第18話 カナデの装備を整えたら、ちゃっちゃと勇者を殺る為に出発だよ!!

カナデには、魔王アイテム:魔王の配下(ピアスから武器を取り出す事が出来る)転移の腕輪・レベルアップ(指輪)俊足の運動靴(靴)羽織(疲れ知らず付与)眼鏡(遠くまで見ることができる)これらを手渡した。

ただ、マントらしいマントが無かったので、白の羽織を着て貰ったが大丈夫だろう。

元々美形なんだ、何を着たって似合う。



「それで、追加のアクセサリーだがね。【命中アップ】【幸運アップ】【トラップ避け人形の指輪】【詠唱速度アップ】ってのが手に入ってる。詠唱速度アップは今の所魔法が使える奴がスライムニ2匹とアタシとピアしかいない。とは言っても回復魔法だけだが、一応保険でつけておくかい?」

「ええ、つけておきますわ」



こうして【詠唱速度アップ】をアタシとピアが着ける。

残りの【トラップ避け人形の指輪】はトッシュが着けることになった。

カナデは【命中アップ】【幸運アップ】のアクセサリーを身に着け、銃の扱いが上手くなるだろう。



「あとは巻物だね。【会心の一撃】【発狂の始まり】に【降り注ぐ恐怖】に【消えゆく足元】はカナデが使いな。対勇者対策だ、ドンドン使って生まれてきた事を後悔させてやればいい」

「分かった……正しく俺の領分だね」



だが、出来れば即戦力になって欲しい。

そこで――ダンジョンで仕入れた【スキルポイントの実】を食べて貰う事になった。

それを5粒で50ポイントだ。

スキルを割り振らせるとこうなる。


『カナデ:称号・魔王の曾孫』

【スキル弄り(敵のスキルを弄る事が出来る)】【拠点(レベルが上がると色々作れる+個数が増える】【ネットスーパー】【アイテムボックス】【鑑定】【覇気(バリアにも使える)】【一喝(相手をひれ伏せさせる)】【魔王の瞳(相手を恐怖に陥れる)】【悪魔の囁き(都合のいい言葉しか聞こえなくなる・魔王には効かない)】【発狂の始まり】【降り注ぐ恐怖】【消えゆく足元】【広範囲マップ】【重火器10】【軽火器10】【攻撃魔法10】【生活魔法7】【料理スキル7】【危険察知10】【悪意察知10】【命中10】【幸運10】【会心の一撃10】


これで30ポイント使ったことになる。

後はボチボチ上げて行けばいいだろう。

どうせ金が必要なんだ。ダンジョン攻略や冒険者を狩って行かないとねぇ?



「カナデ様、レベルはお幾つですの?」

「俺はレベル60だよ。勇者たちと同じパーティーだったからね」

「デバフが解けた今、勇者たちよりアンタの方が強いさね」

「曾婆ちゃんのレベルは幾つなの?」

「アタシはさっき勇者を殺して……あとはダンジョンボスも倒したからレベル70あるが、他の二人もそれぞれレベル上がっただろう?」



そう問い掛けると、ピアは62に上がり、トッシュは58まであがったらしい。

これなら勇者相手でも苦戦はそうはしないだろう。

するとカナデがアタシ達のレベルを聞いて眉を寄せた。



「それって、人間側の冒険者で言えばSランク冒険者並みのレベルだね」

「となると、お尋ね者になった方がいいってことかねぇ」

「いや、実際もうお尋ね者になってると思いますわ。ど派手に人々の前で勇者一行をバンバン!!」

「あはは! あれは気分が良かったねぇ!! 今頃勇者はどうしてるかね、気になるけど見れないのが残念だよ」

「それなら――」



そう言うとカナデが持っていた鞄から大きな鏡を取り出すと「勇者たちを映せ」と唱え、鏡がきらりと光ると鏡が歪んで見えた途端音声と映像が流れてきた。



『畜生何だってんだよ!!』

『アタシ達銃で撃ち殺されたの……?』

『やだもう怖い……勇者って誰も狙わないんじゃなかったの!?』

『しかもカナデの奴は連れていかれるしよおお!!』



という声と同時に3人が映し出された。

どうやらホームに返されたらしい。

自分たちの力を過信していたんだろうねぇ……辿り着いた先は王都のようだ。

綺麗に丈夫そうな盾に弾丸の痕が着いている。ザマァないね。



『普通ミスリルの盾を貫通してくるかよ!!』

『ねぇ……私達命狙われるの?』

『やだ……こわい』

『そ、早々あわねぇって!! つ、次はアッチとは反対側にあるダンジョンに行こうぜ!』

『近くのホームに登録しながら行きましょう?』

『そうそう、王都に殺されて戻ってきたなんて知られたら……恥ずかしい!!』

『ッチ、分ったよ』



ほうほう、どうやら違うエリアに行くようだね?

で、何処に行くんだい? 教えておくれぇな?


すると、勇者達は先ほどの村の反対側にあるダンジョンに行くようだ。

腕っぷしの強い冒険者が多いのだとか。

いいねぇ……腕っぷしのいいって事はレベルの高い冒険者が多いって事だろう?

良い金蔓と経験値じゃないかい?



「ここから反対側と言いますと……ドルダンジョンですね」

「ドルダンジョンねぇ。金が沢山入りそうなダンジョンだ」

「ええ、お金を結構落とすとかで金稼ぎにはもってこいのダンジョンだそうです」

「ふんふん」

「ボスは黄金の身体で出来たゴーレムとかで、攻撃が殆ど通用しないんだとか」

「へぇ……」

「魔法でも余り……と言う話です」

「そいつのスキルは弄れるのかねぇ?」




そう言えばピアとトッシュはカナデを見つめ、カナデも自分のスキルを思い出したようで「スキル弄りか」と口にした。

ダメ元で行ってみるのもアリだろう。

最悪ロケットランチャー全員でぶち込むという力技もある。

金塊が勿体ないが、落とす金貨も金塊も凄いだろうしねぇ。ヒヒヒ!!



「じゃあサクサクッと行こうかね! 運転はアタシがしてあげるからアンタ達は後ろでくつろいでな」

「我、運転したい者成り!!」

「休憩する時は運転変わって貰うよ」

「了解した!」



こうして仮拠点から出るとハイエーナのキャンピングカーを出して中に全員入ってからドアを閉めてアタシの隣にはタリスとトリスが助手席に座っている。

運転技術を学習したいらしい。



「そんじゃドルダンジョンで、ど派手に経験値を稼ぐよ!!」

「「「お――!!」」」

「あ、カナデにこいつを渡してきておくれ」



そうトリスにアイテムボックスから金貨の入った財布を取り出すと、助手席から移動して曾孫に渡して来て貰った。

すると――。



「曾婆ちゃんこの金貨の山は?」

「アンタ、ネットスーパー使えただろう? 金貨を2~3枚入れてお菓子と飲み物でも買って寛いでな」

「ありがとう……」

「偶にはあっちの食べ物も恋しいだろう」

「うん、かなりね!!」



行方不明になった頃よりやせ細ったカナデには、しっかり食べたい物を食べて飲んで、元の体系に戻って貰わないとねぇ。

こうしてアタシはスピードを出してドンドン舗装もされていない道を進んでいく。

道は広い為馬車も通るが、アタシの荒い運転は相変わらずだ。

馬が驚いてトンデモナイ事になってる所もあったが知った事ではない。



「さぁさぁ道を開けな――!!」



その後3回程拠点で休む事にはなったが、アタシ達は無事ドルダンジョンのあるドルの町に到着したのだった。





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