第一住人、ゲットだぜ!!
「ふぅ、美味しかったです」
俺の家にて、料理(オムライス)を食べ終え、そう呟くマリーさん。
元王妃なだけに、食べ方も綺麗だったな。
「まさか、ライスの上にオムレツを乗せる料理があるなんて......未来の世界は凄いですね」
「そ、そうですかね?」
というよりかは、この国独自の料理だけどね。
「それにしても.....私が処刑された後の世界が、こんなにも目まぐるしく変わっているとは、思いませんでした」
過去の時代に想いを馳せながら、そう言うマリーさん。
その顔は、どこか嬉しそうであり、寂しげだった。
「でも......そんな中でも、フランスが時代の流れを生き抜いたことを、とても誇りに思います」
「マリーさん......」
マリーさんの優しげな声を聞き、思わず、そう声を漏らす俺。
「それで.....マリーさんは、これからどうするんですか?」
俺がそう尋ねると、マリーさんはしばらく考えた後、こう言った。
「そうですね.....とりあえずは、お城を買おうかと」
「...え?」
お城を買う。
その言葉のインパクトに対し、呆然としてしまう俺。
「あ、あの......仮にお金があったとしても、流石にお城は買えませんよ」
「えぇ!?」
俺の言葉に対し、そう叫ぶマリーさん。
「というか、日本の城はヨーロッパの城とだいぶ違うんですよ」
そう言った後、日本の城の写真を映したスマホを見せる俺。
一方、その写真を見たマリーさんはというと
「.......確かに違いますね」
と、シュンとした様子でそう呟いた。
そんなマリーさんを見た俺は、とっさにこう言ってしまった。
「だったら、俺の管理するマンションはどうですか?」
「え?」
俺の言葉に対し、ポカーンとした様子でそう呟くマリーさん。
しまったぁぁぁぁ!?マンションの住人が欲しいがために、つい言ってしまったぁぁぁぁ!?
そう思いながら、今更ながらに、自分で発言してしまった言葉に後悔していると
「こんな私でも......暮らせる家があるのですか?」
マリーさんは、涙目になりながら、そう言った。
ヤベッ!?泣かせちゃったのかな.....?
「あ、いや、その......実は今、マンションの住人を絶賛募集なんです。だから、その点で言えばマリーさんが暮らせる場所が確保できるのかなって思って.......」
俺がそう言うと、マリーさんはニッコリと笑い、こう言った。
「本当に.....ありがとうございます」
あ、ひょっとして嬉し泣きだったのかな?
マリーさんの顔を見つめながら、そう思う俺。
そんなわけで、うちのマンションの第一住人として、マリーさんが暮らすことになったのだった。
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