第15話 隠れ家


 昨日は散々な目にあったな。

「リーシャはまだ寝てるし」

 朝風呂に行くとハゲがいた!

「テメェ何呑気に朝シャンしてんだハゲ長!」

「へ、変な名前で呼ぶんじゃない!私はギルド長だ!」

「くそっ昨日のせいで王様に顔が割れてしまったじゃないか!」

「いいじゃないですか?貴方も私みたいに胃に穴が開くかもしれないストレスに苛まれなさい」

「やだね!そしたら国外逃亡してやる!」

「あの王様がそんなこと許すと思ってるんですか?」

「もう最悪は実力行使も辞さない」

「それはやめなさい」

「はぁ、で?昨日あれからちゃんと教えたのか?」

「そりゃ教えましたよ!」

「で?反応は?」

「やばかったですね!他の貴族も多分欲しがると思いますよ」

「たぁー、そうだよね!そうなるよね!だからいやだったんだよ!」

「私に卸せばそれは減りますけど?」

「それが狙いだろ?いいよ、卸してやる」

「ほ、本当ですか?」

「でも俺王都に拠点を持つから王都に来てそこから販売してくれ」

「な!もう戻らないつもりですか?」

「まぁ、いっときはこっちにいるつもりだ!」

「な、な、なんてわがまま!傲慢!」

「何とでも言え!」

「く、くそ!じゃあ、わかりましたよ!私も腹を括りましょう!マイホームを売ってきますよ!」

「げっ!こっちにくるつもりか?」

「当たり前でしょ!一連托生ですよ」

「はぁ、ゲーハーがここにくるなら」

「ゲーハーと言うな!」

「もういいや」

 と体を洗って湯船に浸かる。

 ゲーハーわ慌ただしく出て行った。

 ここで拠点を持つのは悪くないが、自由がなくなるのは勘弁だな。

「…最悪は逃げればいいか」


 風呂から上がって部屋に戻るとリーシャは起きて髪をとかしていた。

「あ、おはようございます、クオン様」

「おはようリーシャ!聞いてくれよ」

 とさっきのゲーハーのことをチクる。

「まぁ、最悪は逃げるしかないですわね」

「そうなるよな」


 女の人の美への追求は凄まじいからな。化粧品とかは出さないようにしないとな。

“コンコン”

「間に合ってます」

「いや、こちらが間に合ってないんだが!」

「くそ!もうかよ」

 開けると昨日の兵士だ。

「王城へご同行願う」

「はぁ」

 王城につくと、王様と王妃が待っていた。

「クオンよ、あと100本づつ用意せよ」

「わかりましたよ、200本ずつ、でいいですね?」

「それは喜ばしい限りじゃ!」

「俺は200本ずつ置くと金貨をもらい王城を後にする。


「やばいな、これ以上呼ばれるのはとりあえず避けれたっぽいけどな」


 まぁ、何にせよ隠れ家みたいな家を探そう。

 商業ギルドに行って物件を見せてもらう。

 昔からよくある古い建物にして中を改装することにした!金はあるからな!やりたい放題だ!

 

 リーシャとも話しながら大工に頼んで隠れ家を作ってもらった。

「ふふふっ!これで俺の居場所はわかるまい!」


 そうして月日は流れ街を歩いていると、

「や、や、や、や、や、やっと見つけたぞこのやろう!」

「そ、そのゲーハーは?!」

「お前のせいで抜け毛がひどくなる一方なんだよ」

「ひ、ひぃぃ」

 髪の毛が風で抜けて行く。笑えない!こ、怖い!

「王様からはお前を探せと言いつけられて行く年月」

「そんなに立ってないだろ!」

「ここであったが100年目」

「うるさい!わかったからその妖怪みたいなのやめろ!」

「はぁ、本当に探しましたよ」

「で?どれくらい欲しいんだ?」

「じゃあ千本」

「わかったよ、それでどこに置けばいいんだ?」

 と連れて行かれたのは王城で、千本だしてからやっと帰された。


「どこまでついてくるんだ!」

「家!教えろこの野郎!」

 ひどくやつれたギルド長に免じて家だけは教えてやることにした。

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