第37話 方針転換

[黒猫:個チャがうぜええええええええ]

[白猫:発狂しないで下さい駄マスター。一緒にお祈りメール出していきますよ]

[黒猫:何で愛称設定がマスターから駄マスターに変えられてるん……?しかも変更出来んし……?]

[白猫:愛ゆえです]

[ふわわ:最近私も様付けとれた。距離が近くなったぜヾ(*´∀`*)ノ ]

[ユリクリウス:それは流石にポジティブ思考が過ぎる]

[クロワッサン:何で個チャ?しつこいやつならブラックリスト入れたら?]

[黒猫:いや、そうじゃない……]

[白猫:現在幼女同盟への加入申請数は800を超えており、駄マスターが一件ずつお断りメール書いているために間に合わない事態に陥っております]

[クロワッサン:あー、それで返事が遅れてるから個チャが入ると。一斉拒否って出来なかったっけ?]

[黒猫:いや一斉拒否で本来入れるはずの逸材逃したら嫌じゃん……]

[ゼル:チームメンバー増やさない方針にしたんじゃ?]

[黒猫:いやそれなんだけどさ、既存チームに枠があればそこに入れろってシャルルさんから号令出た]

[ユリクリウス:……じゃあどういう基準で入れるの?]

[ABC:もちろん第一判断基準はロリコンか否か。マルマルさんの例もあるし、ロリコンじゃない人は入れない]


3回目のエマージェンシークエストがあった結果、ふおにの森方針が変わり、他の上位プレイヤーやチームも育成を手伝えやというモードに入ったらしい。……そもそも育てる必要があるのかという点は疑問。レオみたいにリアフレならともかく見知らぬ人を育てるのはなあ。


しかし3回目のエマージェンシークエストが終わってから3日後、今度はシウラさんから号令があり、チームの空きを埋めろとの指示が。チームに入れても育てる気がないチームとかとふおにの森との間で軋轢が出来そうだが、とりあえずチームの泉を使わせてくれということらしい。仕方がないので現在のチームメンバーだけのグループチャットを作成。これでチームチャットの方は問題発言しかないという状態から脱せるだろう。


「黒猫:まあうちのチームの泉は全部最大レベルだし、受け入れるだけで80人がこれを利用できるとなると勿体ない状態ではあったんだが……」

[ユリクリウス:何かあったのか?]

[黒猫:シウラさんが各鯖の1位チームのリーダーと俺を集めて低レベル層の引き上げを依頼してきた。最悪養殖でも良いんだとさ]

[ゼル:……何か企んでいるのか、マジで戦力足りてないかのどっちかだね。そもそも何レべまで上げれば良いのさ]

[黒猫:……200レべ以上]

[クロワッサン:はあ!?]


何か方針転換でもあったのかなと思ったが、どうやらシウラさんが本格的に戦力を求めている模様。200レべ以上って、1鯖のトップ勢が130台前半なのにすぐ届くわけないでしょうが。これはどうやら、思っていた以上に自分達がお荷物だったようだ。


……ということは、自分達も養殖されている感じなのか。レベルの低いシャドウの狩場を用意されて、そこでのレベリングをしているのだから、配慮されているのかな。設定的にはシャドウの生体エネルギーを強奪してるとか何とかあったけど、レベルの概念どうなっているんだ。


[クロワッサン:いやまって、地球組以外のタキオン船団のシアリーを見たことあるけど130レべ台だったよ]

[黒猫:いや、そいつらは最大レベルがそこで止まってしまったシアリーの落ちこぼれらしい。作られた身体の俺達なら200レべを余裕で超えるってさ]

[時雨:……だんだん話が見えて来たね。落ちこぼれじゃないシアリー達は、もはや四六時中シャドウ達と戦っているんだ]

[黒猫:そうだな。正確にはシャドウの本拠地を攻め続けて防衛している感じか。

だいぶ俺達もシアリーとしての生活に慣れてきただろうということで色々と事情は説明された]

[ゼル:あー、攻撃し続けることで侵攻をさせない的な?でもそれが出来ているなら急速な戦力増強は必要ない気も……]

[ユリクリウス:大いなる闇が封印状態でそれってことだろ。爆発するのが明らかならそりゃシウラさんも慌てる]


シャドウの拠点の侵攻クエストを受ける際は、クエスト受注カウンターで口頭のやりとりをしていたけど、もし一覧みたいなのを貰っていたら本拠地侵攻クエストとかもあったのかな。なお地獄への片道切符の模様。もうちょっとレベルは上がらないと足手纏いにしかならなさそう。


この前のは大したことなかったけど、よく考えたらシャドウがこちらの本拠地に転移できるという時点で転移してくるシャドウの数が増えたら詰む。戦える人の数自体を増やしていく作業は必須か。


「コッペパン、今までにシャドウに捕らえられたシアリーは何人いるか、大体で良いから分かるか?」

「どうして、私に聞くのですか?」

「いやだって、サポートロイドって地球組のシアリーの監視役でしょ?カンスト勢にダメージ入るし、戦闘技能高いし。だから、ちゃんと聞けば答えてくれるかなって」

「……ここ10年でシアリーの訓練任務を修了した者は約67万人。その内、シャドウとの戦闘で死んだ者や攫われた者、行方不明になった者の総計は約58万人で、生き残っているシアリーは9万人ほどです」

「よくそれで……いや、だから地球組に遠隔操作させてた?何にせよ、余裕はないわけか」


そしてPVPのイベントがやたらと多い理由は分かった。実際にそうなる可能性が高いからだ。コッペパンが答えた数についてはあまり信用出来ないけど……シャドウの拠点で未帰還だったブラッドさんは、キャラがほぼ全身真っ黒な亡霊として出て来た。装備は一線級だったし、動きもブラッドさん本人の動きだった。これから先、どんどん亡霊と戦う可能性は高くなっていくのかな。

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