ! と八つ当たりしたくなる。
ギルドに着いたら「ギルドマスターに話がある」とルシウスは、ルーシーに告げる。一番しっかりしているからね。
すぐにギルドマスターが下りてきた。
「おお、ルシウスとアレクか? ジャスはどうした?」
むっ、ジャスの不在の理由を思い出して不愉快な気分になった。人の気分を悪くする才能があるんじゃないの? と内心で毒づく。
「今日は、従魔登録と召喚獣登録に来たのだ。ここでしたら騒ぎになるから、上で登録したい」
ギルドマスターが私を見ている。間違いじゃないけど、ルシウスが話したのに、私だと決めつけるのって、何か嫌だ!
「では、二階に行こう! ルーシー、登録証の準備と、マーチンさんを呼んでくれ」
二階のギルドマスターの部屋で、
「この猫を従魔登録したいのです」
ちょっとギルドマスターが呆気に取られている。可愛さに惚れてもやらないぞ!
「ギルドマスター、お呼びでしょうか?」
ルーシーと一緒に初老のギルド職員が部屋に入ってきた。
「ああ、マーチンさん。この子猫を従魔登録したいと言われたのだが……私には理解できない」
「きゃ、可愛い!」
見る目のないギルドマスターだな! ルーシーは、
「こ、ここ、これは……ギルドマスター! 大変です! これは神獣です!」
ゲッ、マーチンさんって鑑定士なの?
「
「失礼しました。よく見ると魔物ですね。既に、従魔契約されているようなので、登録したら良いでしょう」
ルシウスが横で胡散臭そうに
「私には、猫にしか見えないが、神獣ではなく魔物なのだな? 何という種類の魔物なのだ?」
ええっ、さっさと登録したら良いじゃん!
「それを明かすかどうかは、冒険者の自由だったと思うが……テイムしたのは、アレク。種類は白猫。名前はレオ」
ルーシーは「良いのでしょうか?」とギルドマスターにお伺いを立て、頷かれたので従魔証を作成する。
「これが従魔証です。町にもこの証があれば連れて入れます。ただ、宿や店は拒否する事もあります。従魔が物を壊したり、人を傷つけた場合、テイマーが責任を取る事になります。従魔を攻撃するのは、違法です。防衛しても構いません」
いかにも魔物っぽい従魔なら、これがなかったら町には入れられないよね。でも、
ギルドマスターも、従魔登録の意味があるのか首を傾げている。
「もしかして、凄く大きくなるのか?」
学習能力がないのか、質問してくる。無視して話を進めよう!
「それと、召喚獣も登録したい」
今度は、自分で言ったよ。
「えっ、召喚獣? また猫なのか?」
失礼なギルドマスターだな! でも、一応は警告しておこう。いきなり攻撃されたら嫌だから。
「召喚獣は、機械兵三体と機械騎士一体だ。ここに召喚するけど、攻撃とかしないように!」
警告したのに、ギルドマスターは、本能的に手を剣においた。まぁ、抜かなかったから、許そう!
「これを召喚するのか? 無機物だぞ!」
そんなの知らないよ!
「召喚できるから、召喚獣として登録したいのだ」
鑑定士は、確かに機械兵と機械騎士だと鑑定した。
「
私も同意見だ。このギルドマスター苦手だし、何度も来たくない。魔導具の機械馬は二頭組み立ている。だから、召喚獣として、二頭登録しておこう。
乗ったり、馬車を引かす時は、魔導具の方。戦う時は、召喚獣にしたら良いんじゃない? 魔導具と違って召喚獣はレベルアップするから、違いがわかる人もいるかも知れないからね。
「機械馬も召喚できるのだけど、ここに出して良いかな?」
「機械馬! そんな物まで召喚できるのか?」
「これって出して良いんだよね?」
ルシウスも面倒臭くなったみたい。
「部屋の隅なら良いんじゃないか」ということで、機械馬二頭も召喚した。
「きゃ!」と驚くルーシー。
「ルーシーさん、大丈夫だからね」と安心させる。
「アレクは、テイマーで召喚士なのか?」
知ったこったか! さっさと召喚獣の証を作ってくれ。
「あのう、これには何か印が必要だと思うのですが……」
マーチンさんは、召喚獣だと認めて話を進めてくれている。鑑定したら、召喚獣だからね。今は魔導具の方は出していないんだもん。
「印は考えている!」
私は、
「えっ、違う印になっちゃったよ。
私がルシウスに謝ると、肩を竦める。
「まぁ、これで良いんじゃないか? 三つの星は同じだし、ジャスも文句は言わないさ」
「その指輪が光って印が現れたのか?」
ギルドマスターが騒いでいるけど、黙っていよう。
それに、私にも分からないから、答えようもないんだよね。
ルーシーさん、ちゃっちゃと召喚獣の証を作ってくれたのだけど、名前はと質問する。名前って必要?
「機械兵1、機械兵2、機械兵3……えっ、駄目?」
ルーシーさんは、非難の目で見るけど、機械だもん!
「
「機械騎士1、機械馬1、機械馬2」
それに、何十体も召喚できるのに、名前をいちいち付けていられるか! ってえの。
召喚獣の証を貰って、さっさと帰ろう!
「おい、これを置いていくな!」
まぁ、これはギルドマスターの言う方が正しかったね。
つい、早く帰る事ばかり考えていたからさ。嫌がらせする気はなかったよ。
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