中学生時代の思い出
譚月遊生季
※黒歴史放出注意
私が黒歴史を生み出し始めたのは、中学生の頃だった。
漫画雑誌の付録についていたミニノートに「黒天使」という名のポエムを書き記し、創作用ノートには鎖に繋がれる銀髪の美青年がいた。
上手く笑うことのできない、太陽の嫌いな美少女も書いた。徳川家康双子説を下敷きに、当時ネットで流行っていた「悪ノ召使」の替え歌も作った。
ポエム用のミニノートはシュレッダーにかけて粉砕した。創作用のキャンパスノートは燃えるゴミに紛れ込ませた。フォレストページおよび魔法のiらんどの古いページを非公開にすることも忘れていない。
……が、記憶にはしっかり残されている。時折思い出しては甚大なダメージを受けるぐらいには、はっきりとした記憶がある。
今思い出しても恥ずかしくなる所業の数々だが、恐ろしいのはここからだ。
「何やらダークでゴシックな雰囲気」「影のある美男美女」「ヒストリカルな要素」……
そう。よくよく考えれば、現在の創作と大して変わっていないのだ。
特に、影のある美男美女は幼少期からほとんど変わらない好みだ。過去が重ければ重いほど最高だし、心身ともに辛い目に遭って欲しい。
この趣味はアンパンマンのロールパンナちゃんを見たあたりからずっと変わらない。なんてことをしてくれたんだ、やなせたかし。
とはいえ、書き続けていれば技術も見られる意識も上がっていく。
当時に比べれば、内容は幾分マシになった……と、思いたい。
当時の悶絶したくなるような出来の作品群が、今の私の血肉になっている……とも、信じたい。
もしかすると、未だに黒歴史を生み出し続けているのでは……という可能性も、残念ながら捨てきれない。
実際に、公開している作品のいくつかは時折消し去りたくなる衝動に駆られる。学生時代に書かれた作品ならば尚更だ。短編などは特に、時々読み返すのすら恐ろしいものがいくつかある。
それでも、書き続けるしかない。
黒歴史として葬り去ってきた過去の作品群が、「傑作を作り出すための歩みです」と胸を張れるようになるまで。
黒歴史が報われて、自分の歴史として誇れるようになるまで。
中学生時代の思い出 譚月遊生季 @under_moon
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