第83話 面子
そしてタキオン船団の本拠地にいるタキオン船団のシアリー達は、あることで頭を悩ませていた。
チームランキング
1位 サーバー1 幼女同盟 31.4億pt
2位 サーバー1 ふおにの森1 30.0億pt
3位 サーバー3 無能艦隊 29.7億pt
4位 サーバー8 拷魔館 28.6億pt
5位 サーバー1 ふおにの森2 26.7億pt
6位 サーバー21 アーサー帝国 25.6億pt
7位 サーバー11 †Bloody Wings† 25.4億pt
8位 サーバー10 ハローワーク 25.3億pt
9位 サーバー6 チャット禁止 25.0億pt
10位 サーバー18 ビギナーズ 24.9億pt
28位 船団番号1 集団戦闘研究会 15.7億pt
それはタキオン船団のエリート達が集い、次期船長候補であるハンナが率いるチームの「集団戦闘研究会」がトップ10どころかトップ20にも入っていないことだ。チームメンバーは全員がシャドウの本拠地で戦える高レベルのシアリー達であり、今回のイベントで1位チームのチームリーダーには船長の座が渡されることを把握していたため、選りすぐりの人を集めている。
しかしながら、地球組はタキオン船団の想定を遥かに超えてシャドウの殲滅を続けていた。カンストの人数的に不利を受けている幼女同盟は初日から3位が続いていたが、下位メンバーが上位勢の狂気に触れ、出来る範囲でのシャドウ狩りを行い始めたため、4日目にしてトップに躍り出た。
「……今からポイントの数値を弄って貰うか?」
「馬鹿なことを言うな。そもそも所属シアリーの平均レベルでは私達がトップなのだ。それでこの順位なのは、最早言い訳が出来ない」
FUO2のゲーム内ではソードマンの指南役として登場していたフィルは、ポイントの操作をシウラに提案しようとするが、ハンナに止められる。そもそも、幼女同盟以外は船長になれることすら知らずに走っている。その上、タキオン船団所属のシアリーがあまり継続して戦っていないことは地球組から認識されてしまっている。偽装して1位になることは不格好であり、不可能な状態だった。
『シアリー各員に連絡します。今回のイベントのチームランキング報酬項目を更新しました。今回のイベントで1位のチームになったチームリーダーには新設される船団番号31の船長となります』
折り返し地点を過ぎた5日目に、報酬が発表されるとまずふおにの森のシャルルと幼女同盟の黒猫で話し合いが起こり、20分程度の話し合いの末、ふおにの森1のライトを含む上位勢数名が一時的に幼女同盟に移籍した。この頃にはロケットランチャーに持ち替えたユリクリウスが個人2位ライトと200万ポイント差を付ける個人1位となっており、浮いた2位となっていたためチームの移動にかかる時間すら惜しい状況ではなかった。
この移籍により、幼女同盟のポイント増加速度は急上昇し、他鯖のチームを一気に突き放した。逆にふおにの森1のランキングは3位に落ちたが、今回のイベント報酬で2位と3位に差はなかったため、シャルルに対する反対意見は少なかった。
[クロワッサン:めっちゃ眠い]
[時雨:ゼルさんは最終日まで突っ走るって]
[クロワッサン:あの人もう3位ほぼ確定じゃない?というか自分はシールドソードに持ち替えた時点で4位覚悟だったし。あ、そうだ。時雨さん多少はポイント稼いでおかないとチーム報酬受け取れないよ?]
[時雨:さっき少し稼いだから大丈夫だよー(*´ω`*)]
ユリクリウスが1位なるためにロケットランチャーを使用し始めたため、クロワッサンは火力の落ちる遠距離メタ装備に持ち替えた。そのため、クロワッサンは3位から4位に転落したがユリクリウスの1位に非常に満足していた。ゲーム時代、ユリクリウスとクロワッサンのコンビで何度も負けていたライトに、今回は同じ時間でのポイント稼ぎで勝ったためだ。
最終日になると、個人ランキングの上位の方はほぼ固定され、走るのを止める人も出て来る。これ以上、幾ら稼いでも順位が変わらなくなる時間帯が出て来るためだ。ユリクリウスのポイントは最終的に4000万を突破し、無事に個人1位を確保した。それと同時に、幼女同盟のチームランキング1位も確定し、2位の無能艦隊に3億ポイントの差を付けた。
今回のイベントの個人ポイント上位勢には、幼女同盟の人間が多くランクインしており、幼女同盟の強さを地球組に認識させる結果となった。そしてそのチームリーダーである黒猫は、チームランキング1位報酬である船長の地位を受け取り、1週間後に巡航を開始する船団番号31の船長になることを宣言する。
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