第15話 ホラゲー配信3

スズーたちは気づいたらとんでもない場所にいた。


あれだけ綺麗で輝いていた水槽が、今では真っ赤に染まっており、水槽にあったサンゴなども枯れていた。

地面は赤く染まっており、所々にヒビ、酷い所では完全に崩壊していて、人が通れなくなっている場所もあった。


"地獄"という言葉が最も似合う場所であり、ここは地球ではない、もう1つの世界線である、と言われる方が納得出来てしまうような場所に、いつの間にか来てしまっていた。


[スズー]

『·····!!!』


[スズー]

『どこ···ここ···!』


[リリ]

『う~~私たちどうなっちゃうの?スーちゃん、無事に帰れるかな。』


[スズー]

『大丈夫、リリは私が何としても守るから。』


[リリ]

『ス~~~ちゃ~ん。』


[スズー]

『ちょっとリリ、急に胸元に飛び込んで来ないでよ。』


[リリ]

『スーちゃんの胸、とっても安心する、もう少しこのままでもいい、かな?』


[スズー]

『(そんなこと言われたら断れないじゃん。)』


[スズー]

『いいよ、安心するまでここにいて。』


[リリ]

『スーちゃん優しいね。』


[スズー]

『(·····長すぎない?もう30分はたってると思うけど。)』


[スズー]

『リリ?そろそろ先に進まない?』


[リリ]

『む~~私はもう少しこのままでも良かったけど、スーちゃんがそういうなら先に進む。』


「···ちゃん、·····るいちゃん、聞こえてる?」


「はっ!!!和葉ちゃん聞こえてるよ。」


「いや絶対聞こえてなかったよね、もしかして怖すぎて気絶しちゃってた?」


「そ、そんなわけないし、ホラゲーなんて怖いわけないし。」


「じゃあ、ね、スーちゃんとリリちゃんはどんな会話してた?」


「野菜は人が食べるように作られてない、って話だよね。」


「それはただるいちゃんが野菜嫌いなだけでは?正解は、スーちゃんとリリちゃんのいちゃいちゃが映し出されてました。」


「へぇー、ホラゲーなのに?」


「そう、るいちゃん、悔しくない?」


「え?別に悔しくないけど。」


「悔しいよね?」


「いや、悔しくはないけど。」


「ただ他人のいちゃついてる所を見てるだけとか、悔しいに決まってるよね?ね?ね?」


「あ、はい、悔しいですね(棒)。」


:!?

:始まったな

:真っ赤やん

:急に怖くなった

:流れ変わったな()

:でもるいちゃんの叫び声の方が怖かったよ

:あ、

:スズー、それフラグや

:死んだな(確信)

:でたてぇてぇ

:いや絶対聞いてなくて草

:でた謎のプライドが高いるいちゃん

:野菜嫌いすぎだろ、トマトだけじゃないのかよ

:るいちゃん野菜まじで食べなそう

:悔しくない?(圧力)

:悔しいよね?ね?ね?(謎の圧力)

