小学六年生

思い立って、所属していた合唱部の伴奏も自らやります、と言ってみた私。


練習は大変だったが、会場の良いピアノで演奏できた良い経験になった。


そして、昨年同様、卒業生の歌の伴奏を任された。


昨年の反省も踏まえて、きちんと本伴奏の楽譜をかなり前から学年の先生に渡された。


ただ、この頃には、オーディションなど何もなく、伴奏を任されているばかりの私に対する学年の女子からのやっかみも存在していた。


卒業証書授与より、式の最後のピアノ伴奏で頭がいっぱいになっていた私は、伴奏を弾きながら「中学校では、ピアノを弾けると言わず、弾かずに平穏な日々を過ごすんだ!」とピアノからの卒業も心に誓っていた。


……はずだった。


つづく

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