【第15回】風桶(テーマ:酔う)
信号待ちをしているときにふと右を向くと、小さな白い花が鈴なりにたくさんついている木が目に入った。これは確か、アセビだ。漢字では「馬酔木」と書く。馬が毒のあるアセビの葉を食べてしまうと、酒に酔ったようにフラフラと歩く様子が由来らしい。と教えてくれたのが誰だったかはもう覚えていないが、そうとも限らないだろ、と思ったことはよく覚えている。
アセビの葉がおいしいから馬が葉を食い尽くしてしまう。それを見た飼い主は、焦ってその場から馬を走らせて逃げる。馬が疲れて酔ったようにフラフラと歩く、なんて。風と桶の距離感より近いな、随分と面白くないことを夢想したものだ。気づいたら信号は何度目かの青になっていた。
(オリジナル:3月2日投稿)
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