第17話 ホラゲー配信5

「良かった、和葉ちゃん突然意識失っちゃったかと思っちゃった。」


「私はそんな病弱じゃないです。はやく続き進めるよ。」





 スズーたちは[???]とサメ? から逃げ切った。

 ここがどこなのかは分からないが、ひとまず安心できそうな場所にいた。

 血のような赤い何かがそこら中に飛び散っているが。


「道が左右に別れてるね···るいちゃんどっちから行く?」


「うーん、右!!!」


 右に進もうとしたが、4桁の番号でロックが掛かっており、進むことができなかった。


「じゃあ左に進もうかるいちゃん。」


「やだ、正面にも進めるからそっち行く。」


 正面には水が1面に広がっており、とてもじゃないけど進めそうになかったが、右にもう1つ扉があった。

 しかし逆張りが好きなので結局戻り、左に進んだ。


 左に進むと、そこには4つの水槽に一匹づつ魚が入っていた。

 1番右の水槽を調べてみると


『左の水槽を心配そうに見つめている。』


[スズー]

『あっち(左)の魚は元気がないのか。』


 右から2番目の水槽を調べてみると


『左の水槽を心配そうに見つめている。』


[スズー]

『あっちの魚は元気がないのか。』


 右から3番目の水槽を調べてみると


『左の水槽を心配そうに見つめている。』


[スズー]

『あっちの魚は元気がないのか。』


 1番左の水槽を調べてみると


『泳ぐ元気のない魚がいる······』


[スズー]

『大丈夫かこいつら。』


「何だこれ? 謎解きに関係しそうな事しか分かんないや。」


「やったねるいちゃん、ようやく東大に余裕で合格出来る力(笑)を発揮する時がやってきたよ。」


「ま、まあ、僕にかかれば、こ、こんな謎解きなんか3秒で全てを理解出来ちゃうし。」


「···3···2···1······0、さあるいちゃん、謎解きの答えをどうぞ。」


「元気のない魚がいて、他3匹は元気。ということはその1匹を元気にすればいいんだよね。その1匹を元気にするために、他3匹を共食いさせればその1匹は元気になるよね。どう? 僕の全く非の打ち所のない完璧な推理は?」


「···うん······はやく右の扉に入って次に進もうか。」


「なんで!」


:血みたいのが···

:この血···浅い···

:↑黙れ

:るいちゃん謎解くより10の4乗通り試した方がはやそう

:全て逆選ぶやんるいちゃん

:スズー辛辣で草

:すごいねるいちゃん、謎解きに関係してそうな事も分かっちゃって

:来るぞ天才の推理が

:↑天才(⑨)

:?

:は?

:え?

:るいちゃん············

:やっぱり義務教育受け直した方がいいかもしれん





 もう1つの扉を開け入ってみると、壊れた車椅子が乱雑に散らばっており、タンスやロッカー、本棚などもなぜかあった。

 

「うーん······謎解きのヒントがあると思うし、片っ端から調べよう。」


 まず本棚を調べて見ると


『魚のえさが入っているようだ。』  


『魚のえさを取りますか?』

はい←

いいえ


『魚のえさを手に入れた。』


「あ、このえさを元気のない魚に与えればいいのか。」


「すごいね、さすがIQ200。」


「和葉ちゃん流石に僕を舐めすぎ。」


「私はるいちゃんを舐めたいけど···」


「えー、あー、他にも調べるとこ沢山あるし急がないとなぁ。」


:何かこの部屋汚いな、私の部屋みたい

:魚のえさきた

:お、よく分かったるいちゃん、偉い

:るいちゃん馬鹿にされすぎてて草

:???

:舐める(物理)

:セクシャルハラスメントさん!?