:あ、遂に折れた

:嫌な予感しかしない


「るいちゃん、"す"で始まって"き"で終わる5文字の言葉は?」


「いや、ホラゲーの続きやらないといけないし。」


「ホラゲーなんてこの後いくらでも出来るよね?クリア出来るまで終われないから、別に今やるのか後にやるのかの違いだけだよね?」


「はあ、分かったよ、"す"で始まって"き"で終わる5文字の言葉かぁ、す、す、ストライキ!」


「ねぇ、るいちゃんって、もしかして深い闇抱えてたりする?」


「え?なんで?」


「いや、最初に浮かんだ言葉が"ストライキ"って、普通の人は浮かばないと思うけど、じゃあ4文字は?」


「うーん、す、す、ステーキ」


「るいちゃん、野菜もちゃんと食べないと駄目だよ。」 


「やだ、地球が滅んでも野菜は食べない、てか和葉ちゃんは僕のママかなんかなの?」


「私はるいちゃんの母でもいいけど、るいちゃんってママ呼びなんだ。可愛いね。」


「·····はやく、和葉ちゃん、はやく次!」


「るいちゃん照れちゃってる、じゃあ3文字は?」


「うーん、す、す、須恵器。」 


「るいちゃん、もう少しまともなのは無いの?」


「え、僕はまともだけど。」


「はいはい、じゃあ2文字は?」


「うーん、す、す、すき、って、あ。」


「わたしもすっき!」


「·····僕は別に好きじゃないし。」


「もー、るいちゃん照れちゃって、素直になってもいいんだよ?」


「別に照れてないし、もう本当にデザインあ、って感じだし。」


「それはどういう感情なの?」


「あー、はやくホラゲーの続きやるよ。」


「話逸らされた、まあるいちゃんから好きって言ってもらえたし、いっか。」


:始まったな

:ゲーム中も百合でこっちも百合(?)か

:百合には百合(?)で対抗するの草

:色々ありそうなのにストライキ(笑)

:ストライキなの草

:和葉ちゃん心配してて草

:初手ストライキは流石に心配になる

:素敵なすてーき

:は?

:帰れ

:寒くなってきたな

:るいちゃん野菜に親○された?

:須恵器草

:これでまともだと思ってるのやばいよるいちゃん

:来るぞ

:あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"

:言うまで気付かないのがまたいい

:るいちゃんに好きって言われてちゃった、、、

:てぇてぇ(n回目)

:ツンデレるいちゃん

:デザインあ懐かしい

:また逃げたなるいちゃん


「るいちゃん、何か落ちてるよ。」


『顔だけ真っ黒に塗りつぶされた写真が落ちている。』


「···なんだ、これだけか、ぜんぜん余裕じゃん」


「強がらなくていいんだよ、るいちゃん。」


「あ、青い亀がいる、これ話しかけていいの?」


「それセーブ出来るから話しかけていいよ。」


[縺九a]

『縺ゥ縺?>縺?%縺ィ縺?繧阪≧』


「セーブ出来たけど、セーブするたびにこの文字化け見ないといけないの?」


「うん、頑張ってね、るいちゃんなら余裕でしょ?」


「よ、余裕にき、き、決まってるじゃん、今のはちょっと字が読めないと思っただけだし。」


「はい、言い訳はいいから、はやく次に進もうね。」


:顔だけ真っ黒?

:闇だらけ

:るいちゃんの闇がゲーム中にも影響してるのか

:亀さん、、、

:文字化けしてる

:怖くなってきたな

:言い訳(笑)

:言い訳していいわけ

:は?

:帰れ

:黙って配信見てろ






亀がいた所から次に進むと、女の子が倒れていた。


「えぇ?この子水族館見てる時にぶつかった子じゃん、名前は"トエ"だったかな、どうしてここに。」


[??]

『う···縺ィ縺ヲ繧···痛い···です···』


[??]

『だれか···縺ゥ縺 縺ゅ?縺···どこ···』


[スズー]

『···!!!』


[スズー]

『君、もしかしてさっきの···!なんで血だらけなの···!』


[スズー]

『それにこの足···』


[スズー]

『(人間の···足じゃない···)』


[??]

『だ···誰かいるの···何もみえ···ない···』


[??]

『痛い···痛いよ···』


「トエちゃん、どうしてこんなことに、、、」


「るいちゃん、驚かないんだ、つまんないの。」


「僕が驚くわけないじゃん。」


「先が楽しみだね、るいちゃん。」


:!?

:あ

:え

:トエちゃん?

:えええ

:こっわ

:痛そう

:和葉ちゃんにこにこでワロタ

:和葉ちゃんサイコパス?それともるいちゃんが驚くの期待してる?


「はぁ、ここは何にもなさそうだね、良かった。」


「(本当に何にもないのかな?るいちゃん。)」


道の途中まで進むと、急に"ドン"という音が連続で響き渡り、壁に血のような赤い字で"たすけて"や謎の記号が浮かび出した。


「う"わ"あ"あ"ぁ"ぁ"、え、なになに、助けて、何でもするから誰か助けてよぉ。」


「るいちゃんびびりすぎ、てか今何でもするって言ったよね?」


「言ってないですけど。」


「でも今、るいちゃんが泣きそうになりながら"何でもするから誰か助けてよぉ"って叫んでたよね?」


「僕が叫ぶわけないですけど。」


「急に冷静になられても、今回だけは無かったことにしておいてあげる。」


:!?

