頼れるお姉ちゃん
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いまちゃんは高校一年で、私とふたつ違いの
サラサラの黒のロングヘアーを背中で一つに束ね、長すぎず短くもない制服のスカートから、すらり、と伸びる長い足。
いまちゃんみたいになりたくって伸ばしている髪も肩くらいまで伸びたけど、モデルさんみたいな顔にスタイルまでは真似できない。
そんないまちゃんの、切れ長で黒目がちの瞳に見つめられると、大人も子どもも男子も女子もその
『目立たなくなるらしい』と黒ぶちで度なしのメガネをかけているが、可愛い度がさらに上がったいまちゃんは『なんか違った』って苦笑いしていたけど。
だけど、いまちゃんの魅力は見ためだけじゃない。
理想の女子とか憧れのお姉さん、みたいな外見とは反対に、話し方はお祭りの出店のお兄さんのようだったりする。
初めていまちゃんに会う人は、そのギャップに目を白黒させる。
けれど、ころりころり、と変わる表情と、少しだけ人より近い距離感と、いつも本気で人と向き合ういまちゃんにはファンがたくさんいる。
そう、『坂宮病院の伊万里ちゃん』はこの街の有名人なのである。
実家を継ぐためにいまちゃんは医学部を目指している。すごいことに、学年で常に上位をキープしているらしい。
そんないまちゃんは、『初恋のヤツとの出会いは自分ちだったんだぜ? だはは!』と笑いながら話してくれたことがある。何でも、それがきっかけでお医者さんを目指して勉強を始めたそうだ。
そんなある日、受験に向けて塾を探そうか家庭教師をお願いしようか迷ってる、と志望校に通ういまちゃんに相談をしたところ、
「そんなん、あたしに任せな。傾向と対策もばっちりだぜ?」
と言ってくれて。
うちの両親も、いまちゃんなら! という事で話が進み、週に二回勉強を教えてもらっている。
いまちゃんなら。頼れるお姉ちゃんなら、きっといいアドバイスをくれるかもしれない。
そういえば、いまちゃんは初恋の人とどうなったんだろう。あんなにキレイなのに、彼氏ができたって話は聞いたことがない。
私が知らないだけなのかなあ……。
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