第107話 ボクサー
自分とユリクリウスのリア友であるレオが船団番号31に移籍して来たので久しぶりに対面で会う。レオはTS組で当然だけど可愛い感じのモデル体型だから、普通なら意識するんだろうけどTSしている人が多過ぎて特に何とも思わないな。
「メインソードマンからボクサーに変えたんだ。結構珍しいね」
「あ、やっぱり?メインボクサーってほとんど見ないんだけどもしかして地雷職?」
「地雷ってほどではないけどソードマンの下位互換だからなあ……メテオナックルは強いけどすぐガス欠するし」
「でも耐久性能は高いし、DPS(Damage Per Second 1秒間に与えるダメージ量のこと)のサイト見たけど結構強くない?」
「DPSは高いけど、射程が全職で一番短いことを考えたら……まあレオがそれで戦いやすいならそれで良いと思う」
前に会ってレベル上限解放クエストを手伝った時はメインソードマンで、他は40レべ台だった気がするけどその40レべ台の中にボクサーも確か入っていた。ボクサーはその名前の通り、専用のグローブを装備して殴りかかる職業なんだけど結構DPS自体は良い。というか第2章での実装当初からずっと上位。
ただし射程は劣悪。当然剣で戦うよりも難しいし、マルチだと敵の前まで移動した頃には敵が溶けてるなんてこともよくある。まあ、耐久性能は高いしボス敵と真正面から殴り合うのがメインの職業かな。明確に役割があるし、射程がクソで取り扱いが難しいクラスだから人が居ないだけで嫌われている地雷職とまでは行かない。ただFPS系が得意だったはずなのに殴る方を選択するのは何かこう……もったいない気もする。
そんなボクサーには、唯一遠距離用の技としてメテオナックルという技がある。これはボクサーがグッと握りこぶしでガッツポーズを決めると、MP100を消費して隕石のような巨大な拳を降らせるんだけどわりと強い。連発出来るし理論上、DPS最強の技でもある。
まあMPを100消費するから最大MPが300の人でも3連発しか出来ないし、魔法職とは違ってボクサーのMP自動回復量は基礎値が低い。下手に連発するとすぐにガス欠して通常攻撃しか出来なくなる感じ。ボクサー初心者はよくやるのであるあるネタである。
「……実はスロット2スキルで、天撃の拳っていうのが手に入ってさ」
「おー?レアスキルか」
「メテオナックルのMP消費が25%になった上に威力が増した」
「25%引き?えっ、MP消費25になる!?くっそ強いの引いてるじゃん!?え?あれ一発25は駄目でしょ!?」
そんなボクサーになったレオから、レアスキルを引いたことを相談されるけどメテオナックルが連発出来るスキルは純粋に強い。ただまあ、間違いなく周囲にバレるレアスキルだな。普通はどう頑張ってもMPの都合上連発出来ない技だ。だからこそあの威力と使い勝手の良さが許されていた。
……ボクサーのレベルが90まで育っていて、サブはソードマンでこちらは86レべか。最近レアスキルを引いてボクサーになったというよりかは、元々メインボクサーで行くつもりだった構成だな。
これ、下手すれば微妙な120レべ勢を超える強さじゃないか?ボクサーは確か、技を連発するとコンボが決まり、威力が上昇するスキルも持っているはず。本来連発出来ない技を連発して……確か、コンボ時にMP消費を軽減するスキルもあったか。
延々と拳の隕石を降らせることが可能とかレベルも上がりやすいだろうな。だから元々いたチームから抜けて、船団番号31に移籍して来たのか。
「遅れてすまん。ちょっとサブ職の構成見直してた。
……ん?レオはボクサーにしたのか」
「元々ソードマン育てたら、ソードマンをサブにしてボクサーになるつもりだったんだよ。
クロワッサンにも話したんだけどさ…………」
ユリクリウスもやって来て、レアスキルを引いたことをレオから伝えられると素直に祝福するユリクリウスだったが内容を聞いて自分と同じようにちょっとフリーズした。いやまあメテオナックル連発可は中々にやばいよねえ。
自分やユリクリウスも分かりやすく強くはあるんだけど、技の連発の方が見ていて分かりやすいしかなり強い。ライトさんみたいなMP400超えで、魔法連発が出来る強さを知ってると、メテオナックル連発はそれどころじゃない強さになるだろう。
というか今調べたらコンボ時は5回以上で最終消費MPに-10だから連発していけば1発MP15かよ。今はまだレベルが低いから微妙な強さだろうけど……レベリングも相当簡単になるだろうし、あっという間に強くなりそう。
せっかく集まったので、3人でシャドウの脅威度の低い地域に行くと、120レべのシャドウ相手でもレオはメテオナックル連発で良い感じにシャドウを倒している。……しばらくの間は、サポートロイド達のレベリング時に呼んでレオのレベリングの補助をしつつ、サポートロイド達のレベリングの手伝いをして貰おうかな。
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