第2話

高校生になった私は勿論女性との交流はなく連絡先も小中の男友達がズラリと並び所々女友達が数人いる程度であった。あの時胸にざわめきを感じた彼女(もう少女と呼ぶ歳ではないと判断)も連絡先は持っているが会話はしていない状態であった。しかし、私はふと彼女が今何処で何をしているのか気になったのである。理由は不明だが私の何かがお天道様の様な彼女を求め始めたのである。


早速学校が終わり家で彼女に宛てて文を書いた。

「お久しぶりです。お元気ですか。今何処にいるんですか。」

震える指で打った文字はなんとも固苦しい文章であったが、これ以上も、これ以下も私には何も考えられなかった。気がつけば私は送信ボタンを押して何もない空っぽのトーク欄に文章を放り出した。体がふわついている。家族全員居るはずの家がやけに静かだった。


晩御飯の時間となり私はリビングへ向かったが、いつもと雰囲気が絶妙に違う。母親がいなかった。ポツンと父親が酒を飲みながら母親が嫌いで父親が好きなロックバンドをテレビから流していた。母親がいないのは多分逃げた。私の母はよく父親に耐えかねて家を出て行ってしまうのだ。

「飯だ。」

卓上に乱雑に置かれた晩飯は冷たく冷えた物だった。

「アイツが逃げたんだ。我慢しろ。」

父親の酒で干上がってガラガラした声を受け流し、箸を持って晩飯を食べた。

冷たく艶のない食材達には私に孤独感をより突きつけてきた。晩飯を少し頬張り満足した私は

「ご馳走さま」

と一言吐き捨てた。その瞬間彼女に送ったメールを思い出した。慌てて携帯電話を取り出し、会話を見る。すると、そこには幾つにも区切られ表情を失った文章が羅列していた。一つ一つ丁寧に上から読んでいく。彼女のあの時、私の知ってるあの輝いた彼女はその文章にはいなかった。ただ、最後に一言。

「〇〇町、スパーマーケットにきて。」

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