:!???

:こっわ

:ひぇ

:うわぁ

:おーこわいこわい

:16連打、フルコンボだどん

:るいちゃんの叫び声の方が怖いわ

:るいちゃん何でもするって

:何でもしてもらえるのか、ふへへ、

:↑変なこと想像してるだろ






先に進むと真っ赤な水槽が5つあり、その1つに覗いてくださいと言わんばかりに、矢印が指されていた。


『········』


『覗きますか?』

はい

いいえ←


「なにいいえ押して逃げようとしてるの?はい押さない駄目だよ?」


「いや別に押さなくても進めるし、変なこと起こるの分かってるから押さなくて良くない?」


「良くない。」


「分かったよ、押すよ、てか押すまで進ませないつもりだったでしょ。」


「お、よく分かったねるいちゃん、偉いね、」


『········』


『覗きますか?』

はい←

いいえ


『本当に?』

はい←

いいえ


覗いて見ると、そこには真っ赤な所で泳いでるクラゲのようなのが映し出されていた。


「これだけか、ホラゲーもこんなもんか。」


その画面のままでいると、強制的に元の画面に戻され更にもう一度覗かされて、そこにはこちらを睨んでるような大きな目が映し出されていた。


「き"ゃ"あ"あ"ぁ"ぁ"、え"ぇ"、え"、え"、は"ぁ"、なに今の!?」


「だからるいちゃんびびりすぎ、私よりびびりな人見てると安心してくるなぁ。」


「和葉ちゃん?こうなること分かってたよね?なんでわざわざ覗かせたの?」


「え?そっちの方が面白いじゃん、るいちゃんの叫び声聞けて。」


「···はあ。」


:明らかに怪しすぎる水槽

:覗きますか?

:いいえ押すのはやすぎだろ

:結局覗かないといけなくなって草

:くる

:本当に????

:本 当 に ?

:!?

:うわぁ

:👁️

:👁️

:怖

:なんだただの気のせいか

:自分の目が反射しただけじゃね(適当)






その後のるいちゃんは、全てに驚きながら何とかして進んできた。


これが配信者という物なのか?


視聴者にとってホラゲーよりも、るいちゃんの叫び声の方が怖いことは言うまでもない。


「長い廊下みたいな場所に来たら、急にbgm止まったけど、これ絶対何か起こるのよね?」


「さあ?どうだろうね。」


「教えてくれてもいいじゃん。」


「教えるとるいちゃんの叫び声が小さくなるから駄目。」


「·····長くね?いつまでたっても終わりが見えないけど。」


長い廊下を歩いていると、前から来た何かとぶつかってしまった。


[???]

『こんな辺鄙な場所に客とは···驚いた。』


[???]

『···一体どうやって入ってきた。』


[???]

『···抵抗したら殺す···私の質問に答えろ。』


見上げてみると、そこには真っ白で美しい髪、軍人のような服、これ程までに"かっこいい"という言葉が似合う人はいないといえるほど、かっこいい女性がこちらを見つめてきていた。


[???]

『誰だ···貴様は···』


「かっこいい人来た、え?edみたいなの流れたけど、これで終わりだよね?」


「るいちゃん、それedじゃなくてop。」


「え?」


:不穏だな

:絶対何か起こるな

:長い廊下は何か起こるって決まってるから

:お

:びっくりした

:物騒だな

:え?

:かっこいい

:かっこよ

:草

:今のopか

:え?




------------------------------------------------------------------------------------

次回もホラゲーの続きです。

これから段々と面白くなってくると思います(多分)。

お楽しみに!


ささ恋1話見た影響で百合(?)要素が入っています。

流されやすいな、まじで。













  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る