青と黒
まれ
青と黒
これは自分が高校生の頃の実話である。
しかし、一つだけお願いがある。
登場する人の名前や地名だけは
それとこの話知ってる知り合いに見られたらかなり精神的にきつい。
高校生になった春、自分は少し浮かれていた。
というのも、中学3年の担任に無理だと言われた学校に入学できたからだ。
決して偏差値の高い学校ではなかったが、自分の成績と学力ではギリギリ合格できるかもしれないけど、死ぬ気で勉強しないと話にならないと塾の先生にも言われてた。
それぐらいのレベルの話だった。
その状況で予想を覆す結果を出して入学できたことがうれしかったのだ。
点数を見ると合格点も20点ほど上がっていたにも関わらずトップクラスの点数で合格出来ていた。
それも、うれしくて浮かれていた要因の一つだった。
そんな中クラスにひと月も暮らせばクラスメイトの人となりもわかってくる。
そして、とある事件が起こった。
事件といっても傷害事件などの実際の犯罪的な事件ではない。
クラスの中にひと際目立つ人がいた。
背が小さくて、明るくて、笑顔が可愛くて。
クラスみんなのアイドル。
こんな形容が一番合っている気がする。
彼女の名前はとりあえず、
そんな今野のことを恋愛的な意味で好きになってしまったのだ。
これはクラスメイトとしては禁忌だ。
平凡で特に目立つこともなくクラスの中心でもない人間には特に。
そんなやつが今野というクラスのアイドルを好きになってしまった。
その事実が周囲にバレた瞬間自分の人生は破滅を迎えることになる。
それは避けたかった。
でも、現実はそれを許してくれなかった。
毎日彼女を見るたびにどんどん気持ちが大きくなっていた。
それはもう無限に膨張する宇宙のように。
そしてとある初夏の帰り道。
自分はうっかり友人の佐藤にこのことを知られてしまった。
自分の口が滑ったのだ。
そして、隠してた思いが吹っ切れて、さらなる爆弾発言をした。
「色んな意味でゆうきがほしい」
自分は確かに言ったのだ。
その時はその言葉のヤバさに気づいていなかった。
ダジャレっぽく軽い感じで言っただけなのだ。
以降、佐藤には何度もからかわれることとなった。
気持ちが大きくなりすぎた結果こんなことを口走ってしまった。
そして、この翌日彼女に玉砕覚悟で告白することを決めた。
決めたはいいが彼女とのちゃんとした接点は何一つなかった。
彼女の周りには常にだれかがいる、そんな状況がしばらく続いていた。
ある日、自分は彼女が毎朝、かなり早く登校してきているという情報を得た。
うちのクラスメイトは始業時間ギリギリに登校する人がほとんどだった。
ということは自分も早く行けば二人きりになれる。
そう思った。
次の週から自分は1時間早く登校し始めた。
しかし、うまく話しかけることができずただただ時間がすぎていくだけだった。
そんな状態が1か月半続いた。
そして、強制的にこの状況は終わりを迎えた。
夏休みに入ったのだ。
とうとう夏休みに入ってしまい、告白はできなかった。
ただのヘタレだった。
こうして、入学から3か月ほど続いた青春は幕を閉じた。
それと同時に黒歴史として封印された。
青と黒 まれ @mare9887
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