第14話 ホラゲー配信2

「適当な返ししないの、今日は長くなりそうだから早速始めようか。」


「わ~い、楽しみ、面白そう(棒)。」


こうしてるいちゃんのホラゲー耐久配信が始まるのであった。





ゲームがスタートとすると、錆びれていて、何処となく奇妙な雰囲気の病院に、今回操作する主人公であろう青い髪をした女の子が立ち尽くしていた。


「もう怖いのるいちゃん?全くるいちゃんは怖がりだなぁ。」


「こ、怖がりなんかじゃないし、こ、これくらい全然余裕だから!」


:うおおおぉぉぉ

:遂に始まってしまったか、、、

:これが怖かったらこの先どうなるんだよ

:滅茶苦茶動揺してて草

:オワタ/(^o^)/


病院の102号室に入ると、そこには2枚の水族館プレミアムチケットが机の上に置かれていた。


どうやら主人公の名前は"スズー"と言うらしい。


102号室はスズーの友人が入院していた部屋であり、

友人の病気が悪化し、亡くなってしまった。

亡くなってしまったか友人が、せめてもの恩返しとして、このプレミアムチケットをくれた。


スズーは亡くなってしまった友人に感謝し、思い出しながら、もう1人の友人である"リリ"に連絡をして、

水族館に向かった。


あれ?亡くなってしまったから分からないが、プレミアムチケット3枚じゃなかったっけ?

1枚どこ行っちゃったんだろう?





[リリ]

『ス~~ちゃん~~~』


[スズー]

『·····ごめん、ボーっとしてた···』


[リリ]

『もしかして10年前に海で溺れた時のこと思い出してた?』


[スズー]

『そんなことないし。』


[リリ]

『スーちゃん冷たいよ、そういえば、このプレミアムチケット、スーちゃんの亡くなってしまった友人からもらったんでしょ~?』


[スズー]

『そうそう、いつものあいつから、もういなくなっちゃったけど。』


[リリ]

『悲しくなること言わないの!』


[スズー]

『久しぶりに怒られちゃった。』


[リリ]

『今日は亡くなってしまったあの子のためにも、たくさん楽しまないとね。』


[スズー]

『···そうだね。』


[リリ]

『水族館楽しみかも~、早く入ろう入ろう~』


[スズー]

『········う、うん。』


「何だ、全然怖くないじゃん、和葉ちゃん、嘘をつくのは良くないと思うよ?」


「そんなこと言ってられるのも今のうちだからな。」


「和葉ちゃん何か言った?」


「いや何も言ってないよ。」


:綺麗

:かわいい

:雰囲気めっちゃいいな

:何だ全然怖くないな(棒)

:↑わざわざフラグを立てるな

:仲いいな

:キャラかわいい

:今のところ、ゲーム中の2人の百合とバーチャルな2人の百合しかないが、癒されるなあぁ

:↑るいちゃんは男の娘だから百合じゃないよ

:↑お前は何言ってるんだ、るいちゃんは女の子だろ()


「あ、るいちゃん、操作方法の確認出来るからしておいてね。」


「ん、分かった、ん?···········何でホラゲーなのにダッシュが存在してるの?」


「さあ?何でだろうね、確認終わったら受付にいってね。」


[クリシア]

『こんにちは、ビヤンカ水族館へようこそ』


「ねえ、和葉ちゃん、本当にこの人が受付嬢なの?」


「そうだけど、どうしたの?」


「·····この人が受付嬢やってて大丈夫?警察に捕まらない?見た感じ13歳ぐらいの女の子だけど。」


「まあゲームの世界だし大丈夫でしょ(適当)。」


:操作確認する程か?

