いまさんの言葉……引っかかるんだ。
いまちゃんは私達を散々からかって、言った。
「アイツを奪った病気をこの世から消しさってさ。向こうでアイツにホメられるまでは、あたしのイチャラブはお預けだ。せいぜいあたしを楽しませてくれよ?」
だはは!と笑ういまちゃん。
「大切なヤツと二度と永遠に会えないとか、んな訳あるかよ。そうだろ? ま、アイツの葬式も墓参りも行けてないあたしだけど、さ」
そう言い切った私たちのキューピッド。
初恋の人と、いつの日か未来で巡り逢い、
『見つけたぜ? 早くホメろ! 撫でろ! ぎゅうっ、としろ!』
と好きな人に言っているいまちゃんを想像してしまった秋人君と私は、タイミングよく顔を見合わせて笑ってしまった。
いまちゃんなら、きっと逢える。
きっと逢えるって……信じてる。
●
お昼休み。
お弁当を食べている
「秋人君、お弁当……美味しくなかった?」
楽しいお昼ご飯でがっかりさせちゃった……。
「え……ああっ! 違う違う! 今日のお弁当も美味しいよ!」
その言葉に、ホッとする。
でも、表情。
「何か、心配事?」
無理に聞いちゃいけないんだろうけど、秋人君の元気がない理由、知りたい。
すると、秋人君が慌て始めた。
「そんなしょんぼりしないで! 今、考えてた事話すから!」
秋人君は私の手を、包み込むように優しく握ってくれた。
あ、離しちゃヤダ。
ぶー。
「朝のいまさんの言葉……引っかかるんだ。それが気になってて」
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