第7話月曜日

映画を観た翌週の月曜日、タカシとみずほは手を繋いで登校していた。

道中、2人は喋らない。

土曜日の事を思うと、迂闊に話せないのでお互いにとても、破廉恥な事をしたと意識しているのかが、これて明々白々である。

汗ばむ身体に、みずほの胸辺りを見るとタカシは土曜日を思い出して、勃起した。

「いでっ、いでっ」

「どうしたの?タカシ」

「僕のせがれは、反抗期なんだ。ちょっと、膨らんじゃって」

と、タカシが言うと、みずほは馬鹿じゃない?と、言った。

やがて、校門になると手を話し、教室にむかう。

タカシは席に着き、期末テストに向けて、暗記物を読んでいると、あの匂いが。

米満だ。 

「杉岡君、君は大人になれたかね?」

「みっちゃん、すごかったよ」

「奥でキスしたの?」 

と、米満が興味津々で聞いてくる。


「真ん中の席でキスした!」

「何だと?」

「しかも、ディープキス」

「えぇ〜」

「おっぱい揉んで、みずほに股間触られた」

「でかした。杉岡!お前は、この村一番の出世ガシラじゃ。で、触り心地は?」

「覚えて無いんだ。3分くらい、じゃれ合って、何事も無かったように映画観た」

「次のステップだな?」 

米満はタカシの耳にささやいた。

次回はエッチしろ!と。

そして、参考資料を渡された。

「なぁ、みっちゃん、コンドームはいつ着けたらいいの?」

と、タカシは尋ねた。

「入れる前に、自然と慌てず着ければいいよ」 

「分かった」

「性交を祈る、否、成功を祈る」

「な、なんて?みっちゃん」

「何でもない」


理科の選択授業で、タカシは化学を選んでいた。因みに、みずほは生物だ。

説明は分かるが、計算すると全く違う答えになる。

また、ベンゼン環が出てくるとイヨイヨ分からなくなる。だから、放課後、数人で化学の影山先生に直接解き方を教えてもらっていた。

影山先生は、バカボンのパパみたいな顔つきで、ラグビー部の顧問だが風変わりな先生だった。

しかし、ある日、結婚した。噂によるとスッゴイ美人と結婚したそうだ。


タカシはセックスを成功に導く、エロ作戦を立てるために、エロ本を買って勉強した。


2週間後の放課後、タカシはみずほと誰もいない教室で喋っていた。

窓からは、サッカー、野球部の2年1年がプレイしているのが見える。

「なぁ、みずほ。来週、期末テストが終わったら、家に来ないか?」

みずほは、紙パックのいちごミルクを飲みながら頷く。

「どうせ、タカシは私とエッチしたいんでしょ?」

「そ、そんなんじやない。お互い産まれたときの姿になろうと思ってるんだ」

タカシは自分で何を言っているのか分からなかった。

そして、コーヒー牛乳を飲みなから、みずほの反応を待った。

「……分かった。来週の日曜日にタカシん家に行く。でも、コンドームはつけてね」

「YES!、YESYESYES!」

「じゃ、帰ろっか?」

「今日は、トリコロールのパイシュー食べようよ」

パイシューとは、パイ生地のシュークリーム。

110円。だが、結構大きなシュークリームで、甘い。生クリームとカスタードが入っているのだ。


それを店の前のベンチで食べながら、日曜日何を観るか相談した。

馬鹿な作家のトリスの、「尼ヶ坂病院殺人事件」にした。2人は小説を読んでいたから、黒井川警部シリーズは面白いのだ。黒井川警部とは、刑事コロンボみたいに倒叙推理のスタイル。

18時5分。

2人は帰りのバスに乗った。

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