第8章「ベッド作戦」

ドアが開き婦長が入ってきました。


「また何か御用ですか?」


婦長はまた呼び出されたことに不満があるのかふてくされて不機嫌です。


私は婦長に計画を説明しました。


面倒くさそうにぶつぶつ言いながらも、婦長がベッドをどこからか持ってきました。

そして隣に新しいベッドを置くと、若い看護婦を呼び二人係で私を抱き上げ移動しました。

痛みが全身を駆け巡り脂汗が出ましたが、そんなことよりも自分の命が大切です。


そしてロッカーから離れた壁際にベッドを移動してもらいました。

そして看護婦に構いもせず、私は昼に電話で事情を説明し母からもらったお札を、新しいベッドの枕元に貼り付けました。そして清めの塩をベッドの四隅に置き結界を作りました。


これで私の新しいベッドは男から見えないはずです。


ロイド眼鏡の男はお気に入りのベッドで眠れ、私も自分のベッドでゆっくり眠れるという名付けて「ベッド作戦」です。


同じ部屋で亡霊と寝るのは嫌ですがこれ以外方法はありません。


婦長はナースコールを新しいベッドにセットして言いました。


「これで気が済みましたか?」


いちいち物言いが気に障る婦長(ババア)です。文句の一つでも、と思いましたがぐっとこらえて、「ありがとうございます。深夜にすみません」と礼を言いました。


枕元の蛍光灯スタンドを点け部屋の電灯は婦長が消しました。


誰もいなくなったその時、蛍光灯スタンドが突然消え再びロイド眼鏡の男がロッカーに現れました。


そして……

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