ありったけの想い
「俺、俺……! ずっと及川さんのこと、好きだったんだ!」
「…………えっ」
え?
え?!
友達として好きで、一番の友達でいたいってこと?
でも、きっとそうだよね。
好きって言葉で、ちゃんと考えられないよ!
な、何て言えばいいの?
友達でいたいって気持ちは一緒だけど。
私も友達に戻りたい。
藤倉君と気軽にお話しができる関係に戻りたい。
ウソつきで意気地なしだった私を、許してくれるの?
友達でいたいって、言ってもいいの?
「俺、もうイヤだ。及川さんを遠くから見てるだけなんて」
「……ふ、藤倉君?!」
ウソ。
ヤダ。
泣かないで。
私がいけないのに、泣かないで……!
「俺、テニスも勉強も、もっともっと頑張って……いいとこ見せるから! 及川さんにもっと好きになってもらえるように、悲しませないように頑張るから! 及川さんを一番好きな友達で、いさせて下さい」
「藤倉君、わ、私も……友達でいたい」
藤倉君を、誰よりも一番近くで。
見ていたい。
そばにいたい。
「友達として待ってて……自分に自信が持てたら、絶対俺から好きって……好きって言うから……嫌いにならないで……」
「!!!」
、
涙を流し続ける藤倉君に駆け寄って、袖を掴んだ。
私も、涙が止まらない。
「私も、元通りになりたい。藤倉君の一番近くにいる女の子に戻りたい」
「……うん」
「私のことを、見てて下さい。誰よりもそばで、見ててください。今も藤倉君を誰よりも大、大、大好きな……私を」
「!!!」
「私も頑張るっ! ……藤倉君にふさわしい女の子になる!」
そして、いつか。
……いつか。
「その時は……その、時は………」
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