第32話入籍

2人は婚姻届を作成した。

結婚するという事実が現実味を帯びてくる。

承認欄は友人2人にタカシは頼み署名してもらった。そして2月の上旬に市役所に届け出た。

タカシは市役所の人間だから、担当者がタカシとめぐみの顔をみて、

「杉岡係長、おめでとうございます」

と、言って受理した。

2人は新居を見付けており、結婚記念日は寿司を食べた。

タカシは日本酒を飲みべろべろ。よっぽど、嬉しいのだろうと、めぐみはタクシーを捕まえて帰宅した。

入籍した2人は、結婚式の場所は海外でと決めてある。タカシはフランスのプロバンス地方を夢見ていたが、めぐみの希望でインドネシアのバリ島になった。

結婚式は、半年後の予定。


まだまだ、幸せいっぱいの時期。さらに、喜びは続く。

めぐみは妊娠した。

初めは、めぐみがタカシに生理が来ない事を話し、ドラッグストアで妊娠検査のチェッカーを買ってきて試したら、陽性反応が出た。タカシはもう一度、調べて2度目も陽性だったので、2人はハイタッチしてめぐみの妊娠を喜んだ。

早速、2人でお祝いをしようと自宅で缶ビールを飲もうとしたが、めぐみは遠慮した。

そう、妊婦さんは飲んではいけないのだ。

だが、その頃からタカシに病魔が襲ってくるのだ。

初めは睡眠不足があり、タカシはそれは忙しいからだと思い、半年間も放置していた。

しかし、結婚式は近づいてくる。

バリ島での珍道中は、忘れられない思い出になる。2人きりで結婚式を挙げた。

バリ島巡りもした。

後は、めぐみの出産が大きな出来事。

その頃から、タカシは不眠症に悩んでいたが、それよりも家族が増えるのだから、仕事に熱中した。

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