:あ、、、

:ダッシュw

:かわいい子いるな

:ロリきたあー

:この子が受付嬢だったら毎日水族館行くわ

:↑やめろストーカー

:確かに言われて見れば、こんな若い子が働いてるのやばいな

:↑少子高齢化が進んでる世界なんだよ(適当)


[クリシア]

『チケットはお持ちですか?』


[スズー]

『あ、はい。』


[クリシア]

『プレミアムチケット···!お客様珍しいものをお持ちなんですね。』


[スズー]

『珍しいものなんですね。』


[クリシア]

『そうですね、プレミアムチケットをお持ちの方は特別サービスがつきますわ。』


[クリシア]

『そして館長の妻である、わたくし、クリシアが専属で水族館をすみずみまでご案内いたします。』


「うん?今クリシアさんから"妻"と言う単語が聞こえたんだけど、気のせいだよね?和葉ちゃん?」


「うーん、私も初見は驚いたけど、気のせいじゃないよ。」


「この見た目で?この見た目で結婚してるの?こんなかわいい子が結婚してたら警察どころじゃないけど、もし結婚してたら犯罪越えて、死刑判決越えて、ギロチンだけど。」


「まあゲームの世界だし大丈夫でしょ(適当)。」


「ねえ、和葉ちゃん、僕分かっちゃった、このゲームの全てが。」


「へえー、何が分かったの?」


「クリシアさん悪い人だよね?だって13歳結婚するのですらやばいし、それを許可した親もやばいし、この親の育てられたクリシアさんはどんなに悪い人なんだろうか、こんな若い年齢で館長と結婚して、何が目標なんだろう?やっぱり心の中ではお金が1番とか思ってるのかな?」


「あー、はい、完璧な推理ですね(棒)。」


「和葉ちゃん、もう悪役分かっちゃったから終わっていいよね?」


「逃げたらどうなるか分かってるよね?」


「わからない!!!!!!」


「逃げたら私とオフコラボの時に、大人なキスをして、"和葉、大好き"ってささやいてもらうけど。」


「すんませんまじ勘弁して下さい。」


「分かればよろしい。」


:すごーい、ぷれみあむちけっとだ

:?

:人妻?

:人妻うおおおぉぉぉ

:るいちゃん現実を受け止められてなくて草

:死刑を越えるとギロチンになるのか(困惑)

:まあゲームだもんね

:るいちゃん「全てを理解した。」

:は?

るいちゃん急に語りだしたけど

:るいちゃんの推理完璧すぎたな(笑)

:本日4回目の逃げ

:またいちゃついてるなこいつら

:百合ゆりしてきた





スズーたちは、クリシアさんにプレミアムチケットを差し出し、クリシアさんはビヤンカ水族館を1つ1つ丁寧に案内してくれた。


スズーは久々にリリと遊びに来て、水族館を全力で満喫していた。

水族館を楽しんでいると、スズーの20倍はある水槽に、魚が一匹も入っておらず、ただ水だけが取り残されている不思議な水槽を見つけた。


[スズー]

『···(何もいない水槽?)···なんで?』


[クリシア]

『···こんな大きな水槽なのになぜ一匹も生き物がいないのか、疑問に思いますよね。』


[クリシア]

『···ふふ、何もいない水槽も雅だと思いませんか、スズー様。』


[スズー]

『(はぐらかす気か。)』


[クリシア]

『···以前、ここにはビヤンカ水族館の人気を、取り戻してくれた生き物···言い方を変えれば、ビヤンカ水族館の命の恩人が暮らしていたのです。』


[スズー]

『···命の恩人。』


[クリシア]

『サメです、ジンベイザメ。』


[スズー]

『へぇ···』


[クリシア]

『サメを展示する前は、周りの新しい施設にお客様が流れてしまい、ビヤンカ水族館は廃館の危機を迎えてました。』


[クリシア]

『そんなある日、館長が目の前の海で傷だらけになっているサメを、見つけたのです。』


[クリシア]

『館長は"天からの贈り物だ"と言い、このビヤンカ水族館で飼育、展示することに決めたのです。』


[クリシア]

『しかし、水族館でジンベイザメを展示するのは、当時世界でもほとんど類を見ないほど珍しいことでした。』


[クリシア]

『試しに展示してみたところ大好評だったんです。』


[クリシア]

『ジンベイザメが町中の話題となり、お客様が一気に押し寄せたのです。』


[クリシア]

『その結果、経営は回復···水族館を存続することができました。』


[クリシア]

