第4話
薄暗い会議室に、重苦しい空気が立ち込めていた。長方形のテーブルを囲むように、自衛隊の最高幹部、閣僚、警視総監、警察庁長官、そして国家公安委員会委員長が、重々しい表情で座っている。
各々が手にした資料は、国家存亡に関わる極秘情報。その内容たるや、近隣諸国の軍事演習が活発化し、我が国への侵攻の可能性が日に日に高まっているというもの。
会議室の中央に置かれた大型モニターには、緊迫した戦況を示す地図が映し出されている。赤く染まる国境線、戦闘機や戦艦のアイコンが激しく点滅する様は、まるで戦争勃発を予感させるかのようだ。
自衛隊のトップである統合幕僚長は、深いため息をつきながら口を開いた。「現時点で我々の掌握している情報によると、敵軍は来週にも侵攻を開始する可能性が高い。我々は如何なる事態にも備え、万全の体制で臨まなければならない。まだ今話題の冥王星の教団と深くかかわっている可能性が高いです。」
彼の言葉に、閣僚たちは不安げな表情を浮かべる。これまで平和を享受してきた彼らにとって、戦争という現実が信じられなかったのだ。
国家公安委員会委員長は、深いため息を吐きながら、重々しい口調で切り出した。
「我々の調査によると、今回の事件は単なるテロではなく、ISやアルカイダといった国際的なテロ組織との関与も示唆されています。さらに、"太陽"の文字との武器の輸入について、捜査官二人からの情報を提供されました」
彼の言葉に、会議室に緊張感が走る。閣僚たちは、不安げな表情で委員長を見つめていた。
「太陽の文字...まさか、地下鉄で事件を起こした?」
一人の閣僚が、恐る恐る口を開いた。その声には、恐怖と絶望が混じっていた。
委員長は、静かに頷き、言葉を続けた。
「このため、冥王星教祖の暗殺を提案したい。奴らは意味の分からないことを嘆き、学生たちを洗脳してる。絵あたしの娘もだ。」
官僚の一人が立ち上がり言った。
「今回は特例だ。奴を殺そう」
扉が開く音が低く響き渡り、その響きは空間に緊張を刻み込んだ。静寂が破れ、学生たちの一団が武器を手にしてその中に姿を現した。
自衛隊の最高幹部、閣僚、警視総監、警察庁長官、そして国家公安委員会委員長は、重苦しい沈黙に包まれた会議室で、ただただ動揺を隠せずにいた。学生が銃口を向けてきた絶望的な状況。彼らの表情には、恐怖、怒り、そして諦念が入り混じっていた。
学生の中でリーダーらしき人物が、静かに口を開いた。その声は、冷酷で無慈悲な響きを持っていた。
「これから、死んでもらいます。」
彼の言葉と共に、銃声が轟き渡った。銃弾は容赦なく、会議室の重鎮たちを次々と貫いていく。血の雨が降り注ぎ、会議室はまるで修羅場と化した。
絶叫、悲鳴、そして怒号が入り混じる中、ただ一人、静かに立ち尽くす学生リーダー。彼の眼には、一片の感情も宿っていなかった。
公安の一室において、達也は静寂の中で深く考え込んでいた。その穏やかな空気を突如として断ち切るように、銃声が轟き渡った。その音色は上階から響き渡り、彼の耳を貫いた。
激しい銃声に反応し、公安職員たちは一斉に動き出した。足音が廊下に響き、階段を駆け上がる音が響き渡る中、彼らは会議室の扉へと向かった。扉を開けると、そこには生々しい鉄の匂いが立ち込め、血のにおいが漂っていた。
恐る恐る扉を開けると、そこには学生たちが小銃を手に、戸惑いながらも立ち尽くしていた。会議室の中央には、自衛隊の最高幹部、閣僚、警視総監、警察庁長官、そして国家公安委員会委員長の亡骸が不気味に広がっていた。
慌てて拳銃を腰から抜き、彼らに向けて問いかけた。
「お前たちは冥王星の信者?」
達也の言葉を返さず、突然、学生たちは黙って小銃の銃口を自らの口に押し当て、引き金を引いた。その瞬間、静寂が再び部屋を支配し、死の匂いが空間に漂った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます