第34話 温泉

「クロワッサンも来たか。

……何でバスタオル(女性用)を付けているんだ?」

「まあ男性用だと上半身裸だし。この格好で上半身裸はR18になってしまう」

「……本当についてる?」

「いやその目付きどうにかしろやイケメンフェイスだから怖いんじゃ」


ふわわさんを見て幼女同盟のTS率について計算していたらユリクリウスが登場。腰にバスタオル(男性用)を巻いているだけの恰好なのでほぼ裸だ。自然に鍛えられた感じの筋肉が全身についているので、こいつは中のキャラクリもガチってる。自分もある程度は筋肉ついている感じにしたけどな。


「師匠、そちらがクロワッサン様ですか?」

「お、素体クールタイプに愛称設定師匠は面白い」

「だろ?ついでにサタンちゃんとライバル設定にしたから色々と張り合ってる」

「レベルは当然1だからロリ魔王120レべvsロリ勇者1レべの構図ね。……こういうコンセプトものも良いわね」

「ふわわ様、いけません。他の人のサポートロイドの胸を触るのはいけません」


ユリクリウスの2体目のサポートロイドのゆうしゃちゃんを写真ではなくリアルで見ることになったが、まあ可愛い。ロリコンが本気でロリ作ってるわけだから可愛くならないわけないんだけど。


ふわわさんがゆうしゃちゃんの慎ましい胸に手を伸ばそうとするが、サポートロイドのリンゴが横から手を伸ばし、ふわわさんの腕を掴んで手の動きを静止させる。リンゴはよくやった。流石に胸触りにいくのは女でもアウトだよ。そして今は男だから通報出来るよ。


「そうよね、今は男だもんね……サポートロイドのみんな、これからは私がヤバイ行動とりそうになったら攻撃してでも良いから止めてね」

「その前に自力で止めろ。

さて、じゃあ自分達も温泉入るわ。サポートロイドの衣装もバスタオル女性用にしてと……」

「コロネちゃんのバスタオル姿可愛い!ねえ、髪洗ってふごぉふぉ」

「いい加減にして下さいふわわ様。……ふわわ様?」

「ああ……ふわわさんこれは人生初金的を受けたな」

「他人のサポートロイドに手を出そうとする方が悪い。まあこっち来てから作ったサポートロイドの方が完成度高くなるから手を伸ばしたくなる気持ちは分かるけど……サタンちゃんもちょっと修正しようかなー」


そろそろ温泉に入ろうかと思って、コッペパンとコロネもバスタオル姿にしたところでふわわさんがコロネに飛び掛かり、リンゴから金的を受ける。これふわわさんにとって人生初金的か。見ているこっちもちょっと冷や汗掻いた。


その後は最初に入ったマイルームの右側の扉を開け、温泉宿風に改築した部屋を探索する。きちんと入り口には男性用暖簾と女性用暖簾があるのに中へ入ったら貫通していて分けられてないとかこれ意味あるのか?


そして大きなパネルの仕切りの向こう側には、大きな浴場が4つ組み合わせられている。この浴場、地味に高いんだよな。ゲーム時代では1つで300万ゴールドぐらいした。なお今は1000万ゴールドの模様。値上がりをし続けている家具の1つである。


しかしフレーバーテキストで『宇宙の最新技術で作られた大浴場。常に清潔なお湯が出続けており、いつ入っても一番風呂』とか書かれてあると元日本人として買いたくなる気持ちは分かる。にしても広いな。一番デカいサイズを4つくっつけているから当たり前なんだけど部屋がほぼ全て大浴場か。


また大浴場の横の部屋にはジェットバスとか金色の浴槽とかも並べられていて、結構な数の家具を揃えていたことが分かる。ユリクリウスは自分よりも課金していたしな。ここら辺の家具は余りまくってそう。


「ではマスター、お背中をお流しします」

「……よろしくお願いします」


まずはコッペパンとコロネが身体を洗ってくれるけど、もうそういうお店に来た気分である。いや2人とも胸を大きく設定したから普通に当たるし、向こうにいかがわしいことをする気が全くないというのが余計にこう……来るものがある。


「うう……まだジンジンする……」

「お、生き返った。

というかふわわさんも水着かい。バスタオルは?」

「もってない」

「……バスタオル(男性用)渡しておくわ」

「女性用はない?」

「3着しかない」


身体を洗い終わって大きな浴場に入るのと同時に、生き返ったふわわさんと、ふわわさんのサポートロイドのリンゴ、ミカン、モモの3人が大浴場に入って来た。これで7人だけど、スペースにはまだまだ全然余裕ある。マイルームの大きな部屋は、とても広いし電話ボックスみたいなシャワールームも何台も置ける。シャワールームと洗面台が並んでいるのはちょっとシュール。


温泉に浸かってのんびりしていたら、ユリクリウスがバスタオル姿でアイスを持って入って来た。そしてアイスを持ったまま温泉にどぼん。ついでに大浴場の隣にコンビニとかでよく見るアイスケースを設置。おう世界観ぶち壊すなや。


「いやアイスケース置いても良いだろ。ゴールド払うなら中の奴は何でも食べて良いぞ」

「あれこれ食べたらなくなるの?」

「他の食べ物系家具と一緒。食べたら無くなってゴールド払ったら補填される」

「いやまだ食べ物系家具食べたことなかったから……」


しかしせっかくなのでアイスケースからシャーベットを拝借。1個300ゴールドとのことなので若干高いか?コッペパンとコロネにも食べさせ、他人とのゴールド取引の最低価格が1000ゴールドからなので特殊能力追加+10%を2000ゴールドで買い、1000ゴールドで売る。


ユリクリウスは、現実で金のやり取りだけはキッチリしていた。まあゲームの中ではわりと気前良かったけど、ゲームが現実になったらこうなるか。この取引だとこっちが損するけど、たかが100ゴールドだし入浴料ってことで押し付けた。律儀なところもあるから学生時代、それなりの数の女性が興味を持っていた気がする。なお中身はガチオタロリコン。


サタンちゃんとゆうしゃちゃんも大きな浴場に入って来たけど、サタンちゃんがコッペパンと同じく限界サイズの巨大な胸を持っているのに対し、ゆうしゃちゃんは慎ましい感じでほぼ皆無。良い趣味してるわ本当に。仲良くしたそうなサタンちゃんと、キッと睨むゆうしゃちゃんの構図というだけでスクショを何枚も撮れるな。きちんとユリクリウスから撮影許可は貰ったし、ひたすら撮るか。


[黒猫:ユリクリウスのマイルーム着いたぞー]

[ユリクリウス:入って右のマイルームが大浴場だ]

[白猫:水着で入ってもよろしかったでしょうか……?]

[ユリクリウス:大丈夫だよ]


のんびりしていたら黒猫と黒猫のサポートロイドの白猫が入って来るけど、白猫は黒猫の2Pカラーだ。通常、サポートロイドの方が全体的にワンサイズ小さいけど、黒猫は自キャラの身長を低くして、白猫の身長を高くすることで身長差を無くしているから双子みたい。ついでに黒猫が白髪白眼なのに対して白猫は黒髪黒眼なのは性格がひねくれている。


しかしまあ、女が多い世界だ。キャラの比率の時点で男性2割、女性8割だから仕方ないけど……サポートロイドも含めれば、男性1割かもしれないな。今のところ、地球組同士以外の交流はほとんどないし、将来のことを考えたらちょっと心配になって来た。そもそも、真っ当な将来があるのかも分からないけど。

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