:普通にセクハラするの草

:何か前にも同期からセクハラされてたなるいちゃん






 次に2つあるロッカーを調べてみると


『掃除用具が入っているようだ。』


『掃除用具が入っているようだ。』


「なぜ2つともに掃除用具が入っているのか、絶対1つでいいのに···」


「まあゲームだし(適当)。」


 最後に4つあるタンスを調べてみると


『警備員用の銃がある。』


[スズー]

『······持ってく?』


『どうやら弾が入っていないみたい。』


[スズー]

『······んじゃまぁ···意味ないか。』




[スズー]

『うーん···イルカショーの道具? ぐらいしか入ってない···』


[スズー]

『(なーんか使えそうな物ないかな~···)』




『ダイビング用のスーツが入っている。』




『黒のコーチジャケットが入っている。スタッフ用のジャケットみたいだ。』


[スズー]

『めぼしい物はないか···』


「うーん、とりあえず共食···じゃなくて魚のえさを与えてみるか。」


『泳ぐ元気のない魚がいる······』


『水槽の上に隙間がある。えさをあげますか?』

はい←

いいえ


『さかなが元気になった!』


[スズー]

『···よかったね。』


[スズー]

『ん? なにしてるの?』


『さかなが水槽の底の石を並べ始めた。』


『4』


 他の水槽でも···


『なんだかうれしそうだ。』


『水槽の底に石が並んでいる。』


『5』


『4』


『4』


「···4544、4544だよ、4544!5が4だったらぞろ目だったのになぁ。」


「4桁の数字だけで盛り上がりすぎだよるいちゃん。」


:和葉ちゃん困ったらゲームのせいにするの草

:↑いやるいちゃんが無自覚に困らせてるのがいけないかも

:銃!?

:銃刀法違反ですよ

:普通にタンスの中に銃あるやん、弾入ってないけど

:↑まあゲームだし(適当)

:うおおおおおぉぉぉぉぉ

:るいちゃんが謎を解いた···だと······

:↑明日は地球崩壊の日か···今まで楽しかったな···

:↑だからるいちゃん馬鹿にされすぎてて草

:るいちゃんかわいいよ





 ロックの掛かった扉に『4544』と入力してみると、ガチャという音がなり、ロックが解除された。

 部屋に入ってみると、そこにいたのは元気そうに泳いでいる2匹のイルカであった。


[スズー]

『···イルカだ。···』


[スズー]

『···私はなにも持ってないよ。』


 イルカが遊んで欲しそうにこちらを見つめている。


[スズー]

『···もしかして、遊びたいの?』


[スズー]

『そうは···いってもな···どこかに遊び道具とかないかなぁ···』


「遊び道具···あ、ロッカーに入ってたね。」


「そうだね···」


「「イルカショーの道具のボールが···/弾の入ってない警備員用の銃が···」」


「······え? 和葉ちゃん??? 怖いよそれは······」


「イルカショーって弾の入ってない銃をイルカの頭に突き付けて、反応を楽しむショーの事じゃないの?」


「······························」


「あ、黙っちゃった。流石に冗談だから安心してね。怖がるるいちゃんが見たくて少しからかっただけだから。」


「(和葉ちゃんが言うと冗談に聞こえない······)」


「あー、いま絶対失礼な事思い浮かべてたでしょ!」


「イヤ、ソンナコトナイヨ(棒)。」


「うーん、今回も見逃してあげるけど···るいちゃん、分かりやすすぎるからもう少し気を付けた方がいいよ。」


「はーい、はやく先に進むよ。」


:イルカちゃんだ

:かわいい

:ホラゲーとは???

:るいちゃんがサクサク進んでいる···だと······

:??????????

:和葉ちゃん?

:いなばん、もしかしなくてもサイコパスタ?

:何だ~冗談か~とはならないよ和葉ちゃん?

:かわいい2匹のイルカしゃんが······とあるvtuberの手によって······

:ホラゲーよりもホラーだろこれ





 壊れた車椅子が散らばっている部屋のタンスからイルカショー用のボールを入手し、再び2匹のイルカがいる部屋に戻った。


『イルカが泳いでいる。』


『持っているボールを渡しますか?』

はい←

いいえ


[スズー]

『えいっ。』


 イルカにボールを渡してみると、キュウキュウと鳴き声をあげながら嬉しそうにボールで遊んでいた。


[スズー]

