第36話 金策
グランドドラゴン以外のレベル上限解放クエスト用の素材価格は、それほど高騰していなかったしそこまで美味しい商売にならなさそうだったのでさっくりとユリクリウスが周回を終わらせて、素材は全て集まった。
[レオ:本当に助かった……ふおにの森には入りたくないしどうしようか悩みまくってたんだよ]
[ユリクリウス:うち来るか?リーダーにお願いしたら入れて貰えると思うが]
[クロワッサン:レオってロリコンだっけ……?]
[レオ:前も入ろうとして断られたし、ゲームじゃなくて現実でロリコン公言するのはちょっと……]
[クロワッサン:……冷静に考えたら、メンバー全員ロリコンを公言してるんだよなあこのチーム]
[ユリクリウス:入った時はここまでじゃなかったんだけどな。というか入った時は中1だったし]
ユリクリウスがレオを幼女同盟に誘ってみたが、どうやらゆるゆる同盟に入る予定らしいのであっさり断られた。あそこゆるゆる(ガチ)って感じだからレオに合うかは微妙だけど、まあふおにの森や幼女同盟よりかは色々と緩いしリハビリするには丁度良いかも。
何だかんだで、まだソロの人も結構いるし雑多なチームに所属している中級者は多い。ゲームが現実になったせいで、移籍し辛い側面も出て来たね。ふわわさんとか何のためらいもなく移籍したけど、普通の人は躊躇したくなるかも。
そしてここで3回目のエマージェンシークエストが発生するが、内容は『闇との同化』だなこれ。内容としては特定の惑星のシャドウが急に増え、現地のシアリーだけでは手が足りないから人を集めるという一般的なエマージェンシークエスト。
厄介な点としてはその惑星毎にいる原生生物がシャドウに乗っ取られて狂暴化しているため、敵側の火力が高いこと。唐突に地表が真っ黒となり、ダメージ床になるのだがそれがかなり痛いこと。
しかしまあゴールドが非常に多く貰えるクエストだし、ゲームでは敵を倒す毎にドロップしていたゴールドだが、現実になった今1体倒す毎にお金が振り込まれるようになったから参加する価値は高い。
「どうせなら一緒に行くか。高難易度は人手足りてるだろうし」
「良いのか!?」
「俺もクロワッサンもぶっちゃけ参加する旨味が少ないし低難易度の方が敵を早く狩れる分経験値はむしろ多くなるぐらいだからレベリングの手伝いする方が有意義なんだよ」
せっかくなので、3人パーティのままエマージェンシークエストに参加する。敵のレベルが60から70という区域を選んでキャンプ船で移動すると、集まったのは30人ぐらいの参加者達。
……何人か120レべオーバーがいるのは経験値稼ぎかな。まあ無理に最高難易度で挑むメリットは薄いし、今回は強制参加というわけでもなかったからかなり余裕があるのだろう。
敵の数も多いが、こちら側のシアリーも多いので道中はサクサク攻略でき、自分とレオの出番はほとんどない。ユリクリウスが斬撃飛ばしてとてつもない速度でシャドウ狩ってる傍ら、ヘイト上昇スキルで敵を釣ってトレインすることぐらいしか出来ないな。
いや、敵のレベルが60なら自分の火力でも剣を振り回すだけでどんどん溶けるわ。そうこうしているうちにレオが81レべになったのでこれはかなりの養殖になりそう。本人もそのことを自覚しているからこの後はソードマンをサブにしてメインは狙撃職にするらしい。まあこいつ、ゲームではFPS系の方が得意だし最終的にはそっちの方が良いだろうな。
[クロワッサン:かなりゴールドは入るな。1体1000ゴールドも珍しくないぞ]
[ユリクリウス:ゴールドが倍になるレアシャドウも多いし、エマージェンシークエストで更に報酬が倍だからな]
[レオ:ゲームの時より敵溶けてる……]
[ユリクリウス:120レべの上限が解放されたのめっちゃデカい]
今回のエマージェンシークエストは、今までのエマージェンシークエストが何だったんだと思えるぐらいには特段不都合なことも起きず、特に被害者もいないという素晴らしい結果となったんだけどたぶん人が集まり過ぎたのかな。
ある程度シャドウの掃除が終わったら、レオを見送りマイルームに戻る。そしてレベル上限解放クエストで集めたアイテムを市場に流出させていくけど、1個500万ゴールドは流石に高騰し過ぎていたのか、市場価格としては200万ゴールド付近を推移するようになったので金策として十分だったかと言われれば微妙。売れ行きも悪いし全て売り切るには相当な時間がかかりそうだ。
だけどまあ、ショップに並べておけばこれで合計3000万ゴールドぐらいは稼げると考えるとそれなりに美味しい。これはレベル上限解放クエストを手伝って良かった奴だな。……冷静に考えると今回のグランドドラゴン狩り、リアフレの命をベットしていたわけだからかなり危険ではある。でもまあ最終的には無事に目標達成したし、ユリクリウスは纏まった資金を得られたわけだからこれで良かったんじゃないかと自分を納得させておこう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます