エピソード 002 「浮気? 何だそれ?」先輩と梨花ちゃんの会話

「あ、せんぱ~い、こんにちは~」


「お? 梨花ちゃん、今日は慎吾と一緒じゃねーのか?」


「慎吾くん補習で居残りなんです」


「そうか、ちゃんと勉強教えてやれよ。おめーは成績いんだからよ」


「はーい」


「そっか慎吾は居残りか……よ? おめーこれから何か予定あるのか?」


「えー……特に無いけど、うちへ帰ってBD見ようかな~って」


「なんだ、暇なのかよ、だったらよ梨花ちゃん、たまには俺と付き合わねーか?」


「えー? ……先輩? 他の女の子誘っちゃって~いけないんだぁ」


「うはは、勘違いすんなよ、どっかで時間つぶさなきゃなんなくてよ」


「な~んだ。てっきりデートに誘われたのかと思っちゃいました。ただの暇つぶしなんですね」


「決まってんだろ。後輩の女に手ぇ出すほど不自由はしてねーよ」


「ですよね~……でもそうやって浮気なんかしちゃダメですよ~」


「浮気? 何だそれ?」


「もし浮気したらぁ~サツキ先輩に言いつけちゃお」


「サツキに? どうして?」


「えー? 先輩の彼女サツキ先輩でしょ? 今日も一緒にカラオケ行く約束してるんでしょ?」


「あー、あいつの部活終わるの夕方だからな、それまで暇なんだ……っておい! なんで知ってんだよ」


「だってぇ~サツキ先輩に聞いたんです」


「ったく~女ってヤツぁどうしてこうベラベラとおしゃべりなのかねぇ」


「サツキ先輩、先輩の事話す時すんごい嬉しそうにしてるから、先輩? つきあってるんでしょ?」


「バーカ、そんなんじゃねーよ」


「だって、昨日は?」


「え? 昨日?」


「サツキ先輩と渋谷でデートしたんでしょ?」


「デート? アホか? そんな洒落たもんじゃねーよ。あいつが服買うから似合うかどうか見てくれって言うからよ、付き合ってやっただけだ、って、あいつそんな事まで話してるのかよ? ったく」


「ふふふ、先輩? そういうのをデートって言うんですよ」


「るせ~なぁ、そんなんじゃね~って言ってんだろ」


「それじゃ聞いちゃいますけど」


「なんだよ?」


「おとといは? どうしてたんです? サツキ先輩と……ふふふ♪」


「おととい……?」


「そう、おとといはどこへ行ったんです?」


「えっ? ……お、おめーには関係ねーよ、チッ、そうやって人の事どうこう詮索してんじゃねーぞ」


「あははは、先輩? 少し赤くなった」


「バ、バカヤローなってねぇ、からかってんじゃねーよ」


「へへへ、実は私、知ってるんですよ~! ……だからてっきり彼女だと思ったのに」


「アホか、ラブホ行ったぐらいで彼女って決めつけてんじゃねー、って、はぁ~? サツキのやつ、おめーにそれまでしゃべっちまってるのかぁ?」


「あはははは、聞いちゃった! ううん、サツキ先輩にいっくら聞いても赤くなるだけで全然教えてくれないからピンと来ちゃってぇ~ちょっとカマかけちゃいました、あはははは」


「てめーこのやろーよけいなことしゃべらせやがって、しばくぞコラァ」


「きゃ~サツキ先輩! 先輩がいじめるの~きゃははは」




   エピソード 002 「浮気? 何だそれ?」先輩と梨花ちゃんの会話 END

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る