『···ふぅ、これで遊んでなよ。』


「え? これだけ? 詰んだ?」


「とりあえずこの部屋から出てみればいいんじゃない。」


 イルカが元気よく遊んでいる部屋から出てみると、

部屋の外からイルカの鳴き声が聞こえてきた。


「部屋の外からイルカの鳴き声が···は!まさか······」


 イルカが元気に遊んでいた部屋に戻ってみると、そこには銃弾に撃ち抜かれた跡がある2匹のイルカの死体······ではなくイルカがボールを残していなくなっていた。


「イルカしゃん······どうして······和葉ちゃんもそこまでしなくても······」


「何かもの凄い勘違いしてない? るいちゃん自分で「部屋の外からからイルカの鳴き声が···」って言ってたじゃん。」


「あ、そうじゃん。イルカしゃんの鳴き声聞こえてきたじゃん。和葉ちゃん疑ってごめんね。」


「うん分かった絶対に許さない。」


「なんで!なにもわかってないじゃん!」


「今回のコラボでオフコラボの時にポッキーゲームする約束取り付けたし、今回はそうだなぁ······オフコラボの時に王様ゲームしようか、私と。」


「和葉ちゃんとオフ王様ゲーム? 2人で?」


「そう、2人で。」


「2人でって······王様ゲームは2人でやるゲームじゃないよ。」


「細かい事はどうでもいいからやるよオフ王様ゲーム!ちなみにるいちゃんに拒否権はないからね!はやく先に進むよ。」


「(あ···また話逸らされた······)」


:イルカはいるかw

:???

:は?

:帰れ

:自分の存在意義を考えろ

:!!!

:イルカが···いない······

:和葉ちゃんまじか······

:[悲報]とある大手企業所属vtuber、イルカ2匹を射殺してしまうwwwwwwwwwwwwwww

:↑草を生やすな

:王様ゲーム!オフで!2人で!

:男女2人きり、オフ、王様ゲーム、何も起きないはずがなく······

:るいちゃん、いい奴だったよ······





 イルカの鳴き声がした正面方向に進んでみると······


「ここは水一面で覆われてたはず···って、イルカしゃんがいる!」


[スズー]

『あ、もしかしてさっきのイルカ···?』


[スズー]

『一体どうやってここまで···』


[スズー]

『さっきのプールの底と繋がってるのか。』


[スズー]

『ほら、渡したボールで遊んでなよ。』


 ······イルカ2匹は動こうともしない。


[スズー]

『もしかして···「背中に乗れ」って言ってるの···?』


[スズー]

『···渡れなくて困ってたしお願いしようかな。』


[スズー]

『ありがとう乗せてもらうよ。』


 スズーとリリはそれぞれの背中に乗り、何事もなく渡りきる事が出来た。


[スズー]

『···ふぅ。』


[スズー]

『(落ちなくてよかったー···)』


[スズー]

『助かったよ、じゃあね。』


「ああ···イルカしゃんまたどっかいっちゃった。」


「はやく先に進も、このままじゃ終わらないから。」


「え? そんなに遅いの? これ?」


「まだ序盤も序盤だよ。このままのペースだったら6時には終わるかな···朝の···」


「え??? 僕の睡眠時間がぁ············」


:イルカはいたわw

:?

:は?

:帰れ

:波乗り

:波乗りを覚えたイルカか

:和葉ちゃん、2回も銃殺しなくても······

:↑イルカがいなくなったらとりあえず和葉ちゃんが○した事にするの草

:6時w

:るいちゃん明日学校あるとか言ってなかった? 大丈夫? 私のおっぱい飲む?

:↑いやるいちゃんは私のおっぱい飲むの!

:↑いやいやるいちゃんは私の物だから私のおっぱい飲むの!

:↑とりあえずこいつ○す?

:↑いいね

:何だこのコメント欄······(困惑)






------------------------------------------------------------------------------------

 次回もホラゲーの続きです。

 お楽しみに! 


 まじでこのままのペースだと20話越えてしまうので大幅カットになるかも、あとリリとの会話もいれると長くなりすぎるので基本的には黙ってもらってます。

 

 ちょくちょく投稿を再開していきます(しかし相変わらずストックは0)


 あとタイトル変更とこれまでの話を読みやすいように修正しました。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る