第30話 白猫と一緒に迷宮ダンジョン 1
昨日は、
昼までしかダンジョンに潜っていないのに、神気って本当に人間には辛いんだと実感したよ。
「我は猫ではない!」とか文句を言っていたけど、猫ではないなら同じベッドは御免だからね。猫なら良いけどさ。
「おはよう!」と起こすけど、寝ているから放置して、下で朝食だ。
「今日は一階を踏破して、二階に行きたい」
前に迷宮ダンジョンを十階まで踏破した時は、どんどん進んだそうだけど、今回はじっくりと攻略する事にしたみたい。
「魔導灯が一個八十
ルシウスに金勘定は任せるけど、一つだけ提案がある。
「
二人は「問題ない!」と了承してくれた。
「昨日は、召喚一回で魔力切れになったけど、使い慣れたら何回も使えるようになると思うし、もっと強い魔物を召喚できるようになるかもしれないから」
◇
「レベルアップした方が楽しいじゃないか!」と昨夜、
何故か
あともう一つ、ルシウスとジャスには話さなくてはいけない重大な事があるけど、それは迷宮ダンジョンに潜った後、借りている宿の部屋でしよう! しなくちゃいけないのに、後回しにするのは、私の悪い癖だけど、朝食の場で話す内容じゃないよね。
今日は、ギルドの依頼チェックをしないで、迷宮ダンジョンに向かう。ギルドマスター苦手だし、
まぁ、
と言うか、私が命令する練習に近いのかも。前世でも若かったし、人を使うのに慣れていない。サーシャの記憶に頼ろうにも、こき使われるばかりで、城のメイドにも馬鹿にされていたぐらいだ。全くそっち方面は当てにできないんだ。
だから、ジル達にも足元を見られたんだとは思うけど……あれは、子どもに甘かった、いや、私が優しいからだよ! はぁ、自分を誤魔化すのが上手くなっているね。
私は、儚げな子猫も好きだけど、実はやんちゃな中猫が一番好き! 勿論、大人の威厳ある猫やしっとりと落ち着いた老猫も愛しているけど、わちゃわちゃ走り回る中猫ってキュートなんだもの。
ただ、
それに、辛辣なのもね! ただ
「迷宮ダンジョンでドロップした材料で機械兵や機械騎士が作れるのに、何故、作らないのだ?」
お前が低脳だからか? って視線で訊ねられた。
「どれが機械兵の部品か、どれが機械騎士の部品か、鑑定して選別し、そこから組み立てていくんだよ!」
「アイテムボックスに入れて、組み立てて出せば良いだけだろう。
うっ、その手があったのか! ルシウスやジャスにアイテムボックスの件を内緒にしているから、使い方を研鑽しそこねている。
「あの二人を信用していないなら、別行動をしたらどうだ?」
「言おうと思っていたんだよ! タイミングをはかっていたの!」
そう言い返したけど「ふん!」と鼻で笑われた。これをテイマーとして禁止したい気分。
◇
ちょっと、昨夜の会話を思い出し、それと告白しなきゃいけない事などで、憂鬱な気分で馬車に揺られていたけど、迷宮ダンジョンに着いた。
「弓を射る時に邪魔なんだけど……」
叱って、カバンに入れようとするけど、口で勝てる相手じゃない。
「
腹立つ! でも、ふわふわ毛皮を掴んで、カバンの中に入れておくよ。
「
私の場合は、職業・神官を設定して、ランクアップさせるのが正解だったんだろうけど、
「
確かにボス戦で、私の矢は役に立たない。そんな事を考えながら、シャンデリアを射ても当たらない。
「
それでも、なんとか集中して、シャンデリアを討伐した。
その間に、巨大ねずみと巨大ねこを討伐したルシウスとジャスが笑っている。
「アレク、
うっ、話の内容がバレている。ジャスって勘が良いんだよな。
「ダンジョンに連れてきたのに、カバンの中に入れていたらレベルアップしないんじゃないか?」
ルシウスの指摘は、尤もなんだけど、肩に乗られると邪魔なんだ。
「
「ちょっとお!」と怒るけど、重さはほとんど感じないし、バランスを取るのも上手い。
「ガハハハ!」とジャスに爆笑されたよ。
「先を急ぐぞ! もう一つの隠し部屋を探索したい」
昨日は、謁見の間の後ろの部屋の壁をクルリンさせて、隠し部屋に行ったけど、今日はもう一つの方。
「二階に行く前に、セーフゾーンがあるけど、その手前の小部屋から半地下に下りるんだ」
そこに行くまでも、廊下で蝋燭や巨大ねずみや巨大ねこを討伐しながら進む。反対側は謁見の間があったけど、こちらは小部屋がどっさり! 小部屋と言っても、私の借りていた部屋の何倍もありそう。
「ここだ!」
何個か目の小部屋に、隠し通路がある。
「よし!」とジャスが押して開けると、地下室への階段が現れた。
「
ここまで頭の上に鎮座していた
「何かボスがいるかも!」
前衛役のジャスとルシウスに警告する。
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