第16話別れ
GWになり、タカシはみずほに電話した。なかなか、繋がらない。
この春、携帯電話を買ったのだ。短文のメールも送れる。うわさでは、みずほは遊びまくっていると聞いていたが心配だった。
朝も夕方も繋がらない。きっと、ハンバーガー屋さんのバイトをしているんだろうと思っていた。
翌日、みずほからタカシの携帯電話にかけてきた。
タカシは安心したかのように電話に出た。
「タカシ?私、タカシと別れる」
「何で?」
「彼氏出来たの」
「……」
「もう電話かけて来ないで!じぁ」
タカシは可能性はあると覚悟していたが。そうだよな付き合ってまだ、一年も経ってないし。
遠くの彼氏より、近くのイケメンかぁ〜。
タカシは暫く、フリーだった。
タカシは市役所の福祉課に配属された。
敬老パス、福祉乗車券の発行、手続きの担当になった。
同じ市役所内では彼女は作りたく無かった。
ある高齢者施設の案内をしていたタカシは運名の出会いをする。
PTの白窪かなこと出会ったことだ。
タカシが20歳の時に出会い、白窪は22歳だった。
直ぐに仲良くなった。飲みに週3ペースで通い、いつの間にか彼氏彼女の関係になった。
白窪は、とてももの静かで大人しい性格だった。
彼女に言い寄る男は絶えない。タカシもその中の一人だが、他とは違ったらしい。
タカシは影を背負っているように見えたと言う。
ある日、酔っ払って自宅でポカリを飲んでいると携帯電話が鳴った。
別れたみずほからだった。久しぶり声だ。
「タカシ、元気?」
「あぁ、何のよう?」
「……も、もう一度やり直さない?私、妊娠してるの。学校も辞める。タカシなら許してくれると思って」
「てめぇ、自分が淫乱女って気付いてないのか?どうせ、誰の子供か分かんねえんだろ?都合のいいこと話すな淫乱女!」
そう言うと、タカシは通話を切った。
タカシは清々しかった。
僕には、かなこちゃんがいる。幸せな事だ。
あんだけ、仲良くしても別れることを経験したタカシは白窪かなこを心から信じる事はしなかった。
でも、好きだ。タカシは葛藤した。
うわさでは、みずほは父親に殴られて、シングルマザーとして生活する羽目になった。
福祉課のひとり親家庭の相談カウンターで、タカシはみずほと目が合ったが、タカシは目線をそらし、仕事を続けた。
みずほは、自爆したのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます