第5話 消費のなかの藝(ヌード写真)

 吉本隆明の『消費のなかの芸――ベストセラーを読む』には、「ヘア・ヌードのこと」という項がある。ここでは、吉本の論に立ち入るつもりはなく、水着姿や裸身の女性を被写体とした写真について書きたい。

 僕は「週刊プレイボーイ」(集英社)という雑誌が大好きであった。最初に買ったのが大塚寧々さんが表紙の号だったことも覚えていて、その頃はヘア・ヌードの掲載も結構あったと記憶している。そもそも、現在の「週刊プレイボーイ」は基本的なつくりが変わってしまっている印象がある。

 毎号のように愉しみにして見ていたので、印象として思い出せる写真も複数ある。

 それまで、注意を向けていなかったタレントさんでも、或る写真に惹きつけられると、その時以降、何気なくテレビで見かけた場合も輝いて見えてしまうという体験もした。

 強烈に好きな写真がある。それは渡辺美奈代さんの『Trap』というタイトルの写真集の表紙に採用されている写真である。僕がこれを最初に見たのは家電量販店の店頭だったと思う。おそらく、パソコン・ソフト版があって、そのパッケージを見かけていたのではなかったか。

 渡辺美奈代さんは服を着ていない写真は出したが、大事なところとされる部位は絶対に隠しているのである。

 僕は女性の陰毛にも魅力を感じるけれど、きたないと感じる人もいるらしい。渡辺美奈代さんがどう思っているのかは分からないが、要は様々な表現手法があるということだ。

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