路傍の女
指一本五百円。
女が路傍で売っている。
若い女がやって来て、
恐れながらもこう言った。
「まぁ、なんと安いのでしょう。
命と同値がふさわしい。」
腕一本五千円。
女が路傍で売っている。
老いた男がやって来て、
笑いながらもこう言った。
「おい、なんて安いのだ。
命と同値で買ってやる。」
眼球一個一万円。
女が路傍で売っている。
学生帽がやって来て、
活発な声でこう言った。
「さぁ、こんな値段かい。
命よりも安いのかい。」
足がセットで十万円。
女が路傍で売っている。
老婆がのろのろやって来て、
か細い声でこう言った。
「あぁ、なんてもったいない。
せめて命と同値にしな。」
女の命が百万円。
女が路傍で売っている。
ネットに蔓延る毒が来て、
笑い飛ばしてこう言った。
「おいおい、少し高くはないか。
指一本と同値だよ。」
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