第19話 コスチューム

新しいサポートロイド作りについて、途中で邪魔が入ったけど無事嵐は去ったので再開する。コスチューム倉庫も当然最大まで課金していて、2783/3000種類まで埋まっているので何でも着せたい放題やりたい放題である。


まあコスチュームが増えたのは課金ガチャが能力も待機モーションも強化アイテムもコスチュームも家具も全部一緒のごちゃまぜ闇鍋仕様だったからだけど。


HPタフネスという特殊能力を付けられるアイテムを4つ引くために1回300円のガチャを600回引いたのは良い思い出。200回で1天井なので天井3回分である。1回素引き出来たのは幸運だった。まあ自分に限らずステ系を盛っている人は全員この地獄を経験しているだろうけど。装備の更新の度にステータス系の特殊能力アイテムは使い直さないといけないし、金のかかるゲームです。


ヨシ!2人目のサポートロイドのモデルが完成した。価格は200万ゴールド+ゲーム内通貨で8000万ゴールド相当のコスチュームと顔パーツ。名前にチョコを付けるから黒色のファッションで統一しようかとも思ったけど、全部白色になったな。真っ白メイド。髪だけ赤なのが目立ってる。


「2人目のサポートロイド完成したし、到着が楽しみだな」

「……もう発注されましたね。到着は3日後ですか」

「3日でサポートロイドが作れるって凄いな未来の技術」

「今は地球組にサポートロイドの配布を行っているので、通常24時間以内には納品されるサポートロイドが3日後到着に遅れています。」

「ああそっか。まだ順番に配布している途中だった」


3日後に届くようだけど、通常時ならこのレベルのアンドロイドが1日以内に届くとか怖すぎない……?普通に会話出来るのだけでも凄いのに、サポートロイドとして身の回りのお世話もしてくれる美少女が配布されるとかシアリーの特権階級っぷりがヤバイ。


……まあでも現状、全宇宙の脅威であるシャドウと日夜戦っているから許されていることなのかな。ちょっとサポートロイドを作るのに疲れたので横になろうとすると、正座して膝枕を用意するサポートロイドのコッペパン。地味に嫉妬してそうでかわいい。ロリっ子の膝枕は最高。


「2人目のサポートロイドの名前は何にしたのですか?」

「チョココロネ!」

「またパンの名前ですか……」


膝枕されながらじっくりとコッペパンの顔を見るけどやっぱり美人さんである。上位勢の中にはサポートロイドのお世話により堕落したプレイヤーが何人もいるとか何とか。現在進行形で膝枕されている自分もその中の1人に入っているけど。


[ユリクリウス:社長面接終わったぁああああ!

この後の順番はアクアさん→ライさん→ゼルだって言ってた]

[黒猫:ほう。

ゼルはクロワッサンより前に個人面談だった人の情報聞いといてくれ]

[ゼル:えっ。あのシウラさんに質問する勇気ないんだけど]

[クロワッサン:それなら自分が既に聞いたぞ。

各鯖の1位チームのチームリーダーと黒猫を除いたらライトさん→モルモットさん→自分だった]

[黒猫:お、主要チームのチームリーダーが呼ばれているとは思ったけど、各鯖の1位チームと幼女同盟だけか。これは幼女同盟高評価。あのシウラさんが真面目な顔で「幼女同盟は要注意ですね」みたいな話をしているかと思うと胸が厚くなるな]

[ふわわ:それ以上胸を盛るのはどうかと思う]

[ハル:あれ?モルモットってそんなに強かったか?俺と同程度じゃね?]

[黒猫:アブダクション生還組だから何か拾ってるだろ。あとついでにクロワッサンはマジで何も拾ってないの?]

[クロワッサン:何も拾ってねえ。自分も二刀流欲しかった。アカツキノヴァ作る前に使っていた封呪剣使いたい……]

[ゼル:あれにももしかして堅牢付いてた?]

[クロワッサン:YES]

[ユリクリウス:コイツ1鯖で出た13個の内5個を独占してやがる]


膝枕をされながらゴロゴロしていると、ユリクリウスの面談が終わる。そしてユリクリウスの情報的に、ゼルさんが全鯖7位か。まあ分からんでもない性能の装備はしているし、PSは高い。これ幼女同盟の人間は結構な数が全鯖上位に来てそうだな。シウラさんが黒猫だけ特別扱いして呼んでいるのも、幼女同盟の評価が高くなるのも分かる気がする。全員ロリコンなのが玉に瑕。


[クロワッサン:あ、2人目のサポートロイド作ったら3日後に到着って言われた。名前はチョココロネにしたからよかったら見に来て]

[ユリクリウス:よし、サポートロイド俺も買う。ユウシャちゃん作る]

[ふわわ:到着したら動画取らせて下さい!]

[ゼル:到着したら添い寝スクショ、いや添い寝動画を撮らせて下さい]

[クロワッサン:……スクショなら気軽に許可出せたのに、動画となると急に抵抗感出て来るの何でだろう?]

[黒猫:新規で購入した奴なら好感度最低だからまずはクエスト周回に連れていく必要あるんじゃないか?]

[クロワッサン:あ、そうか。

いや倉庫に眠っていたNPC好感度UPアイテム大量に投与したら初日に好感度最大も行けるんじゃね?]

[ユリクリウス:そういえばあったなそんなアイテム。

……シウラさんにも使えるのか?ゲーム内では使えたけど]

[黒猫:NPCに使うものだからサポートロイドはどうだろうな……?あとそれシウラにやろうとしたら受け取られた上で「次はないですよ」と言われたぞ]

[白猫:流石にそれは自重して下さい駄マスター]


ふとチームチャットをしている最中に、NPCの好感度上昇アイテムがあることを思い出したのでサポートロイドに使えるかは気になった。……シウラさんには効果が無かったみたいだけど、まずそれを使おうとした時点で黒猫は頭がぶっ飛んでると思う。よく見逃されたなコイツ。

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