第40話 メタ装備

クチリさんが一撃で落ちてゼルさんはドラ田さん相手に手一杯という状況。モルモットさん含め4人を自分とユリクリウスが相手するわけだ。そして相手中央組が全員遠距離職で固めているからどんどん攻撃が飛んでくる。


[クロワッサン:遠距離攻撃のダメージ→1、2、1、1、15]

[ユリクリウス:これはカチ勢の鏡。お前を盾にしてるとチャット出来る余裕あるの良いわ]

[黒猫:そっち何人?上側は3人っぽい]

[ユリクリウス:4対5でクチリさんが速攻落ちた]

[クチリ:すいませんでした!前に出なければよかったです]

[クロワッサン:テイマーならペットを攻撃に行かせて自分の後ろいるだけでよかったと思うよ]

[ふわわ:下側4人っぽいのでこれで全員ですね]


しかし、自動回復量を上回るダメージが飛んでこない。まあ遠距離攻撃は遠距離だとダメージ減衰があるし、今回はブラッドさんとの戦闘の時のように自分が攻撃しなくても良い。ついでに、相手に射撃職が多いこと自体は分かっていた。


だから、遠距離防御特化用の武器を装備しておいた。


メイン武器:シールドソード+99

カテゴリ:ソード

攻撃『打』:1198

攻撃『斬』:859

攻撃『貫』:859

近接防御:199

遠距離防御:199

魔法防御:199

スロット1:防弾の構え(遠距離攻撃のダメージ20%減)

スロット2:逆境崩撃(被クリティカル率50%増、被クリティカルダメージ20%減)

スロット3:守勢増強(ガードスタイル時、各種防御数値を100UP)

スロット4:活力増幅(HPが多いほど能力を獲得する。HP500につき1個。全10個)

スロット5:防弾の備え(遠距離攻撃を受けた後、遠距離防御を10秒間25%UP)



これを持ってると火力はもう全く出なくなるが、遠距離攻撃からの盾としての機能は飛びぬけた性能となる。地味に強靭を取ったお蔭で、倉庫に眠ってたスキルの逆境崩撃が使えるようになったけどこれ強靭採用しているやつ以外で使っている人はいないだろうな……。まあ射撃職はクリティカル率高い人が多いしデメリットは踏み倒し出来てる。


「ラッキーさんはゼルさんに攻撃!営業マンさんとマロンさんは右側から回り込んで!」

「口頭で指示出すのかよ。チームチャット使えよ」

「うるさい変態カチ勢」

「誉め言葉をありがとう」


向こうの攻撃がこちらに全く通用していないことをモルモットさんが確認すると、モルモットさんは即座に指示を出す。モルモットさん含め相手は4人いるけど、1人はドラ田さんと戦っているゼルさんに攻撃を開始し、2人は回り込むために移動を開始。お、これはチャンスだ。


こちらは回り込むように移動を開始した敵2人に向かって突撃。射撃職は基本、静止していると攻撃力が上昇したりMPの回復速度が早くなったり、とにかくずっと静止している時が一番手強い。しかし一方で、移動している時はそれほど強くない。命中率も悪くなるしね。


当然モルモットさんからの攻撃は飛んでくるけどわざわざシールドソードでガードしなくても100ダメ行かないという悲劇。1秒毎に100ダメが飛んでくるけど、こっちは1秒毎で100回復していくんだよなぁ。


移動していた2人からも攻撃は来るけど、ユリクリウスの耐久はそれなりにあるし移動中は命中率も悪い。急いで静止したところで、火力アップが発動するのは数秒先。その数秒の隙は今のユリクリウス相手だと致命的だ。


相変わらず謎な二刀流の技を使い、斬撃を飛ばすと2人のHPを一瞬で消し飛ばすユリクリウス。相手のレベルが130レべとユリクリウスより10レべ下だったとはいえ、一撃かい。一応相手もそれなりの課金勢だろうし、装備は自分と同じ防御重視のガーディアンセットだったのに……。


ゼルさんも応援に来た1人の方を倒し、ドラ田さん相手に五分。相手鯖ではトップのエースと殴り合える人材がうちのチームではただのアタッカーです。何かモルモットさんが悪足掻きに連射攻撃をして来たけど1秒間に20連射で20ダメってさっきの技よりDPS悪くなってる……。


と思ったら毒が入るけど状態異常時間はガードスタイルの効果で9割カットです。自分とユリクリウスの相手はモルモットさんしかいないので近づきながら攻撃をしつつ、ユリクリウスの攻撃でトドメ。ドラ田さんはモルモットさんが潰れたのを見てゼルさんに一か八かの攻撃を仕掛け自滅。


うーん、良い感じの戦いだったけどやっぱりこのカチ装備は反則臭い。特に今回のようなメタが嵌ると相手は何も出来ないわ。個人的にはオールマイティな耐久力を確保しつつも、ある程度の火力の確保ができるアカツキノヴァが一番だけど……。


[黒猫:ルインさんと一騎討ちしてたら逃走したんだがあいつ]

[ゼル:何でチームリーダー同士で一騎討ちしてるのwwww

あ、ドラ田さんに勝ちました。強かったねあの人]

[ユリクリウス:モルモットさんも倒したけどクロワッサンのせいで強さが何も分からなかった]

[クロワッサン:いやあの装備で1ダメにならずにダメージ通してきてたからモルモットさん強いよ。MAXで100ダメ入った]

[黒猫:あ、射撃職メタ装備使ったな?あれを装備したクロワッサンとは戦いたくねぇ]

[ビートル:遠距離メタ装備……ダメージ全部1……うっ、頭が]


ドラ田さん以外の人も強いイメージのチームだったけど、結果的には平押しで勝てたから幼女同盟の強さが分かる。まあ中央以外は数の不利も無かっただろうし、拠点の制圧を終わらせて敵チームリーダーのルインさんを討ち取って勝利。


……アイテムバッグにこの手のメタ装備は、ちゃんと全部突っ込んでおくか。倉庫に置いてたらいざという時に使えないし、ブラッドさんとの戦いみたいに急に必要になるかもしれないからちゃんと備えはしておこう。ただまあ火力は完全に捨てることになるから、悩みどころではあるんだよな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る