第96話 リボルバー
サポートロイドの職業として、テイマーが人気になり始めた。テイマーは本体が硬く、攻撃力はペットに依存する職業だけどサポートロイドとプレイヤーでほとんど火力の差がない職業になる。まあテイマー自体の火力が低い方ではあるんだけど……素人でも一定の戦果を得られるという意味でも強い職業ではあるだろう。
ペットの強化さえ怠らずに、順当に強化していけばサポートロイドのペットの操作が上手いのも相まって十分な戦力になるのだろう。お蔭で課金飴やらパフェやらの値段が高騰してる。……これ課金飴を倉庫に塩漬けしていた人は荒稼ぎ出来るな。あとは、自分で戦いたくない人はテイマーに走る傾向があるね。実際のテイマーは自分自身を囮に使うことが多いからわりと本体も戦うんだけど。アシストとかこまめにやった方が火力は出るし結構忙しい。
……しかしまあ、1匹成長し切るのに最低半年はかかるのでマイペースな人が多いのかな。あとは1匹成長させ切っただけだとテイマーは本格的に戦うのが難しい。ペット1匹辺りのHPというものは低いし、最低限メインのペットが倒れた時用に2匹目か、余裕を持って3匹目は用意したい。
ゲーム時代は状況に合わせてペットを使い分けるのが大前提だったしね。そしてふわわさんはそんなテイマー職の恐らく全鯖トップに立つ人間なんだけど、普段使いのダークロウとは別に、チェスナットというペットを10匹保有している。
チェスナットは幾つか技を持っていて、とある技以外は結構テクニカルな技というかチャージ時間が長い上に全て広範囲への低威力技だから微妙なんだけど、とある技の影響でゲーム時代、メインテイマーの人はみんなチェスナットを最低1匹か2匹は育てていた。何ならネタのために1匹は育てる人、というのも多かったし自分も1匹育てていた。今は放置しているから108レべで止まってるけど。
[黒猫:久々に見たわふわわのチェスナットリボルバー]
[ゼル:相変わらず見た目が残酷過ぎる]
[ABC:カワイイキャラがドンドン爆死していく……]
[時雨:ペットの命を大事にして((+_+))]
[ふわわ:新スキルで自爆威力が『ペットの残存HP%分』上がるようになったからダメージ量やばい]
「ユリクリウス:チェスナットのHPって最大で800まで上がるから単純に威力8倍かよ!?」
「クロワッサン:何で1発200ダメも食らうのって思ってたら8倍かい」
なおそのとある技は、自爆技であり、チェスナット大爆発の威力は元々高かった。その自爆技の威力を上げる新スキルをふわわさんが取ったため、火力ランキングで1位に躍り出た。
何がヤバイって今の自分に200ダメ与えられる技を2秒1回ぶち込めるってことだよ。投げられるチェスナットが可哀想に見えるしこれペットからの反逆とかないのか。
栗に手足が生えたような可愛い感じのデフォルメキャラが出して良い火力じゃないし、あとふわわさん、ゲーム時代より素早く投げて来るし誘導されているから避けるのも難しい。
パッと現れては、ふわわさんにガシっと捕まれ、投擲させられては爆発するチェスナット。これ10回は糞強いし11匹目に回復用のペットを配置してれば1分で10連発が再使用可なんだよな……。これチーム対抗戦とかで止められる存在いない気がする。
なお即座にユリクリウスが火力ランキングで1位を取り返したため、スキルポイントを溜めていて何らかの火力スキルを取ったのだろう。……何というか、競争心の高い人が多いチームだ。
[クチリ:チェスナットリボルバー育てきるのって相当大変ですよね……?]
[ふわわ:やるなら最低6匹は欲しいし、回復役込みでペット7列並行で育てるのは超めんどいよ]
[黒猫:ふわわはサポートロイドの方までチェスナットリボルバー使えるの頭おかしいけどな]
[ふわわ:育て切らないと威力弱すぎるし、チェスナット120レべで取得する最終スキルが技威力1.5倍だからね……。
あとペットのチェスナットリボルバーは流石に課金飴食べさせてない]
[ゼル:初心者はぶっちゃけダークロウだけで良いでしょ]
[クロワッサン:そもそもふわわさんも普段ダークロウしか使ってないよね?]
[ふわわ:だって棒立ち許されるのダークロウだけだもん]
[ゼル:イベントの時も思ったけど少しは回避行動して]
しかしふわわさんって、防御ランキングも高い位置にいるのに全鯖最強クラスの火力も手に入れたことになるのか。ふわわさん自分とは違ってカチ勢というよりかはHPを盛りに盛ったタフ勢なんだけど、これもテイマーのスキルでペットのHPを底上げする意味合いが強いからテイマー前提の構築になっている。
……量産されていっているサポートロイドの職は、最初ソードマンにして防御面を整えた後、テイマーにしてダークロウ育てるのが良い感じかな。サポートロイドの構築としては、これが一般的になっていきそう。問題は、サポートロイドの数だけペットが必要になることぐらいか。
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