第91話 目的
お城を建ててとサポートロイド達にお願いすると、3日で巨大な西欧風の城塞が出来る辺りタキオン船団の技術力は天元突破してる。そこでまた黒猫を中心とした幼女同盟の中心人物が集まるけど、今回はふわわさんもいるし数が多いから強い人順に集めた感じかな。
「……ゼルが来ねえな」
「マイルームにいるってことはサポートロイドとお楽しみ中じゃない?」
ゼルさんがいないなと思ったら黒猫がゼルさん不在にちょっとイラっとしていたので遅刻か。ふわわさんがサポートロイドといちゃついているだろうと推測し、チャットを操作し始めた。
[ふわわ:サポートロイドとにゃんにゃんし過ぎて時間忘れてない?]
[黒猫:お前何でチームチャットで話しかけたんだよ]
[ゼル:5分待って]
[黒猫:10秒遅れる毎に罰金100万ゴールドな]
そして何故か秘密の会合なのにチームチャットの方に流すふわわさん。この人の性格考えると素が天然なのか愉快犯なのかわからない。
[ゼル:じゃあ15分ぐらい遅れる]
[ビートル:待たせた人物全員に対してだぞ]
「あ、ビートルあほ」
「えっ、あっ」
「……まあ別にそこまで怪しまれないだろ。上位陣が何か集まってんなとしか新入り達は思わねえよ」
ゼルさんに対し、ビートルさんがチームチャットに書きこんだのを自分が突っ込んで止めたら黒猫がもう何か色々と諦めてた。まあ今回ここに15人もいるし、どっかからは情報漏れるでしょ。
「ごめん遅れた」
「……よし、揃ったな。
一応言っておくが、今回の話し合いについては他言無用で頼む。本来タキオン船団の船長までしか伝わらない情報を話すわけだからな」
「それ反逆して大丈夫か?」
「大丈夫じゃないかもな。でもまあ、伝えるタイミングは早い方が良いと思ったし、大丈夫だろ」
何か粘液でネチョネチョしているゼルさんが到着し、メンバーが揃ったみたいなので黒猫が話を始めるけどまあ見事にうちのチームのトップ16か。4パーティー分の人数だな。
何やら黒猫は不味い情報を話すみたいで、ユリクリウスが心配していたけど本来自分達は知ってはいけないはずの情報を今から知らされるらしい。あれこれ不味いのは自分達じゃね?黒猫が話して大丈夫そうだと思うなら大丈夫だと思うけど。
「……前に話していたことでもあるが、もう既にタキオン船団は本格的にシャドウから逃げるために別次元への跳躍に舵を振り切っている。その最大の理由は、既に全てシャドウに乗っ取られている銀河系が複数存在しているからだ」
「……は?」
「ひょ?」
「ほ?」
重苦しい雰囲気になって黒猫から語られる言葉は、突拍子もないことだった。いや前に似たようなこと聞いたから自分は声を出さなかったけど、前回居なかった面子からは変な声が出る。上から順に、ハルさんふわわさんめうさんだね。……どうやらシャドウはタキオン船団の当初の想定以上に増殖しており、既に全シャドウの駆逐は不可能と判断しているらしい。
「いや待て、それならあの本拠地で封じ込めている云々の説明は何だったんだよ」
「あそこにはシャドウの元凶が封印されているからシャドウが特別活発となって強いシャドウが生み出され続けているだけで、それとは別に弱いシャドウは延々と銀河の端で増殖を繰り返しているってことだ。……そしてシャドウが飽和すると、共食いを始める。それの繰り返しで強くなるせいで、いずれは対処ができなくなるそうだ」
「何それ……シャドウを創り出したのがタキオン船団なら、流石に無責任過ぎない?」
ユリクリウスが本拠地について言及するけど、あそこは単純に強いシャドウが生み出され続けている状態で、拡散を防止するためにシアリー達は戦っている。だけど既に拡散されているような弱いシャドウが、タキオン船団や他文明の監視網を潜り抜けて、別銀河とかで繁殖を繰り返していたらしい。
これらの問題を全て放置して別銀河への逃亡を図る辺り、ゼルさんの言う通り無責任過ぎる。でもまあ、組織としての存続を考えたらこの宇宙を切り捨てるって考え方は一応理にかなっているからたちが悪い。たぶん、別宇宙へのワープが出来るなら一番現実的な手段でもあるんだろうな。
ちなみに黒猫によるとタキオン船団は既に詰んでいると認識している状況から、地球組を呼び寄せているらしい。その一番の目的は、タキオン船団が別宇宙へワープする際の殿役の確保。最初のオープニングの挨拶も嘘だったか。
「えっ、殿をやらせるためにわざわざ自分達、地球組を拉致したのか……?」
「……既に詰んでいる状況。予想以上の戦力が得られそうだったから本拠地とかにも向かわせているが、元々は殿として使い捨てようって感じだろ。だからこそのこの好待遇だ」
ここまで話を聞いといてアレなんだけど、この話聞いても良かった奴か……?タキオン船団への不信感はもう既にMAXなんだけど、天元突破した気がする。いやしかし、この話を知った黒猫は何らかの意図があってこの惑星をサポートロイド量産工場にした。
……まあ簡単に考えると、サポートロイドを際限なく増やし、この銀河外で大量に増殖しているシャドウの駆逐に対応させるってところか。懸念点は、反乱のリスクがあること。機械知性達が大量に増えた場合、そのリスクは付き纏うだろうね。
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