第17話 旅は道連れ
死神ゲーハーは本当に売って来た様でようやくまともな顔になっていた。
もういじめるのはやめよう。
「ここが扉でこっちにも扉な?」
「はい!それじゃあまた!」
とようやく元気になったみたいでよかった。
さて、ここの王国もなんだかんだで酷いな、ゲーハーはそれを一気に引き受けて…って自業自得か。勝手に俺の名前出すから悪いんだけどな。
そして俺はまた家でニートな生活をリーシャと楽しむ。最近はゲームにハマってるな。
「こんちわー!ってなんですかこれは?」
「あ?これは俺の世界の、ゲームだ」
「こ、これを、」
「お前また自分の首を絞めたいのか?」
「いえ、とんでもない!この前で十分懲りました」
「だろ?ってか、やってみるか?」
「はい!」
リーシャと2人して対戦に夢中になっている。って親指の皮むけてるやないか?!絆創膏を貼ってやるとニコッと笑ってまた夢中になってゲームをしている。
「いやぁ、とても素晴らしいですね!こんな世界があったなんて!」
「だろ?面白いだろ?これを魔法でなんとかできないもんかね?」
「難しいでしょうな、流石にこんな緻密なのは私も想像できないですから」
「だよなー」
「あっ、ひとり変わり者の魔法研究員がいますからそいつを呼んでみるのはどうでしょうか?」
「そいつは信用できるのか?」
「まぁ、なんと言うかのめり込むタイプなのでなんとも」
「オタク気質か、ならなんとかなるだろうな」
「では!」
「うん呼んできてくれるか?」
「はい!じゃあ呼んできますね!」
「って、明日でいいだろ?飯食ってけよ」
「は、はい!ありがとうございます!」
毛も抜けて性格も丸くなった様だな。
それは俺も一緒か、毛は生えてるけどな。
そして次の日は朝からそいつが来た。
「こいつが知り合いのニキータです」
「なになに?ここは夢の国なの?」
「女の子だったのかよ」
ちょうどゲームをしていた時だからそれをみてガン見している。
触らしてやるととりあえずは一日中でもやってそうだから電源をぽちっとすると、
「キェェェェ」
「な、なんだ!」
「なぜ切ったのですか!せっかく私が」
「皆まで言うな、てかここに何しに来たか覚えてるか?」
「ゲームをしに」
「作れるかどうかだよ!」
「あ、そうだった」
「でどうだ?」
「すんごい複雑だから時間がかかるかもだけどやってみる!」
と意欲をみせているのでとりあえずはいるようなものは用意してやることにした。
必要とあればしょうがない。
『グギャアアァァァ』
「ホール最大!ブリーズ最大!トーチ最大だぁ!」
今ドラゴンと戦っている!こいつの魔石が必要なのだ!
ドラゴンはなんとかよじ登ろうとしているが、
「ウォーター最大!!」
“ザバァァァァァア”
と大量の水で水死させるとようやく一息つく。
ゲームつくるのってしんどいな。
「でも、ここの素材でできたらすごいことだな!」
それからも大量の素材集めを任される。
馬車馬の如く働いていると、久しぶりに体を動かしている気がしてなんとも爽快だな。
やはりニートもたまには外に出ないとな!
なんだかんだあってブラウン管くらいのテレビとファミコンくらいの容量のゲームが出来上がった。まだインベーダーくらいのゲームだが初期はこれくらいでいいだろう!
「出来た!これが第一号だ!」
「よかったな!これから改良していけば新しい世界が待ってるぞ!」
「はい!」
そして王に献上すると王はどハマりしていた!
「よし!ゲームとやらの部門をつくりこれより成果を上げていくのじゃ」
「はっ!」
そして成果を出し続けるために冒険者に依頼をすることが多くなり俺の手から離れて行った。
「やったな!」
「やりましたね!」
「今日はお祝いですね」
と3人で祝杯を上げるとまたいつもの日常に戻る。
「あ、クオンさん、またいつものお願いしますね」
「おう!んじゃこんだけな!」
とゲーハーとの関係も良好だ。
そろそろ飽きて来たのである程度残してまた旅に出ようと思う。
「私もついていきますよ!」
「えっ?なんで?在庫はいっぱいになるまで置いて行くし」
「なにいってるんですか!私はもう貴方なしじゃ生きられない」
「や、やめろ!気色の悪い!」
「まぁ、道案内程度に思ってくれればいいですよ」
「そうなのか?」
「はい!流石にがめつくは無くなりましたし、友達じゃないですか!」
「わかった!一緒に行こうか!」
「はい!」
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