見てはいけないものを見てしまった

烏の人

この前の話

 唐突だが、私は俗に言う『見える』タイプだ。何ならその辺の有象無象くらいであればどうとでもなる。

 そんでもって、タイトルにもある通りついこの前起きた話をさせてもらおうと思う。

 眠る前、ふと、ある風景が浮かび上がった。そこは私もよく見知った場所であり、何度か伺ったことのある一軒家であった。

 その家の裏庭とおぼしき風景が映り、次の瞬間、シートか何かが剥がれる様が見えた。瞬間、端的に恐怖した。「あ、死ぬ」と本気で思った。


 触らぬ神に祟りなしと言うことでもう気にしないようにしているが、率直な感想あれは無理だ。可哀想だと思うが手の施しようがない。

 私の感覚上、そこら辺の有象無象であればカメムシ位の嫌悪感でしかないが、あれを見たときの衝撃は熊に出くわしたときとそれだった。

 あの場所自体、嫌ななにかは感じていたもののあんなものがあるとは知らなかった。

 現にこれを綴っている今、嫌に体が重く呼吸が苦しい。

 怨念だとかと言うよりも、呪いに近いなにかなのではないだろうか?或いは、例えは悪いが死体でも埋まってるんじゃないか思えるほどにあれは不味い。

 あれが家に入ってきた暁にはまともな死に方は出来ないだろう。

 まぁそれだけの話だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

見てはいけないものを見てしまった 烏の人 @kyoutikutou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