第13話 身バレの危機&ホラゲー配信1

同期の4人目、つむぎちゃんの初配信が終了した。


初配信を見た印象は、変わってる人だなと思った。

開始1分で配信を終わろとして、マネージャーに怒られ、更に初配信の内容すら考えていないとは、、、


あれを変わった人と言わずに何と言えば良いのか。


てかなぜ僕はコラボした琴音さんを"さん付け"し、話したことも無い和葉ちゃんとつむぎちゃんは"ちゃん付け"なのだろうか?


あ、、、そういえばつむぎちゃんのマネージャーから連絡が送られて来ているはずだ。


つむぎちゃんも僕とコラボしてみたいとか言ってたな。


同期とのコラボが多いのは嬉しいのだが、多すぎるのは良くない。

僕は会話が苦手だし、疲れてしまう。 


恐る恐るつむぎちゃんのマネージャーからの連絡を見てみると、コラボの日程は3日後であった。

まあ明日は和葉ちゃんとのコラボ配信があり、最短の2日後じゃないだけ感謝するとしよう。


肝心の内容だが、何も送られて来ていない。


琴音さんとのコラボ配信の時は、雑談をする事だけ教えてられていたが、今回は何一つ教えてられていない。

琴音さんとのコラボ配信のこともあったので、流石に教えて欲しかったが、マネージャーは何一つ教えてくれなかった。


これが所謂いわゆる"当日までのお楽しみに"と言うやつなのだろうか。


ここまで恐ろしいお楽しみはなかなか無いな。


連絡の返答も終わった事だし、もう寝よう。


友達が出来たおかげで、高校に入ってから初めて学校に行きたいと思うことが出来た。





目覚めた。


今日はいつもより少しだけ目覚めが良い気がした。


初めて友達が出来たことだし、はやめに学校に行くとしよう。

僕は速攻で支度をし、徒歩10分の学校に向かった。





教室に到着すると、はやく来たおかげか、友達と話しているクラスメイトの姿はあまり見られなかった。


僕の初めて出来た友達、森田桜月さんの姿も見られなかった。


そういえば森田さん、毎回時間ギリギリに教室に入ってた気がした。

完璧なのに朝は弱いのか。


諦めて僕は教室の端で応援コメントの返信をする事のした。





お昼休みになると、森田さんがお昼に誘ってくれた。

どうして僕と友達になったか聞いてみようかな?


「森田さん、どうして僕なんかと友達になろうと思ったの?」 


「え?急にどうしたの?」


驚かれてしまった。

やはり聞かない方が良かったのか?


「友達になろうと思った理由はね、清水ちゃんvtuber好きでしょ。」


頭の中に2つの疑問が浮かんだ。


1つ目はなぜ僕がちゃん付けされているのか?


学校では普段と違い女装をしてない。

僕が中性的な顔だとしても女装をしてなければ、間違われることは無いと思っていた。


2つ目はなぜ僕がvtuberが好きだとバレているのか?


実際、vtuberをしているので嫌いな訳がないが、これ

はいくら考えても分からなかった。


「何で分かるの?森田さんすごいね。」


「私ね、自己紹介の時、このクラスに趣味の合う人がいなくてがっかりしてたんだけどね、清水ちゃんがvtuberの切り抜きを見てて、それで友達になろうと思ったんだ。」


こんな完璧な人がvtuber好きなのか、意外だな。

でも森田さんもvtuberが好きなのは有難い。

vtuberから会話が広げられちゃうからな。


「森田さん、好きなvtuberとかいる?」


「最近デビューしたばっかなんだけどね、lives二期生の雪水るいちゃんが私の推しかな。」


え、、、、、、、、、、?????????????


そんなことある?


"vtuberの切り抜き"と濁して言ってくれたが、きっと僕が雪水るいの切り抜きを見てる所を森田さんに見られて、それで僕と友達になってくれたのだと思った。


それだと辻褄が合う。


森田さんの推しが、目の前にいることを知った時の反応が楽しみだが、関係が変わってしまうので、僕が雪水るいだということは隠すことにした。


「雪水るいちゃんのどこが好きなの?」


僕のことをちゃん付けするのは恥ずかしいな。


「るいちゃんの良さを語ると、昼休み終わっちゃうけど大丈夫?」


僕の良さを長々と語られると恥ずかしいので、流石に遠慮した。


それから僕と森田さんはvtuberの話で盛り上がった。

友達がいるだけで嬉しいのに、趣味まで合ってるとこんなにも楽しいのか。


あっという間に昼休みが終わってしまい、すぐに席に戻った。





午後の授業が終わり、放課後になった。


またしても森田さんが話かけてくれて、vtuberの話をしながら、一緒に帰った。





家に到着した。


普段は授業が終わったら速攻帰ってきており、今日は森田とvtuberの話をしながら帰ったため、少し帰るのが遅くなってしまった。


和葉ちゃんを待たせてしまうので、すぐに準備を済ませた。





[コラボ] るいちゃんを見守る会(ホラゲー)

13590人が視聴中


:うおおおぉぉぉ

:待ってた

:今日暇だったから助かる

:叫び声の供給助かる

:るいちゃんがホラゲー、嫌な予感しかしない

:まあるいちゃんホラゲーが1番得意らしいし大丈夫でしょ(笑)

:↑1番得意(1番苦手)


今日やるホラゲーの名前は"アクアリウムは踊れない"

と言うらしい。


ホラゲーがにが、得意なので名前は知っていたが、実際にプレイするのは初めてである。


最近完成したばかりであり、ホラーが嫌い過ぎて、意識を失ってしまった作者が、それでもホラーを愛し、10年もの時間をかけて完成させた作品である。


あ、そろそろ和葉ちゃんに呼ばれそう。





「私、このホラゲーはプレイ済みなので、この方にプレイして貰おうと思います。」


「和葉ちゃん始めまして、雪水るいです、帰っていいですか?」


「······あ、すみません、愛しの人に下の名前とちゃん付けされて照れてました。」


「和葉ちゃんかわいいね。」


「からかわないでください、これからたっぷりるいちゃんをホラゲーで可愛がってあげますからね。」


「帰っていいですか?」


「いいわけ無いでしょ、だから胸が寂しいんですよ。」


「は?だから胸は関係無いだろ、お前あとで覚えとけよ。」


:きたああああぁぁぁ

:るいちゃんがプレイするのね

:いきなり"帰っていいですか?"は草

:まじで嫌そう

:何か仲良さそう

:てぇてぇ

:幸せ空間過ぎる

:これが百合なのか、、、

:まじで帰りたそう

:うおおおぉぉぉ

:天丼きた

:い つ も の

:いつものるいちゃんだわ


「今日は、るいちゃんにホラゲーをプレイして貰い、私はプレイ済みなので、るいちゃんの叫び声とか反応を楽しみながら見守る企画です。」


「みんなで僕をいじめて楽しい?」


「1番楽しいよ、でもるいちゃんホラゲーが1番得意何だよね?」


「ほ、ほ、ホラゲーなんか、よ、余裕に、き、決まってるんだからね。」


「へぇー、余裕なんだ、ねぇ、るいちゃん、lives公式ついったー見た?」


「見たよ、たしか今日初配信予定だった同期が体調悪くなって、初配信が延期になったんだよね。」


「良く見てるね、るいちゃん初配信が延期になったんだよ、これがどういうことか分かる?」


「あー、僕頭悪いから全く分からないな(棒)。」


:うおおおぉぉぉ

:神企画

:るいちゃんホラゲー苦手なの認めてて草

:[速報] るいちゃんツンデレ化

:るいちゃん動揺しすぎ

:見たわ

:初配信楽しみだったのに

:あ、、、

:るいちゃん終わった

:いい奴だったよ、また来世で会おう

:頭悪いのも認めてて草

:るいちゃん東大入れるとかほざいてなかった?


「時間ができたので、るいちゃんにはクリアするまで耐久配信をして貰います、いぇ~い、どんどんぱふぱふ。」


「··········今日のコラボ配信はこれにて終わりです、

ご視聴ありがとうございました。」


「だからすぐに逃げようしないの、今日は長くなるからね、ずっと一緒だよ。」


「元気だね。」


「適当な返ししないの、今日は長くなりそうだから早速始めようか。」


「わ~い、楽しみ、面白そう(棒)。」


:うおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ

:耐久配信きたあぁー

:徹夜しよ

:今日中に終わらなそう

:↑今日中どころか朝までかかりそう

:本日3回目の逃げ

:ホラゲーに体力温存するために返し適当になりすぎてて草

:まじでやりたくなさが滲み出てる

:棒読み過ぎだろ

:今世紀最大の棒読み




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次回はホラゲーの続きです。

果たしてホラゲーが得意()なるいちゃんはどうなってしまうのでしょうか。

お楽しみに!














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