第33話 マイルーム
鯖対抗戦の翌日。寝ていたら幼女の声が聞こえてくる。自分のサポートロイドのコッペパンの声だ。……CVいのりんのため、自分の声と声質は同じではある。自分が男性キャラボイス132に対し、コッペパンは女性キャラボイス43だから結構抑揚とかに差があるけど。
「マスター、そろそろ起きて下さい。今日はユリクリウス様のマイルームに行く予定の日ですよ」
「あと30分……」
「……はい、ぎゅー」
「ふぁふ…………いでででで、痛い痛い痛い」
化け物みたいなスペックの身体になっても、寝起きに弱いことは変わらない。なおコッペパンに抱きしめられるとすぐに眼が覚める模様。しばらくコッペパンからのハグの感触を味わっていると、徐々に締め付ける力が強くなってくるので流石に眼を覚まして起き上がる。目覚ましとして最高だなこれ。
一応この子もレベル125まで上がってるから力は強い、のかな。まあ幼いロリっ子にさば折りされるのも良いかも……いや良くない。なんかもう色々と手遅れな気はするが、その一線は越えたくない。
「……おはよう」
「おはようございます。既に食事の用意は出来ていますよ」
起き上がって、コロネの作ってくれた朝食を食べる。配給された完全栄養食とか色々と選択肢はあるけど、普通に米や肉も売っているので何パターンか朝食を登録しておいて、それをランダムに出して貰うことにしている。結構なゴールドはかかるけど特別許可証のお蔭で割引価格。特権階級万歳。
まあ、120レべのシアリーだった人は稼ぐ額が尋常じゃないから食料品の割引なんて誤差みたいなものだけど。そもそも食料品が大体安いし。今日の朝食は、色んな果物が入ったグラノーラのようなもの。コロネの手作りである。
サポートロイドの調理スキル、基本的にはカンストしているみたいだから安心して台所を任せられるのは良い。というか下手な料理を作らせるにはわざわざ料理下手の設定にする必要があるからな。
[クロワッサン:コッペパンとコロネも連れていって良いか?]
[ユリクリウス:もち。何のために混浴にしたと思っているんだ]
[クロワッサン:あれ?男性用女性用に分けてなかった?混浴にしたのか]
[ユリクリウス:まあサポートロイド達と一緒に温泉入りたいし、スペースを大きくしたかったからな]
[クロワッサン:お、欲望隠さなくなってきたな。そろそろ我慢の限界か?]
[ユリクリウス:……手を出す気はまだない。監視されてるのにヤれるかよ]
朝食を食べ終えたらユリクリウスに個チャを入れ、支度をしてユリクリウスのマイルームに移動。コッペパンとコロネも一緒に来て良いとのことだったので、3人でパーティーを組み、マイルームへ移動するとコッペパンとコロネもついて来る。
ちょっとここら辺はゲームの仕様と変わってるな。そもそもサポートロイドは他人のマイルームにまで連れて行けなかった存在だし。まあ現実化した恩恵と思っておこう。
「ちわす」
「お、来た来た。ユリクリウスとサタンちゃんとゆうしゃちゃんはもう温泉入ってるわよ」
「……ふわわさん水着ですか。というか男性になったんだから他人のサポートロイドをじっくり見るのはもう犯罪クラスですよ?」
「良いじゃない別に。はー、うちの子達の水着姿可愛いわー」
「……大男がロリを眺めているだけって光景、犯罪臭凄いな」
ユリクリウスのマイルームに行くと、既にふわわさんが来ていて自分と同じように連れて来たサポートロイド3人に対して水着の着せ替えをしていた。そういうのは来る前に自分のマイルームでやってくれ。
ふわわさんのサポートロイドはリンゴ、ミカン、モモの3人。それぞれ果物の色の髪色をしているので分かりやすく、覚えやすい。ロリ巨乳撲滅委員会所属のため全員貧乳というかぺったんこ。絶壁だけどロリなのでそれが普通である。むしろコッペパンやコロネのような巨乳の方がおかしい。
ふわわさん自身は「近くの銭湯で時たま来る幼女の髪の毛を洗ってあげることが趣味」と言い張るれっきとした変態。おまわりさんこいつですと言いたいところだが自称婦警。こいつおまわりさんです。
というかシアリーが宇宙の警察みたいな存在だから、幼女同盟のメンバーも全員警察ということ……?
ふわわさん自身は背の高い大きな男性アバターになっているので、サポートロイド3人の水着について着せ替えしている姿は最早犯罪者。……この世界で女から男へのTSは、かなり珍しいんだろうなあ。女性って基本女性アバターでプレイしそうなものだし、少なくとも幼女同盟には同様の立場になった人がいないはず。
……幼女同盟に所属しているのはユリクリウスと自分とふわわさん以外全員女性アバターで、ゼルさんふわわさん以外は男のはずだから幼女同盟でTSしたのは16人か。8割ネカマのチームだったわけだけど、このゲームの男女比的にはどこのチームもそんな感じだろう。
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