……何で?

金澤かなざわ、俺……そんなつもりじゃ……」

「なら、どんなつもりだよ……! 『俺は友達でいる資格がない』とか何なんだよ。そんなん、お前が決める事じゃねえだろ!」

「僕らはフジの親友だって思ってたけどね。資格がいるのか〜」

「え、いや……待てよ。金澤、眞白ましろ、ちがっ」


 藤倉君の顔が青ざめてる。

 泣きそうな顔。

 不安で、必死な顔。

 

「あーあ、がっかりだぜ。こんな情けない奴だと思わんかった。さ、金澤も眞白も帰んべ帰んべ。このウサは、マシマシの牛丼で晴らしたらあ!」

「佐藤、お前昨日も同じこと言ってなかったか? ……ああ、帰ろうぜ。こんなフジ、見たくなかったわ」

「及川さんも一緒に帰る? 送っていくよ~」


 ……何で? 


 何でそんなこと、言うの?


 友達って。

 仲間って。

 そんななの?


「金澤! 眞白! 佐藤! 待ってくれよ!」

「もうお前に用はねえよ。邪魔」

「うわ!」

「藤倉君!」


 突きとばされて地面に倒れ込む藤倉君。

 

「大丈夫?! ……!!」

「………………」


 腕、震えてる。

 真っ青な顔。

 座り込んだまま、動かない藤倉君。


 こんなの、許せない。


 許せない!


「……待って!!!」

「ん? ああ、ごめんごめん。及川さんも帰んのか。じゃあ一緒に……」

「あのっ!!!」


 三人の前に回り込んだ。


 いまちゃん。

 いまちゃん!


 もう一回。

 もう一回だけ。


 私に勇気を。


「おお?! ど、どうしたん?」 

「友、達が。落、ち込んで、悲しんでる。……なのに、置いてっ……ちゃうんですか? 呆れて、帰っちゃうんですか? 友達って……そんなものですか?」

「………………あん?」

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