『ジンベイザメがいなかったら···ビヤンカ水族館も、私も···もういなかったでしょうね。』


[スズー]

『···クリシアさん···そのサメは、今どこに···』


[クリシア]

『ふふ···生きてるか、それとも亡くなってしまったか···どっちだと思います?』


[スズー]

『(この人、意地悪だ···)』


[クリシア]

『ふふふ···冗談ですわ、まだ生きてますよ、事情があって水族館の裏で管理しているんです。』


[スズー]

『(···とっつきにくい)』


[クリシア]

『この不思議な水槽の謎も済んだことですし、私は少し調子が悪いので、お花を摘みにいってきますわ。』


[クリシア]

『スズーさん、リリさん、先に進んでていいですよ、私は後から向かいますので。』


[スズー]

『分かりました、先に進もうと思います。』


[リリ]

『スーちゃん、まだまだ楽しもうね。』


[スズー]

『···そうだね、あとなんで何も話さなかったの?』


[リリ]

『···ん、水槽に取り残されてた水見てた。』


[スズー]

『(やっぱ不思議な子だな。)』


「和葉ちゃん、何か喋ったら?配信者なのに無言なのは1番良くないよ。」


「人と話すのが嫌すぎて、コラボから逃げようとしたのはどこの誰かな?」


「それは反則!話聞いてたら悲しくなってきちゃって、話せなかっただけだから!」


「へぇー、言い訳うまいね。」


「言い訳じゃないし、てか和葉ちゃんいつになったら怖くなるの?もしかしてホラゲーじゃなくて感動系のゲーム持ってきちゃった?まあ和葉ちゃんもクリア出来た訳だし、僕がクリア出来ない訳ないよね。」


「煽ってられるのも今の内だよ、もう少ししたらるいちゃんの悲鳴が、、、」


「うん?何か言った?」


「ナンデモナイヨ。」


:でっか

:でっっ

:何もいない?

:見えないだけで実はいたりする?

:ジンベイザメ

:嫌な予感しかしない

:サメ飼育難しいからね、しょうがないね

:私も?

:"わたしも"ここ重要···な気がするだけ

:2人で進むのも嫌な予感しかしない

:配信者が無言なのは駄目だけど、るいちゃんに言われるのは(笑)

:この大きい水槽レベルの特大ブーメラン刺さってるぞ

:ん?これまたるいちゃんに"わからせ"が必要か?

:100日後にわからされるるいちゃん

:るいちゃんの悲鳴、ふへへへへ、





スズーたちは何もいない水槽から先に進んでみると、そこには長い階段と長い1本道があった。


長い1本道を出るとそこには、また大きな水槽があった。


横は大きいが、高さは0,4mぐらいであり、水槽に手を入れれば、底についてしまうぐらい浅い水槽であった。


スズーたちは、キラキラと光る物が水槽の底にあることを発見した。


[スズー]

『水槽の底に何かあるね、拾ってみる?』


[リリ]

『うん、誰かの落とし物かもしれないし、拾ってみよう。』


『水槽の中にキラキラしているものが···拾いますか?』

                    

はい←

いいえ


浅海せんかいの石を拾った。』


[スズー]

『これなんだろう?なくさないようにしよう。』


その刹那、ガラスの割れたような音が響き渡った。


「きゃあ"あ"あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"」


「いい叫び声すぎる、これからが地獄の始まりだよ、るいちゃん。」


スズーたちは気づいたらとんでもない場所にいた。


:あまりにも不気味過ぎる

:絶対なにか起こるだろこれ

:なんかあるな

:怪し過ぎる

:浅海の石?

:!?

:まじでびっくりした

:るいちゃんの叫び声でびっくりした

:お手本過ぎる叫び声

:るいちゃんホラゲー得意()らしいです

:流れ変わったな

:急にホラーらしくなってきた

:そういえばホラゲーだったなこれ


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次回はホラゲーの続きです。

お楽しみに!


このペースだったらホラゲー配信6、7話続くけど本当に大丈夫か。

あく踊のネタバレはしないように、ストーリーはかなり変えようと思っています。

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